虎視眈々。BMWのiシリーズ戦略
IGNITE / 2014年8月25日 19時32分
BMWがまたもやEVの世界に新たな一石を投じた。自動車機器サプライヤーである独ボッシュと組んで小型の急速充電器『BMW i DC Fast Charger』を開発。全米にそのネットワークを構築するという。
既存の急速充電器は大きく重く、例えるなら冷蔵庫サイズ。設置するにも土台の基礎工事から始まる。しかし、『BMW i DC Fast Charger』なら公衆電話のように手軽に設置が可能だ。また、コネクターに標準規格の『SAE Combo 1』を採用し他メーカーも充電可能。
性能的には出力24kWと従来型の約50%しかないが、それでもi3なら30分で80%まで回復するという。出先で充電するならコレで十分だ。
BMWはこの小型急速充電器を$6,548で自社ブランドのネットワークと、EVステーションを展開する一部の企業に販売する。ちなみにi3のオーナーになれば2015年末まで無料でチャージできる。
この価格なら郊外の個人経営レストランのオーナーでも食指が動くはず。集客への投資と考えれば安いものだ。是非とも垣根を取り払って販売してほしいところだ。
さて、EVに対する取り組みをもうひとつ。BMWはEPRI(電力研究所)が開発したEV用統合プラットフォームのテストプログラムに参加することを表明している。8つの自動車メーカーと15社のプロバイダー、電力会社、送電会社、関連団体などメンバーは多種多様だが、このプログラムの目的は、電力のオンデマンド化とプラットフォームの統一規格化だ。
EVユーザーは個々のライフスタイルの中で充電可能な時間帯に、電力会社、電力の種類、価格等様々な要素を組み合わせたスケジュールを実行することが可能となる。つまり、電力料金が安い時間帯だけを選んだり、再生可能エネルギーだけで充電したりと、プログラムできるのだ。
BMWはiシリーズのユーザー向けにスマートフォンを活用した充電アプリを提供しているが、将来的にはさらに個人の趣向と社会の電力バランスが最適化されることになるだろう。
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