「モルダウ」の聖地、チェコ共和国・プラハを訪ねる大人の旅路
IGNITE / 2015年9月8日 6時6分
誰もが知っている、チェコが生んだ偉大な音楽家たち。一人はスメタナ、そしてもう一人はドボルザーク(チェコ語ではドヴォジャーク)である。
スメタナの交響詩「Má Vlast(我が祖国)」の第2章は日本では「モルダウ」として有名だが、これはプラハ市内を流れる「Vltava(ヴルタヴァ)」川のドイツ語訳であり、彼の博物館はその川の畔にある。
博物館の前に座すスメタナの像、そして隣を流れるヴルタヴァ川。奥にはカレル橋とプラハ城も望めるという素晴らしい一枚の絵ができ上がる。
「Museum Bedřicha Smetany(スメタナ博物館)」には楽譜、受賞した数々の賞、そして彼自身が使用したというピアノまで展示されている。
中でも面白いのが、指揮台に乗りスメタナの気分になってタクトを好きな譜面台に向かって指すと、その曲が流れるという仕掛け。やはりここは窓の外に見えるヴルタヴァ川を眺めながら「我が祖国」を聴きたいところ。
「Museum Antonía Dvořáka(ドヴォジャーク博物館)」はプラハの観光の中心より少し外れた所にある。
入館料とは別に撮影許可料を支払うと、館内での撮影が可能だ。
ドヴォジャーク直筆の楽譜は勿論、使用したピアノ、ヴィオラ、机やメガネなど様々な品が展示されている。また「新世界」を発表することになったニューヨークでの彼の写真や、当時の漫画なども展示されていて面白い。
そして、館内には彼の曲が様々なバージョンで流れているので、好きな人にはのんびりと時間を過ごすことの出来る場所となるだろう。
スメタナとドヴォジャークだ。二人の偉大な音楽家は、死後同じ「Vyšehrad(ビシェフラド)」の墓地に埋葬された。
そこはスメタナが「我が祖国」の第1章で題材にした場所であり、ヴルタヴァ川もプラハ城も望める高い位置にある。素晴らしい眺望と共に、彼等の曲が耳に甦るようだった。
(田原 昌)
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