ずっと昔の、夏の暮らしと言葉たち。
インフォシーク / 2012年8月8日 16時0分
「夏川を こすうれしさよ 手にぞうり」与謝蕪村
「涼風の 曲がりくねって 来たりけり」小林一茶
「閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声」松尾芭蕉
暑い。暑い。とにかく暑い。
と言っていても仕方がないので、この暑さを少しでも楽しもうと「夏」を詠んだ俳句を鑑賞してみた。
さすが、歴史に名を残す俳人や作家。
暑い夏の中にある何気ない風景や心地よさが鮮やかに切り取られている。
考えてみれば彼らが活躍した時代には、エアコンはもちろん扇風機もなかった。
夏の暑さに抗わずに暮らしていたからこそ、繊細なことも感じ取ることが出来たのかもしれない。
とは言え、昔の人だって夏は暑かったはず。
暑い日々をどうやって過ごしていたのだろうか。
その文化が言葉として残っているものもある。
例えば江戸時代。
打ち水をして気温を下げたり、日差しを防いで風を通す簾を利用したりと、エネルギーを使わなくても暮らしの工夫で涼をとっていた。
そして当時、夏バテ対策として好まれていた飲み物は、意外にも甘酒。
そのため、俳句では甘酒は夏の季語になっている。
天然のブドウ糖やビタミンが豊富に含まれている甘酒は、江戸時代の人にとっては、格好の栄養ドリンクだったようだ。
また、暑中お見舞いという文化が始まったのも江戸時代だそうで、当時は郵便がなかったため、夏バテに効く食べ物を持って挨拶に回っていた。
それにしても江戸時代、そうとう夏バテに気を使っていたようである。
やはり昔から、夏の暑さには困っていたようだ。
また、さらにさかのぼって平安時代。
この頃すでに夏のデザートとして欠かせない、かき氷が食べられていた。
あの清少納言の好物だったそうで、「枕草紙」の中で「あてなるもの(上品なもの)」としてこんなことが書かれている。
「削り氷にあまづら入れて、新しい金まりに入れたる」
現代語で言えば、
「削った氷に甘いシロップをかけて、新しい金物の器に盛ったもの。」
というような意味である。
冷蔵庫もなく、冷えた食べ物がなかった頃のかき氷。
どんなに美味しかったことだろう。
なんだか、清少納言が「枕草子」でかき氷に触れているのは、人気タレントがブログでお気に入りのスイーツを紹介しているのに似ている。
そして女子のスイーツ好きは1000年前から変わっていないらしい。
また「枕草紙」では「夏は夜」とも言っているが、やはり、日中の暑さには困っていたということだろうか。
ちなみに個人的には、夏のスイーツといえばチョコミントアイスである。
この間チョコミントパンというのも発見して試してみたが、アイスの方がよかった。
Ryo Ishii 1980年・東京都生まれ。コピーライター。制作プロダクションを経て独立し、良案工房を設立。広告・冊子・WEBなどのコピーや記事を書いている。真心を込めた文章で、多くの人の課題解決や夢実現の力になれるよう日々奮闘中。ロックバンドのドラマーでもあり作詞も手掛ける。憧れの甲本ヒロトに自分の書いた歌詞を歌ってもらうことが夢。MAIL:ishii@ryoankoubou.com
この記事に関連するニュース
-
季節外れの暑さ…鹿児島市で史上最多 今月8日目の夏日
KYTニュース / 2024年11月14日 18時59分
-
一番人気はストロベリークリームチーズ…名古屋市北区『かき氷専門店 神乃氷』愛犬と過ごせるテラス席も用意
東海テレビ / 2024年11月9日 10時30分
-
大河ドラマではスルーされた道長をめぐる三角関係の可能性…紫式部が「和泉式部はけしからん」と書いたワケ
プレジデントオンライン / 2024年11月2日 9時15分
-
国宝・信州 善光寺公認のフリーズドライの麹甘酒が 11月1日にパッケージを一新し新発売
@Press / 2024年10月31日 16時20分
-
厳選和栗を使用した“秋のかき氷” 『極・和栗モンブラン』季節限定で提供開始
@Press / 2024年10月30日 12時0分
ランキング
-
1桂雀々さん急死 早すぎる64歳 波瀾万丈の生きざまを笑いに 「上方落語の爆笑王」TVやドラマでも活躍
スポニチアネックス / 2024年11月22日 1時3分
-
2とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
-
3今年も紅白出場ゼロ、STARTO社に足元見られたNHK…“揺さぶり”はジャニーズの常套手段
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月22日 12時3分
-
4斎藤氏再選で「兵庫県民を批判」する人の"盲点" 「疑惑」に乗っかった稲村氏の戦略もまずかった
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 8時40分
-
5「合コンも仕事のつもりだった」20代で“年収1,000万”稼ぐ彼氏の苦しすぎる浮気の言い訳に唖然
日刊SPA! / 2024年11月21日 15時51分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください