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都市生活を豊かにする「天然木ノンビス工法外装材」がグッドデザイン賞受賞

IGNITE / 2021年10月28日 0時0分

都市生活を豊かにする「天然木ノンビス工法外装材」がグッドデザイン賞受賞

コンクリや鉄骨で囲まれた都市部で生活すると、木材のありがたみを実感するもの。

■持続可能な外装材でグッドデザイン賞を受賞

三菱地所ホームは、サステナブル外装材「天然木ノンビス工法外装材」で、2021年度グッドデザイン賞を受賞した。

自然が少ない都市部において、住宅が環境を豊かにする街路樹のような存在となることを目指し、木製品メーカー「VETEDY group」と協働し、天然木外装材を開発。既存の天然木外装材の課題であった耐久性・施工性・メンテナンス性・防火性を、ノンビス工法の採用によって解決した。

■「天然木ノンビス工法外装材」の特長

ビスの脳天打ちから生じる木の割れ、ビスの劣化、見栄えが悪いといった課題を解決する釘を使わないノンビス工法により、耐久性・意匠性を向上。

専用樹脂留具を下地に設置し、天然木ボードをはめ込んでいくだけなので、施工性がよく、工期短縮にもつながる。また、部分的に交換可能で、メンテナンス性も容易に。

都市部で取り入れやすい外装材とするため、45分準耐火建築物まで使用可能とした。

天然木は、耐久性、強度、寸法安定性に優れた森林認証制度を取得した合法木材「パドック」を採用。施工前に約3か月天日干しをして赤みの強い材をあえてシルバーグレーに退色させることで、経年変化の美を生かす。

シルバーグレー色はモダン住宅には欠かせないアクセントとなり、木が見えることで安らぎ効果を生み出す。

室内空間で目に映る木の割合により感じる快適性の考え方を屋外空間に適用した「木視率」を独自に定義し、住宅ファサードで4割、外構・植栽計画まで含めて木視率5割とした、都市部で取り入れやすいファサードを提案していく。

グッドデザイン賞の審査委員は、「天然木ノンビス工法外装材」の選定理由をこのように述べている。

カメルーン産のパドックというバイオリン製造にも使用される元々赤みのある天然広葉樹を用い、その特性を生かし加工後の安定したシルバーグレーの表情が美しい天然木外装材である。

都市部における法的制約や意匠性、施工性を明快に解決していることも優れる点。特にビスを使用せず、部品交換も可能でメンテナンス性にも優れた専用の樹脂留め具を同時開発している点もハイレベルな製品開発と言える。

住宅外部を独自の指標である「木視率」という基準で捉え、通常の外構・植栽で1割、そこへ本製品による外壁で4割、つまり木視率合計5割を目指すという提起も興味深い。天然木の外装材における施工性やコスト、経年変化やメンテナンス性と、様々な不安定要素から解放される意義ある製品である。

今後も地球環境に配慮した資源の活用など、SDGs(持続可能な開発目標)に係る取り組みの進展に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献していくという三菱地所ホーム。街の景観を、少しずつ味わい深いものに変えていきそうだ。

(冨田格)

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