罪の責任を無化する巨大企業を巡るディストピア小説、吉村萬壱の最新作『CF(シーエフ)』刊行!
IGNITE / 2022年6月19日 22時0分
異色の問題作を放ち続ける作家・吉村萬壱(よしむら まんいち)。待望の最新作が『CF』が6月29日(水)に徳間書店より販売開始する。
同作は「金さえ積めば、すべてチャラ」にしてくれる巨大企業「CF」をめぐる人間模様を描いたディストピア小説で、小説家・花村萬月氏やクリープハイプのボーカル・尾崎世界観氏などが、激賞の声を寄せている。
「罪とは何か。責任のとり方を問う」ディストピア群像劇本来なら責任を取らなければならない「罪」を、金さえ払えばチャラにしてくれるという巨大企業「CF(Central Factory)」。加害者のみならず被害者の苦しみも取り除く技術を持ち、世を平穏へと導く。しかしそのCFがもたらす世界の「幸福」に疑問を持った男がCFへのテロを計画する……。
CFをめぐり交錯する人間模様を描いた、ディストピア群像劇『CF』。SFの影響を受けた退廃的かつ破壊的な作風が特徴とされる作家、吉村萬壱氏の最新作だ。
小説家、アーティストが寄せる激賞の声小説家・花村萬月氏は、「卑俗にして至聖、極微にして極大、さらには極北。この小説家はほんとうに恐ろしい。」と、『CF』を激賞。
また、クリープハイプのボーカルで小説家でもある尾崎世界観氏は、「せっかく読んでいた物語が、CFのせいでグチャグチャになる。それは全部CFのせいだけど、そもそも何の為にこれを読んでいるのかとCFは思わせてくる。そこからはもう、CFにまるごと委ねれば楽になる。CFが全部やってくれる。CFが知っている。CFに行きたい。」という声を寄せている。
『CF』作者・吉村萬壱氏のプロフィール吉村萬壱氏は、1961年に愛媛県松山市に生まれた。京都教育大学卒業後、東京、大阪の高校、支援学校教諭を務めた。
2001年、『クチュクチュバーン』で第92回文學界新人賞受賞。2003年、『ハリガネムシ』で第129回芥川龍之介賞し、支援学校教諭を退職して作家専業となった。
その後、2016年『臣女』で第22回島清恋愛文学賞を受賞している。
SF的なディストピア小説でありながら、リアルな日本の姿を描いたかのような小説『CF』。そんな世界観に興味のある人におすすめの作品だ。
CF(シーエフ)
定価:1,870円(税込)
商品ページ:https://www.tokuma.jp/book/b608106.html
(高野晃彰)
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