茶人に好まれた漆芸の技。「逸翁美術館」で開催する特別展「漆芸礼讃―漆工・三砂良哉―」
IGNITE / 2024年9月10日 21時15分
阪急宝塚線の池田駅から徒歩10分の「逸翁(いつおう)美術館」では、大阪を代表する漆芸家の一人として活躍した三砂良哉(みさごりょうさい)を、初めて大々的に取り上げる特別展を開催する。
開催期間は、9月21日(土)から11月24日(日)まで。
このほかに、講演会や鑑賞講座、館内にある茶室での呈茶を実施するので、事前に申し込んでおきたい。
明治から昭和にかけて活躍した漆芸家・三砂良哉三砂良哉(1887~1975年)は、西宮で代々酒造業を生業とした家に生まれ、日本画を学んだ後に漆芸の道に入り、明治から昭和にかけて大阪を拠点に活躍した。
1909年ごろには、阪急東宝グループの創業者である小林一三(いちぞう)の知遇を得ていたことがわかっており、たびたび小林一三の自宅がある池田を訪れて、その好み物を多く手がけた。
遺された作品は絵画的で精妙優美な作風で知られ、技術力の高さだけでなく創作性・デザイン力に満ちあふれており、小林だけでなく、武者小路千家・第12代家元の愈好斎(ゆこうさい)や、清海泰堂(きよみたいどう)など、武者小路千家の茶人に好まれたのもうなずける。
その漆芸の粋を集めた作品を、今回の特別展で堪能しよう。
講演会や鑑賞講座で、その魅力をより深く知る同展の関連企画として、武者小路千家の家元後嗣である隨縁斎 千宗屋(ずいえんさい せんそうおく)氏による講演会や、学芸員による鑑賞講座を開催する。
いずれも事前申し込みが必要なので、公式サイトから申し込んでおきたい。
講演会の「好み物を楽しむ―茶人と職人の共同作業」は、10月14日(月・祝)の14:00~15:30に開催。
担当学芸員が作品の魅力、見どころなどを解説する鑑賞講座は、9月23日(月・祝)、11月16日(土)の開催で、いずれも時間は10:30~12:00となっている。
美術館内の茶室「即心庵」で楽しめる呈茶同館内にある椅子式の茶室「即心庵(そくしんあん)」では、呈茶を実施する。
この茶室は、小林一三が自ら考案した椅子席で楽しめる茶室「即庵(そくあん)」を、同美術館の館内に「即心庵」として再現したもので、定期的に呈茶を実施している。
テーマにあわせたオリジナルの菓子と一服の茶で、ゆっくりとした時間を過ごしたい。
特別展「漆芸礼讃―漆工・三砂良哉―」での呈茶は、会期中の日曜日に開催。10:50〜14:30の間に6回開催し、各席7名まで。いずれの回も一服500円となる。
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