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芸術の秋、六本木で「フランク・ゲーリー展」を愉しむ休日のススメ

IGNITE / 2015年10月23日 9時37分

左:ゲーリー自邸 (Photo : Tim Street-Porter/OTTO) 右:UTS (シドニー工科大学) ドクター・チャウチャク・ウィング棟〈スケッチ〉(Image Courtesy of Gehry Partners, LLP)

多角的な視点から、彼の「アイデア力」を紐解いてゆく。会場を彩る、ゲーリー自身の言葉たちからも、彼の信念や豊かな想像力の世界が垣間見られるだろう。

同展のディレクションを担当したのは、国内外から高い評価を集める新進建築家の田根剛。ゲーリーの建築から人物像まで徹底的にリサーチし、独自の視点による企画を構成したという。

田根は語る。「『アイデア』はポジティブな意志がなくては生み出せません。 どんなに困難な状況であろうと、現実を直視し、努力と信念、葛藤と重責のなかで『アイデア』 を実現するために勇気をもって闘い続ける建築家 フランク・ゲーリーの「アイデアの力」を 信じてもらえれば最高です」

ゲーリーが語る「アイデア」︎

展覧会のキーワードでもある「アイデア」について、ゲーリーは次のように語る。

まずアイデアが浮かぶ。ばかげているけど気に入る。模型をつくって嫌いになるまで見続けて、 それから違う模型をつくることで、最初のばかげたアイデアを別の見方でみる。するとまた気に 入る。でもその気持ちは続かない。部分的に大嫌いになって、再び違う模型をつくってみると、 全然違うけど気に入る。眺めているうちに、すぐに嫌いになる。直しているうちに新しい アイデアが浮かんで、そっちの方が気に入るけど、また嫌いになる。でもまんざらでもない。ど うするか? そう、また模型をつくって、次から次へとつくる。模型を保管するだけでも膨大な 費用がかかる。でもどんどん続ける。次から次へと進めるうちに、ほら見ろ、最高傑作だ。輝か しく、安上がりで、今までに見たことがないものだ。だから誰も気に入らない。

悔しくて死にたくなる。ところ が、神様がメッセンジャーを送り込んで皆に催眠術をかけるので、 皆気に入る。そしてアイデアを盗もうとする。模型も盗んで行こうとする。頭脳や魂まで持って 行こうとする。でも踏ん張って、絶対にくれてやらない。 やりたいのは、新しいアイデアを生むことだけ。たった一人で新しい模型をつくり続けたい。 保管するのに膨大な金がかかるので、こんなことをしていると模型の倉庫代で破産する。 これは偉大な歴史。伝説でもあり本当のことなんだ。

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