飛行機を降りたら、まずビール！ 空港内にある醸造所「エアブロイ」訪問記

温泉や庭園があったり、スロットマシーンがあったりと、空港には独自のおもてなし方法があって客を楽しませてくれるものだが、ドイツのミュンヘン空港にはいかにも「ドイツらしい」おもてなしが待ち受けている。

なんと、空港にビールの醸造所があるのだ！その名は「airbräu（エアブロイ）」。

世界広しと言えども、空港の中に醸造所がありビアガーデンまで開かれるのはここだけだ。

荷物を受け取ってさっそく airbräu の直営レストランに足を運ぶ。看板には飛行機のイラストまで付いて、いかにも空港の醸造所というイメージを抱かせてくれる。

なにせミュンヘンは世界最大のビールの祭典「オクトーバーフェスト」が開催される街。玄関口である空港からビールで出迎えてくれるというのは、ビール好きには嬉しい旅の始まりだ。

女性店員はオクトーバーフェストで見かける、ミュンヘンを中心とするバイエルン地方の衣装に身を包んでいるので、これがまたビールの気分を盛り上げてくれる。

店内にはピカピカの銅釜が鎮座し、壁際には低温熟成のタンクが並ぶ。ビールを醸造している様子が間近に見られてちょっとした工場見学気分だ。

「現在は何を熟成中」と記入されているのを見れば、出来たてがここで飲めるのだという嬉しさで思わず顔がほころんでしまう。なんと言ってもビールは鮮度が命なのだから。

ミュンヘンっ子は朝に白いソーセージ「ヴァイスヴルスト」を食べる習慣があり、それにビールとプレッツェルが付いたモーニングメニューを注文した。

ふんわりと柔らかいヴァイスブルスト、そして焼きたてのプレッツェルが香ばしくて美味しい。朝食には充分な量だ。

本命のビールを飲んでみよう。

醸造所ならではの、無濾過のヘレス。しっかりした麦芽の味わいながら、爽やかな喉ごしと後味。狭い航空機内に居て疲れた身体を解放してくれる美味さ。

「ビールの国・ドイツにやって来たんだ！」という喜びが湧いてくる。

さあ、入国審査を受けて荷物を引き取ったら、とりあえず一杯飲みに行こう。

（田原 昌）