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映画『愛と誠』…映画とヒーローに理屈はいらない。

インフォシーク / 2012年6月19日 14時0分

ものすごい髪の毛。太賀誠(妻夫木聡さん)

6月17日(日)の仮面ライダーフォーゼは、なんとお休みであった。仮面ライダー記事を連載している私としては「そ、そんな…」なのであるが、いやいや今回はスゴイ映画を観ているので大丈夫なのである。ある意味ヒーローつながりなので、今回はその映画について書いてしまうのだ。

その映画はズバリ、『愛と誠』。

知らない人にとっては、このタイトルからしてスゴイのだ。「愛」と「誠」…恥ずかしい…と普通は避けて通る言葉に、毅然とした態度でのぞむタイトルである。直球すぎてこちらがドギマギで、「な、なんだか、昭和ね!」と立ちつくしていたら、本当に昭和のマンガが原作なのである。

1973年の少年マガジン新年号あたりから、連載が開始された青春マンガ。それが『愛と誠』だ。過去を背負いながら喧嘩をしまくる男・太賀誠(妻夫木諭)と、ヒロインである令嬢・早乙女愛(武井咲)の激しい愛の物語。

映画『愛と誠』は、70年代前半の新宿での太賀誠vs.愚連隊大乱闘シーンから始まる。…のだけれど、いきなりスゴイ。

乱闘を始めた彼らは…踊りだすのだ! パパイヤ鈴木の振付ダンスで!

そして、歌いだすのだ! 喧嘩をしながら!

殴り、殴られ、倒し、倒され…踊り、踊られ、歌い、歌われ!

…でもミュージカルではないのだ! こ、この感覚はなんだ?! そしてその瞬間、映画の方向性がガチン! と決まるのである。これで134分、突っ切る!という宣言だ。

あとは134分、ひたすら楽しい。本当である。

今回メガホンをとったのは、世界の三池崇史監督。文字数の都合で多くは語れないが、とにかくスゴイ監督であり、私が、う~ん、なんだかここが一番スゴイのじゃないかなぁ、と思う点は、どんな設定だって、どんな世界だって、堂々と真正面から作品にしてしまう天才肌だ。映像から伝わってくるパワーと説得力がすさまじい。その才能でどんな話も、そう、ヤッターマンも、忍たま乱太郎も、裁判も、妖怪も、ヤクザも、チンピラも! 全部スゴイ映画にしてしまう。信じられない監督である。

当然『愛と誠』も、ものすごいパワーで観客に挑んでくる。だって、踊るんだから! 歌うんだから! パパイヤ鈴木の振付で! ちなみにこのパパイヤ鈴木の振付が、本当に素晴らしい。ダンスのようでダンスでない、難しいバランス感覚を見事に表現していて、この振付が映画を成功に導いている可能性は大いにある。参考までに、私が個人的に良かった踊りと歌は、「あの素晴らしい愛をもう一度」と「オオカミ少年ケン」である。

この映画、キャスティングもなかなか憎い。「愛のむきだし」の突出した快演技が印象深い安藤サクラ(この人の踊りもスゴイ…)、高校生役なのに50歳に近い伊原剛志(なぜか高校生に見える)、あれ、この人、どっかで見たな…と思ったら歌手の一青窃、THE OUTSIDERからまさにブレイク中の黒石高大。他にも、この俳優のこの演技が良い! と書きたいのだが、ネタばれになるので筆を力づくで抑える。ひとまず武井咲は、超絶、可愛い。

踊って、歌って、喧嘩して、愛して…ハチャメチャで、楽しくて、ちょっと懐かしくて、ほんのちょっぴり泣ける。そんな映画だ。実に134分が短く感じた。まぁ、本音を書くと…理屈なんてどうでもいいのだ。ぶっ飛んでいるから、とにかくぶっ飛んで観にいこうゼ! それでいいのだ。それこそ青春なのである。

もしも映画を観ながら「今の場面、笑っていいのかな」と思ったら、大いに笑うべきだろう。「っていうか、チョーうけるんですけど!」そんなゆるめ女子高生も、全然オッケーだろう! 悲しかったら泣けばいいのだ。「っていうか、チョー泣けるんですけど!」…オ、オッケーだろう!

笑いも悲しみも(突っ込みも)、全てを観客に委ねている、そんなスタンスの映画だと思う。

エンドロールが流れたとき、私は思わず拍手をしたことを付け加えておきたい。賛否両論あって当然の映画。だが、私はなんと、100点である。

映画を観終えた帰路のエレベーターの中、見知らぬおばさんがポツリとつぶやいた。「…あの頃はこんな変な時代だったよね」「ウソだろ!!!」と心の中で突っ込んだが、そんな勘違いをさせるのも、三池監督マジックなのである。

さてさて。仮面ライダー記事を書いている私である。ここで、ふと職業病が出る。三池監督が撮影した「仮面ライダー」、ぜひ観てみたい…。

ガッケンター
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「 ガッケンターサイト」の運営や、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)の製作をしている。

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