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自然や動物を瞬間的で冷徹な視点で切り取る。フランスの藝術家マリーナ・ル・ギャル氏の個展開催

IGNITE / 2024年6月17日 10時35分

自然や動物を瞬間的で冷徹な視点で切り取る。フランスの藝術家マリーナ・ル・ギャル氏の個展開催

代官山のギャラリーのこぎりでは、フランスのアーチスト、マリーナ・ル・ギャル氏の個展「どうして僕はこんなところに」を、6月21日(金)から開催する。

同展は、パリ・ロンドン・ブリュッセルなど世界各地で展示会を行う彼女にとって日本で2度目の個展。絵画作品にフォーカスしたものとしては初の作品展となる。

マリーナ・ル・ギャル氏の日本における2回目の個展

マリーナ・ル・ギャル (Marina Le Gall)氏は、1986年、フランスのブルターニュ地方カンペールレの農家に生まれ、幼少期を動物に囲まれて過ごした。父の狩猟に同行し、死にゆく動物たちを記録していたことが、現在の彼女の表現につながっているという。

高校卒業後、パリ国立高等美術学校で陶芸を学ぶ。シドニー芸術大学への留学を経て、フランスの全国職業資格の芸術分野の資格であるDNSAPを取得。以降、ヨーロッパをはじめとする世界各地で展示を開催。

2016 年に、パリ郊外の森の中で製作した高さ3mに及ぶ巨大な作品・Hannibalのプロジェクトは国内外で注目を集めた。

ストーリーも矛盾も捨て立ったところに存在する絵

マリーナ・ル・ギャル氏の絵は、偵察用のドローン、あるいは動物型アンドロイドが撮影した写真のようだ。

それは、瞬間的で冷徹な視点で風景を切り取りながら、人間の脳で判断することを拒否し、これまでの経験値を集めたデータによるあらゆる判断を拒否する。

そこには、死であれ、生であれ、大きな悲しみも特段の喜びもない。人間は何歩も下がって、その当たり前の流れを観察しながら、背後にある大きな力と、かすかな血の匂いを感じるだけだ。

彼女は「自然や動物をテーマに描くということは、筋の通ったストーリーに沿うのではなく矛盾を受け入れることだ」と言う。

ストーリーも矛盾も人間だけが気にする。それらを捨て去ったところに彼女の絵は存在し、抜け殻になった人間の肉体は返り血のように絵の具を浴びて彫刻になる。

あらゆる自然と生命から隔絶されてしまった私たちは、今、どうしてこんなところにいるのか。それが、今回の展覧会の名称である「どうして僕はこんなところに」で表現されるのではないだろうか。

Apocalipse,2024, oil on canvas,130x195cm ©︎Marina Le Gall

Lorigine du monde ,2021, oil on canvas, 120x120cm, ©︎Marina Le Gall

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