池波正太郎と大河ドラマが描く真田一族の街・信州上田
IGNITE / 2016年4月20日 8時0分
今年の大河ドラマの主人公に真田信繁(幸村)が選ばれたことによって、昨年から盛り上がりを見せている長野県上田市。
新しい北陸新幹線「あさま」に乗って東京から約1時間半で着く、意外にも近い歴史的スポットだ。
真田昌幸が築城した真田氏の居城・上田城は上田駅から歩いて10分程度。
天守閣はないが櫓や土塁、石垣などが遺されており、本丸跡には真田神社がある。その御朱印にはもちろん真田家の「六文銭」が押印されるので、もらっておくと記念になるだろう。
真田昌幸、信之、そして信繁の父子を描いた池波正太郎の長編時代小説「真田太平記」。その記念館が「池波正太郎真田太平記館」であり、氏の遺愛品や原稿などが展示されている。
書簡や自筆の絵、取材ノートなど池波ファンにとっては貴重な展示品が並ぶ。
また、当時新聞に連載されていた風間完の挿絵も隣の蔵で展示されているので、そちらも見て欲しい。
池波氏は「真田太平記」を執筆するに当たって何度も上田を訪れており、グルメで有名な氏が通ったという「刀屋」で信州そばを頂いた。
太く、しっかりとしたコシのある山盛りのそば。是非試して頂きたいのが「真田蕎麦」であり、味噌に削り節、なめこの入ったベースに蕎麦つゆを加えて頂く。くるみだれを蕎麦つゆで割った「くるみそば」は甘めで、これもなかなか他では味わえない美味しさだ。
店内には池波氏直筆の色紙が掛けられているので、それもまたファンの心をくすぐる。
少し中心部から離れてしまうのだが、真田信繁の祖父である真田幸隆が開山した真田家の菩提寺・長谷寺へ向かった。真田氏発祥の郷と言われる場所より、さらに山へと進む。
アーチ状になっている珍しい石門には六文銭が刻まれており、枝垂れ桜を初めとする花々が咲き乱れていて非常に美しい。
ここには真田幸隆夫妻と昌幸の墓がある。木々に囲まれ、そこには静かな時間が流れていた。
体力がある人に是非ともお勧めしておきたいのが、砥石城(戸石城)だ。
かの武田信玄も落とせなかった「砥石崩れ」の舞台であり、その名の通り山肌のいたる所に砥石のような四角く剥がれやすい岩が露出していた。そんな山を登り切ると頂上からは上田市内が望め、運が良ければ富士山を眺めることも出来る。
この難攻不落の城を落としたのが信繁の祖父・幸隆。
知略に秀でた真田氏の足跡を、自分の足で見て回るのも歴史の楽しみ方である。
(田原昌)
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