一点ごとに模様が違う、海洋プラをアップサイクルした雑貨「buøy」
IGNITE / 2020年7月25日 13時0分
7月1日からスタートしたレジ袋有料化の背景には、海洋プラスチックごみ問題があるとされている。
プラスチック製品のメーカー株式会社テクノラボは、プラスチックゴミが生態系に及ぼす問題を心苦しく感じて、2年以上前から社内プロジェクトで研究を進め、海洋プラスチックゴミをアップサイクルして商品を作るブランド「buøy(ブイ)」を立ち上げた。
■人々に海の現状を知らせるアイテム
漂着した海洋プラスチックゴミは劣化しており、材料ごとに分別してリサイクル材として活用することは決して容易ないことではない。また日々大量に流れ着く海洋ゴミで安易な製品をつくっては、さらなる悪循環を生み出してしまう。
そこで、これら海洋プラスチックゴミの背景を活かした『人々に海の現状を知らせるアイテム』をつくれないかと思ったことがブランド立ち上げのきっかけとなった。
■一点一点違う模様が現れる、個体差があるプラスチック製品
buøy(ブイ)の製品は市販のプラスチック既製品に比べ個体差がある。これはプラスチックの大量生産特性を重視するのではなく、長く大切にされる製品にしたいとの思いから一点一点違う模様が現れる製造方法をとっているからだ。
従来のプラスチックの品質基準にはあてはめることなく、どうやったら人々の心を動かすプロダクトになるかを基準に作り上げてきた。ユーザーが悩みながら選んで購入し、長年大切にする工芸品のような存在になっていき、いずれ海洋プラがなくなりプロダクトが作れなくなることこそが本来の目標だという。
■漂着する海洋プラスチックゴミにも個性がある
海岸の立地や地形、潮の流れといった要因で海岸に漂着するごみは変わってくる。
たとえば、対馬などでは海外のカラフルなごみが多いが、湘南では波によって砕かれたマイクロプラスチックが多くなる。他にも、海水浴場のそばでは飲食ごみが、畑のそばだと農業用品などが風にのって混ざってくる。buøy(ブイ)はそうした地域や季節に由来する表情の異なったプロダクトが生まれることが特徴だ。
ECサイトオープン後しばらくは関東近郊のビーチクリーンで採取されたごみを使って製作するが、2020年中に日本各地のごみを材料にしたものを製作することを目指している。
■ビーチクリーンを支えるブランドへ
回収した海洋プラをごみとして終わらせるのではなく、ビーチクリーンを担うボランティア団体の収入を支える販売物となるように、アップサイクル工芸品を市場に普及させる仕組みづくりの第一歩としてECサイトをオープン。
まずは一例としてbuøy(ブイ)がECサイトを通し、ユーザーの声を集めることで大量生産ではないプラスチック製品の在り方を模索していく。
buøy(ブイ)を使うことが、環境問題を考えるきっかけになりそうだ。
ECストア: http://www.techno-labo.com/rebirth
(冨田格)
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