明治からの歴史が今も残る関西の迎賓館「奈良ホテル」
IGNITE / 2019年2月25日 19時0分
三月、春の訪れを感じさせる「お水取り」と呼ばれる奈良 東大寺の「修二会」。日が暮れてから二月堂の回廊を炎が駆け抜けるお松明や真夜中に水をくむお水取りがメインイベント。
最終日のお松明を観覧するため奈良市内に1泊することにし、クラシックホテルのひとつである「奈良ホテル」に伺った。
関西の迎賓館と云われる「奈良ホテル」は興福寺、春日大社、奈良公園などの観光地にも近い。
明治42(1909)年の創業で、国賓・皇族や国内外の貴賓、著名人も宿泊した由緒あるホテルで、外観は東京駅の駅舎を手掛けた辰野金吾氏が設計した創業当時のまま。
ロビーに入ると朱の鳥居とマントルピース、赤い絨毯が敷かれた大階段が目の前に。
階段を上がると和風のシャンデリア、ぼんぼり風の照明、レトロなテーブルと椅子、吹き抜け部分からは階下が見える。
創業時に建てられた瓦葺きの木造2階建ての本館には随所にマントルピースが残り、ノスタルジックで優雅な調度品が建物に調和する。
1984年に建築された新館は全室が緑豊かな中庭に面し、オーク材の落ち着いた色合いに大和文化の華やぎを表現したデザインの室内は落ち着きと重厚、モダンと機能性も備わる。
レストランは、フレンチ料理がいただけるメインダイニング「三笠」と日本料理「花菊」。和洋スイーツがいただけるティーラウンジと明治浪漫漂うバー「ザ・バー」が揃う。
宿泊したのは本館のスタンダードツインルーム。
客室には火入れはできないが創業当時のマントルピースが保存され、暖房は大正時代から使用するスチーム暖房とエアコンの併用。
小ぢんまりとしているが、天井が高くクラシカルな窓や照明も味わい深い。
朝食をレストラン「三笠」でいただいた。茶粥定食、和定食、洋定食から茶粥定食を選択。お茶で炊いた茶粥は奈良の郷土料理でもあるそう。
焼魚、焚合せ、小鉢、ごま豆腐、みそ汁、香の物が付き、緑茶で炊かれた茶粥はさらりといただける。
森鴎外やヘレン・ケラー、チャールズ・チャップリン、アインシュタインなど国内外の名だたる人物が宿泊した奈良ホテル。国賓・皇族の方々も宿泊するホテルのホスピタリティの高さは言うまでもない。
住所:奈良県奈良市高畑町1096
奈良ホテル:http://www.narahotel.co.jp/
(小椚萌香)
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