再生した蔵元から『山の水 空に一番近い酒』新日本酒ブランド「narai」誕生
IGNITE / 2021年10月5日 0時15分
日本一標高の高い蔵元から、新しい日本酒ブランドが誕生。
長野県塩尻市奈良井の重要伝統的建造物群保存地区内で1793年に創業し、2012年より休眠状態にあった杉の森酒造は、Kirakuにより日本一標高の高い蔵元「suginomori brewery(スギノモリ・ブルワリー)」として再生した。そして今回、新日本酒ブランド「narai(ナライ)」の醸造を開始、記念すべきファーストバッチの販売をスタート。
■日本一標高の高い蔵元
標高約940m。木曽の美しい山々と杉の森に囲まれた自然豊かな環境に位置する蔵は、日本一標高の高い蔵元として奈良井宿に位置している。
江戸時代から宿場町として栄えた奈良井宿には、かつて中山道を行き来する旅人を潤し、地域住民の営みを支えてきた山水がある。この山水の特徴は、信濃川と木曽川の分水嶺付近の湧き水で、硬度25以下の超軟水ともいえるテクスチャだ。
原料となる米は、長野県安曇野で酒米づくりを行う「ファームいちまる」と提携し、地産のものを使用。同じく標高の高い環境で育った安曇野の米は、北アルプスの雪解け水が使用されており、手作業によって丁寧に作られている。
■マイクロブルワリーと四季醸造
蔵は、約250㎡のマイクロブルワリーとして以前の半分以下のサイズで再生。ここでは小型タンクを採用し、限られた空間を効率的に活用する酒造りに挑戦。また、小規模酒蔵の特徴として、1人の杜氏による「全工程手作業の丁寧な酒造り」を行う予定だ。
そして、スギノモリ・ブルワリーでは冬の気温と同じ環境を再現できる冷蔵室を設けることで、年中製造可能な「四季醸造」という製造方式で醸造を行う。これにより、年中搾りたての日本酒を届けること、また年間を通した杜氏の仕事確保が可能になった。
■受け継がれる道具の想い
酒造りでは、前蔵元以前より使用されてきた道具を再利用する。「保存状態により、修復が必要なものもあるが、時間をかけながら一つ一つ丁寧に直して、naraiの製造に使っていきたいと考えています。酒蔵再生の過程で、新たな機材の導入等もしていますが、それら新しいものと、道具によるこれまでの歴史を掛け合わせた日本酒づくりを行うことは僕自身にとっても新たな挑戦になります。」と杜氏の入江は言う。
酒造りを通して、道具も一緒に育てていく蔵づくりをスギノモリ・ブルワリーでは行っていく。
■naraiのボトルデザイン
スギノモリ・ブルワリーの「山型のシンボルマーク」は、蔵名でもある「杉の森の風景」をイメージしてデザイン。このデザインは、先代蔵元時代に建物の壁面に取り付けられていた「大工さんが遊びで作った木工細工」がモチーフになっている。
この歴史を継ぐ当蔵のシンボルマークには、地域の方々に愛されてきた杉の森酒造が、奈良井宿を起点に、全国の人にも、そして世界の人にも愛される酒造りをしていきたいという想いが込められている。
記念すべきファーストバッチはMakuakeにて販売中だ。伝統を受け継ぎながらも再生した蔵元の日本酒を試してみよう。
URL:https://www.narai.jp/
ファーストバッチの販売:https://www.makuake.com/project/narai/
Photo by Tomohiro Mazawa, Luca Gabino, Takatoshi Yamano
(田原昌)
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