江戸・明治の市川團十郎が浮世絵の中で蘇る!奇跡的な色彩が乱舞する歌川派「浅井コレクション」の展覧会
IGNITE / 2022年11月30日 16時0分
12月13日(火)まで、歌舞伎役者・市川團十郎三代を描いた歌川派の浮世絵を集めた「市川團十郎と歌川派の絵師たち」展が、東京・有楽町朝日ギャラリーで開催されている。
日本有数の「浅井コレクション」から、50点余りを展示。江戸後期から明治にかけて活躍した七代目、八代目、九代目の團十郎の雄麗な姿を、歌川国貞(くにさだ)、歌川国芳(くによし)、豊原国周(くにちか)らが描いたものだ。
同展覧会は、東京・歌舞伎座で上演中の十三代目市川團十郎白猿の襲名披露興行を祝う企画でもある。
神聖視された市川團十郎市川團十郎は江戸時代、単なる歌舞伎役者ではなく、成田不動尊の信仰、御霊信仰とも相まって「江戸の守護神」「役者の氏神」とみなされ、神仏の権化であるかのように神聖視されたという。超人的なキャラクターが登場する『荒事』の芸を支えたのも、團十郎自身の信仰心だったという研究者も。
その『荒事』を創始した元禄期の名優の初代、『助六』などを創演した二代目、寛政期の江戸歌舞伎を代表した五代目ら。時代が下って『歌舞伎十八番』を定めた七代目、早世した人気の美貌役者の八代目、「劇聖」とも称賛された九代目。そして、「花の海老さま」と呼ばれ、戦後歌舞伎を代表する人気役者だった十一代目、『歌舞伎十八番』の復活などに実直に取り組んだ十二代目も、また歴史に名を刻んでいる。
3人の浮世絵師による違いを楽しむ今回展示される53点を見てみると、苦悶しつつも獅子奮迅の気迫で、江戸歌舞伎を支え抜いてきた七代目、八代目、九代目團十郎が躍動している。
浮世絵師は初代歌川国貞(後の三代目歌川豊国)、今人気沸騰中の歌川国芳、豊原国周ら。特に芝居絵・役者絵をよく描いた国貞、国周作品が目立つ。
粋や伊達、いなせといった江戸の美意識をビターな感覚で描いた国貞、「武者絵」で知られながらも、奇抜な構図とどこか丸みを帯びた現代のマンガに通じるタッチを見せた国芳。そして、西洋化が急ピッチで進む明治時代に、たっぷりと豊かに、かつ上品に仕上げた国周。こうした絵師の個性の差を見比べても面白い。
作品で注目したいのは、なんといっても十三代目の襲名披露興行の演目でもある『勧進帳』『助六』など『歌舞伎十八番』。八代目を描いた国貞の『助六』、九代目を描いた国周の『勧進帳』は必見だ。
豊原国周作「与衆同楽」(1887年)Ⓒクールアート東京 無断転載厳禁
※データ保護のため低画質で掲載
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
十三代目 市川團十郎白猿 襲名興行期間中 最後の巡業公演 ご当地成田公演へ向け意欲を語る。
PR TIMES / 2024年7月19日 11時15分
-
市川團十郎「正直好きではなかった」梨園に生まれたゆえの長年の葛藤・歌舞伎役者決意したきっかけ明かす
モデルプレス / 2024年7月10日 17時2分
-
市川團十郎 今治城歌舞伎
PR TIMES / 2024年7月10日 12時45分
-
2024年8月・9月開催 『十三代目 市川團十郎白猿襲名披露巡業』市川團十郎の取材会をレポート!
PR TIMES / 2024年7月3日 12時0分
-
「先代は豪華だった」市川團十郎のコンパクト襲名興行に嘆かれる、父子の“器の大きさ”の違い
週刊女性PRIME / 2024年6月28日 8時0分
ランキング
-
1テレビ離れの小中高生にバカ受け…「27時間テレビ」で視聴率急伸した"5つの時間帯"の芸人とタレントの名前
プレジデントオンライン / 2024年7月26日 10時15分
-
2「コロナと夏かぜ流行中」何が起きているのか ワクチンを打っている人、打ってない人の違い
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 8時10分
-
3国立大「学費値上げ」議論過熱 物価高騰、私大からも「格差是正のため150万円に」の声
産経ニュース / 2024年7月25日 19時32分
-
4イトーヨーカドー春日部店が閉店へ 「クレヨンしんちゃん」に登場するスーパーのモデル 「残念」「寂しい」惜しむ声
ねとらぼ / 2024年7月26日 16時5分
-
5日本人に多い「近視」 子どもは特に要注意、放置すると及ぶ“危険性” 眼科医が解説
オトナンサー / 2024年7月26日 7時10分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください