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仮面ライダーフォーゼが突如、名作になっていた

インフォシーク / 2012年5月14日 17時0分

チャラ男、魅せる。(土屋シオンさん)

仮面ライダーフォーゼが突如、名作の雰囲気を醸し出している。

第35話(5月13日放映)のメイン役を担当するのは、仮面ライダー部(※仮面ライダーフォーゼの場合、悪と闘うのは高校の仮面ライダー部。悪との決闘は部活動の一環)の部員でありながら、役割が実に中途半端で、マシーンは使いこなせない、闘う知識も無い、最近ではキャラクターすらよくわからなくなっていたチャラ男ことニックネームJK(ジェイク)。演じているのは、土屋シオン。

余談だが、このチャラ男役のシオン、仮面ライダー部に入部する前(第5話、2011年10月2日放映)は、主役はあざむくわ、人のこと指さしてニタニタ笑うわ、リアクションがやたらにデカイわ、セリフが軽いわ、んでもって視聴率が意外と良いわで、「ケッ、男としてなんだか好きになれんぜ…」と思わず電信柱蹴っ飛ばしたくなる奴だった。

しかし。今回の彼は素晴らしい。

意外な一面を見せられると人は惚れてしまうものであり、男女はそれだから変態方面に走ったりするわけだが、まぁそれは置いておいても彼の今回の意外性は大きくて、竹内力が元銀行員であることを知ったときに近い衝撃だ。

シオンは中学生のときにミュージシャンを目指してバンドを組んでいた。が、下手くそで挫折(シオン、挫折が早すぎるぜ…)。そのバンド仲間であり親友が、シオンの高校に転校してきた。だが、この親友こそが今回の悪役なのだ。しかし、それでも仲良しな2人。真っ黒な怪人とシオンが楽しそうにラジオDJに興じるシーンは、限りなくシュールで、かつ愛らしかった。この怪人、たぶん良い奴なのだ。それを2人がかりでいきなりボコった仮面ライダーフォーゼとメテオに、大きな違和感を覚えたくらいだ。

そして、怪人を辞めさせようとするシオンに、親友はこんな主旨の言葉をぶつける。

「この力を手に入れれば、夢が叶う! ミュージシャンとしての成功は、オレとオマエの夢だったろう!」

これです、これ。きっと10代の方なら「な、なんて奴だ!」と思ったのかもしれません。が、20代の方、いかがでしょうか。30代、40代の方はいかがでしょう。

これ、大人になると、全面的には否定できない言葉なんじゃないでしょうか?

大人になると、多かれ少なかれ昔の友達との差が生まれます。

芸能界で成功して女はべらしてホテルの最上階で変態する者もいれば、パチンコ台を叩き割り店員と格闘することに日々を捧げる者もいます。人それぞれなのですが、大人になると多少なりとも「成功」という言葉が禁句になったりもします。97%くらいの人は、他人の成功を素直に喜べないでしょう。「ケッ、神様は不公平だぜ…」と電信柱を蹴飛ばしているように思います。

さて、この怪人のこの言葉。大人が聞いたときに即座に否定できるものでしょうか。いや、むしろ、こう思うのでは。「そ、それ、アリじゃねぇか…」

10代のシオンも同じでした。悪役から足を洗わせるつもりが、彼はこの言葉を受けて、いつしか夢と現実を天秤にかけ始めたのです。

(…あ、そっか!
夢を叶えるためだったら、高校3年間だけ仲良くしてバイバイする仲間なんていらねぇんじゃね?!
だって、オレたちのビックな夢が叶うんだぜ?!
夢ってチャンスを逃さないことって聞いたことあるぜ?!
夢って願えばドリームカムトルーだぜ!!)

シオンは、おおむねこんな思考回路を辿ったと思われます。そして彼は、仮面ライダー部を去ることにしました…

今回の仮面ライダーフォーゼ、やたらに良いテーマです。友情ごっこじゃありません。そして来週、仮面ライダーフォーゼは、この青春の問題に答を出すのです。

第36話は、本気で青春スイッチオン! 仮面ライダーフォーゼ、ちょっと見てみてほしい。

ガッケンター
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」の運営や、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)の製作をしている。

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