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アフガニスタンの復興支援に半生を捧げた中村哲医師の証言録、10月刊行

IGNITE / 2021年9月20日 6時0分

アフガニスタンの復興支援に半生を捧げた中村哲医師の証言録、10月刊行

アフガニスタンで生きた日本人医師の肉声を再現した新刊。

写真提供:ペシャワール会・PMS

■中村哲医師の人生とは

NHK出版は、故・中村哲医師の証言録である10月25日発売の新刊『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」』のカバーデザインを公開。同時に、止まない反響を受け、中村医師の自著『天、共に在り』の重版が決定し、累計10万部を突破した。

中村哲医師は、1946年福岡県生まれ。九州大学医学部卒業。日本国内の診療所勤務を経て、84年にパキスタンのペシャワールに赴任。以来、ハンセン病を中心とした貧困層の診療に携わる。

86年よりアフガニスタン難民のための医療チームを結成し、山岳無医地区での診療を開始。91年よりアフガニスタン東部山岳地帯に3つの診療所を開設し、98年には基地病院PMSを設立。

2000年からは診療活動と同時に、大旱魃に見舞われたアフガニスタン国内の水源確保のために井戸掘削とカレーズ(地下水路)の復旧を行う。03年より09年にかけて全長25キロメートルに及ぶ灌漑用水路を建設。その後も砂嵐や洪水と闘いながら沙漠開拓を進めた。

アフガニスタン政府から名誉市民権を授与。2019年12月4日、アフガニスタンのジャララバードで凶弾に倒れる。享年73歳。

■生前の中村医師の肉声を忠実に再現

NHK出版より10月25日発売予定の新刊『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」~中村哲が本当に伝えたかったこと』は、中村哲医師の証言録。中村氏が出演したNHK「ラジオ深夜便」の6番組より、インタビューに答えるその肉声を忠実に再現するものだ。

担当編集者が本書制作時の中村医師とのやり取りを回想した寄稿文「中村哲さんとの思い出」も、NHK出版WEBマガジン「本がひらく」で公開中。中村医師の実直な人柄がうかがい知れるエピソードから、一部を抜粋して紹介しよう。

最近になって、初版時の帯のメインコピーについて尋ねられる機会が増えてきました。そのコピーとは、「道で倒れている人がいたら手を差し伸べる――それは普通のことです」というもので、(中略)あの言葉の出典は何かと聞かれるようになったのです。実はあの一文は、『天、共に在り』や中村先生のほかの本に出てくるものではありません。私が何度かうかがった先生の講演会で幾度となく耳にしたのが、あの言葉だったのです。
ーー(特別寄稿より抜粋)

 ■多くの反響を受け、既刊『天、共に在り』累計10万部突破

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