各社の次世代データ通信サービス、その真の実力は? -- ICT 総研が全国で実測調査【インターネットコム】

インフォシーク / 2012年8月28日 16時1分

全国27地点における測定の平均値の比較(ダウンロード)

NTTドコモの「Xi」(クロッシィ)が500万契約、KDDI 傘下の UQ コミュニケーションズ「UQ WiMAX」が300万契約をそれぞれ突破、ソフトバンクモバイルの「SoftBank 4G」はサービスエリアを拡大し、イー・アクセスも「EMOBILE LTE」を開始するなど、次世代高速データ通信サービスのシェア競争は過熱している。

これら次世代データ通信サービスの最大の特徴は、その速さだ。各サービスの理論上の最大速度は下り 40Mbps 前後以上で、ノートパソコンで接続した場合などは有線でのブロードバンド通信にも劣らないモバイルインターネットを楽しむことができ、ビジネスパーソンを中心に急速に利用者を拡大している。

では、各社が提供するサービスの理論値に対して、実際はどの程度の品質でサービスが提供されているのだろうか。ICT 総研は2012年8月28日、「次世代高速データ通信の通信速度実測調査」の結果を発表した。同社によると、通信速度の測定は東名阪27地点で実施。各社のデータ通信端末とノートパソコンを接続して通信速度を調べる形式としている。

■ SoftBank 4G:昼の下り平均 15Mbps 超/首都圏は下り 18Mbps で他を圧倒

通信事業者別の調査データによると、下り(ダウンロード)の通信速度では「SoftBank 4G」の速さが他社を上回るという結果となった。東名阪27地点の下り平均速度は、昼 15.28Mbps、夜 11.12Mbps と、ともに次点の「EMOBILE LTE」(昼 9.90Mbps、夜 7.95Mbps)を引き離している。

サービス開始から半年あまりで、「Xi」や「UQ WiMAX」に比べると利用者数が少ないことで回線が逼迫していないことも影響しているはずだが、今回調査対象となったサービスの中で最も速い「最大速度下り76Mbps」(理論値)の看板通りの速度を見せているようだ。特に首都圏の結果は際立っており、下り平均速度は 18.22Mbps。他社サービスに比べて同じ地点でも通信速度の出方にムラがあるのが欠点だが、今後はエリアの拡大とともに改善を期待したい。

■ EMOBILE LTE:上り速度に強み/昼7Mbps、夜5Mbpsと他を上回る

「EMOBILE LTE」は、上り(アップロード)の通信速度で昼 7.01Mbps、夜 5.22Mbps と、2位の「SoftBank 4G」(昼 4.62Mbps、夜 3.70Mbps)を抑えてトップの値を記録した。「EMOBILE LTE」は上り最大速度(理論値)が 25Mbps と、そもそも他社を大きく上回っており、その差を実証した形だ。また、下り通信速度でも、東名阪27地点全体で 9.90Mbps、首都圏だけなら 10.70Mbps と、特に都市部で強さを見せている。ただし調査によると、同一地点でも測定のたびに速度差が見られたようだ。

■ UQ WiMAX:昼の下り平均 5.5Mbps/10Mbps 超は4地点にとどまる

「UQ WiMAX」は、下り平均速度が昼 5.51Mbps、夜 3.87Mbpsを記録。測定を行った27地点のうち、10Mbps を超えたのは4地点となった。しかし、「SoftBank 4G」や「EMOBILE LTE」には差をつけられたものの、十分実用的な通信速度を実現していると言える。「Xi」と比較すると昼と夜の速度差が小さい点が特長で、混雑する夜でもある程度安定した速度で通信できているようだ。一方で、建物内部などで電波が弱くなる傾向があり、改善が期待される。

■ Xi:昼は下り平均 4.4Mbps で安定感/夜間の速度低下が大きい

NTTドコモの「Xi」は、下り平均で 4.43Mbps となった。測定データによると、昼は地点ごとに速度が安定しているが、一方で夜の混雑時は速度が低下し 1.91Mbps にとどまっている。特に品川、新宿、池袋など、山手線内主要ターミナル駅での夜の通信速度で苦戦しているようだ。「Xi」はデータ通信専用端末だけでなく、スマートフォン、タブレットなどでもサービスを提供しており、調査対象サービスの中では群を抜く契約数を保有しているが、このことにより通信の逼迫状態が発生していることが伺える。

■ 次世代高速データ通信の舞台は「100Mbps」超の世界へ

調査を行った ICT 総研によると、同社が2012年2月に実施した「次世代高速データ通信 電波状況実測調査」と比較して、各社のネットワーク品質強化への取り組みの成果として全体的に通信速度の大きな向上がみられたという。そして、今後は各社から更なる高速データ通信サービスが登場する予定で、早くも注目が集まっている。

NTTドコモの「Xi」は通信速度のアップデートを今冬に予定しており、下りの最大速度 112.5Mbps に対応した端末を投入する方針。「UQ WiMAX」は、2013年度を目途に「WiMAX2」を準備中で下り 150Mbps 以上を目標に据えている。また、KDDI(au)も、「4G LTE」のサービス投入を、当初計画していた今年12月よりも前倒して開始する計画だ。そして、ソフトバンクは「SoftBank 4G」の理論上の最大値が下り 110Mbps となっており、現時点では速度を抑えた形でサービスを提供。今後下り 110Mbps に対応した端末の投入も予定されている。また同社は、「FDD-LTE」という別規格の LTE サービスを2012年秋以降に開始する計画で、複数の高速データ通信回線を提供することになる。

各社が提供するサービスの理論上の最大速度が 100Mbps を超えることで、これからモバイルインターネットは更に高速、快適になることが予想される。各社の次世代データ通信サービスはまだ開始して間もないものも多く、通信品質やカバーエリアではまだまだ改善の余地があるが、今後各社のサービス競争が更に加速することで、利用者にとって更に快適なモバイルインターネットの世界が実現することを望みたい。

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