停電しても、停電しない家。電気を買わない自給率100%を目指す家。岡崎市大門展示場にて停電しない暮らし体験
IGNITE / 2019年9月18日 13時0分
地震、台風、水害など、日本列島で暮らしている以上、自然災害から無縁ではいられない。いつ起きるか分からない災害のためにも、日頃から自衛のために準備を怠らないことが必要だ。
しかし、備えのための対策が考えづらいのが停電だ。
9月9日未明、台風15号が関東地方を横断して、特に千葉県に大きな被害をもたらした。中でも大規模で長期間に渡る停電の被害は甚大で、私たちの生活にとっていかに電気が大切であり欠かせないものなのかを改めて認識させられた。
ひとたび停電になってしまうと、なにもできず復旧をただ待つしかなく人間の無力さを思い知るばかりだ、と思い込んでいたのだが、停電しない家というものがすでに実現していてモデルハウスも公開されているという。
愛知県岡崎市大門駅前の住宅展示場にある「U-Smart2020」をご紹介しよう。
︎365日自給率100%を実現した大型蓄電池採用の住宅
Usmart2020は、「停電しても停電しない家」。停電中も、エアコンは稼働し、IHコンロで食事を作ることもでき、冷蔵庫もいつも通り動き、電気のエコキュートで入浴もできる。つまり、普段と同じように生活できる家なのだ。
なぜ、そんなことが可能なのかというと、それは日中に太陽光で作った電気を大型蓄電池にためておくことができるからだ。太陽光発電を10.98kW、200V設備対応大型蓄電池9.8kWhに蓄えることで「365日、昼も夜も太陽の光で暮らす自給率100%」の住宅を実現した。
太陽光発電を採用している住宅は増えているが、問題は蓄電池の容量。通常の電気と併用することで、電気代を安くできるというレベルのものが多かった。ところが、Usmart2020は365日自給率100%を実現できる大型蓄電池を採用しているのだ。
このことによって家が停電しないだけでなく、停電時には近所で困っている方々に電気を分けることまで可能にした。
︎高騰していく電気料金の問題点
2020年4月から始まる「発送電分離」により、電力インフラは既存電力会社、新電力会社ともに地域の垣根を超えた顧客の争奪が始まっている。
出力調整できないベースロード電源であった原発の停止で、3.11以降国内の深夜電力割引も倍以上の価格になった。比較的に安価であると言われていた深夜料金が上昇したことで、深夜にお湯を創る「エコキュート」の消費電力も家計の負担になっている。
火力が代替え電源である現在、燃料である石炭、石油、天然ガスを海外から調達する際の基準価格を上回る場合は「燃料調整費」が追加調整されている。また、福島の賠償金2.4兆円という国民負担も、託送料金に上乗せされている。
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