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ケン・ローチ監督の幻の名作『石炭の値打ち』が日本最終上映へ。児童支援を目的に特別上映が実現

IGNITE / 2025年1月31日 16時30分

ケン・ローチ監督の幻の名作『石炭の値打ち』が日本最終上映へ。児童支援を目的に特別上映が実現

英国映画界の巨匠、ケン・ローチ監督の傑作『石炭の値打ち』が、日本で最後の上映機会を迎える。未ソフト化・未配信のこの作品は、1977年にBBCのTV映画として放映された二部作であり、監督の集大成と評されている。

上映を実現したのは映画イベント「サム・フリークス」。イベントの主催者・岡俊彦さんの強い願いによって実現した。

日本最終上映となる幻の二部作『石炭の値打ち』

『石炭の値打ち』は、ケン・ローチ監督と脚本家バリー・ハインズさんのコラボレーションによる作品であり、南ヨークシャーの炭鉱労働者の生活を丹念に描き出したドキュメンタリータッチの二部構成となっている。

第一部「炭鉱の人々(The Price Of Coal:Part 1 – Meet The People)」は、コメディ調の演出で労働者の暮らしを映し出し、第二部「現実との直面(The Price Of Coal:Part 2 – Back To Reality)」では、事故や社会問題を通じて彼らの現実に迫る。

ケン・ローチ監督自身も、「自分の家族の多くが炭鉱労働者であり、炭鉱地帯と深いつながりを感じていた」と語るほど、個人的な想いが込められた作品だ。

この作品は、日本では未ソフト化・未配信のまま長らく幻の名作とされていたが、2024年4月に「サム・フリークス Vol.27」で日本初上映を果たした。そして今回、岡俊彦さんの希望により、最後の上映機会が設けられることとなった。

児童支援のための特別上映イベント

「サム・フリークス」は、社会的なメッセージ性の強い作品を上映することで映画を通じた支援活動を行ってきた。今回の上映も、児童支援を目的としたものであり、有料入場者1名につき250円が「認定NPO法人 3keys」に寄付される。

この取り組みは、すべての子どもたちが社会から孤立することなく暮らせる環境づくりを目指している。

ケン・ローチ監督の真髄に迫る名作

『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』などで知られるケン・ローチ監督の作品群の中でも、『石炭の値打ち』は彼の世界観を最も色濃く反映したものといえる。炭鉱労働者の現実を描きながらも、ユーモアと鋭い社会批判が織り交ぜられ、観る者に深い感動を与える。

映画ファンにとって、この日本最終上映は見逃せない機会となるだろう。名匠ケン・ローチの幻の傑作をスクリーンで目撃できる最後のチャンスを、見逃さないようにしたい。

特別上映イベント「サム・フリークス」
会場:ユーロライブ
所在地:東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F
開催日時:4月19日(土)14時~(予告編の上映なし)
前売り券:1977円(Peatixにて販売)
当日券:2000円
公式サイト:https://pikao.hatenablog.com/entry/20241020/1729350000

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000156389.html

(山之内渉)

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