リアル・マイケルジャクソン [Vol.3] _ファンになった頃、マイケルとの距離は1番近くて遠かった。<後編> ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話~
インフォシーク / 2012年9月13日 17時0分
はじめてのマイケルおっかけの日々は、瞬く間に過ぎ去った。
そして、マイケルが日本を去ったあとに残されたのは、喜びや達成感ではなく、「絶望」に打ちひしがれた自分だった。はじめて現実のマイケルに触れたことで、そのあまりの遠さ、マイケルの偉大さ、自分のちっぽけさを、まざまざと思い知らされたのである。
コンサートで歌い踊るマイケルは、アリーナ席にもかかわらずTVの画面でみるよりもずっとずっと遠くて、本物をみた実感なんてなかった。最前列から選ばれた女性がステージのマイケルと抱き合うのをみて、こんなに後ろにいる自分には、そのチャンスすら訪れないことを思い知った。
東京ドームで入り待ちをしたときも、キャピトル東急ホテルでマイケルの帰国を見送ったときも、「おっかけ」という状況に場慣れしていないわたしは、あっという間に人の波に押され、バンから乗り出したマイケルの姿をひと目みることすらできなかった。近くにいけば気づいてもらえるなどと、本気で思っていた自分が恥ずかしい。目の当たりにした”リアル・マイケル”は、悲しいほどにスーパースターだったのだ。
もし、そこであきらめていたら、わたしは一生マイケルに会えないままだっただろう。帰りの夜行バスで一人泣いていた自分は、それでもマイケルのファンでいることをやめなかった。どんなに遠くても、自分が惨めでも、「マイケルが好き」という想いは変わらなかったのだ。
それからわたしは生活拠点を東京に移し、本格的に「おっかけ」の一歩を踏みだした。そして、絶望に涙した日から数年後には、あのキャピトル東急ホテルの「部屋の中」でマイケルに会うことになるのだから、人生ってわからないものだ。
「人は、あきらめなければどんな夢でも実現できる」
それからのおっかけ人生で、わたしはつくづくそれを実感する。
絶対にあきらめないという強い想いが、その後、数々の奇跡を呼ぶのだから。
【バックナンバー】
リアル・マイケルジャクソン [Vol.2] _ファンになった頃、マイケルとの距離は1番近くて遠かった。<前編>
リアル・マイケルジャクソン [Vol.1] _マイケルの死を乗り越えるために、ロスの追悼式へ飛ぶ。
コピーライター。87年来日時にマイケルのファンとなり、OL時代、同じくOLの友人とともに世界中を追いかける。96年HISTORY TOURを機に、3人は「D-PARTY」(ファミリーの意)と呼ばれ、世界各地でマイケルに会えるようになる。追悼式から3年を経て当時のエピソードを公開。
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