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上手い例え話は、時を超える。

インフォシーク / 2012年9月19日 17時0分

ガクガクと、膝が笑う。

サッカー日本代表の本田圭祐が先日のイラク戦の後に言った「ゴールはケチャップみたいなもの。出ないときは出ないし、出るときはドバっと出る。」という発言が話題になった。

さらにその後、所属チームで2得点を上げて「ケチャップがたくさん出ました。」と言ったとのことなので、相当気に入っているようだ。

もともとはオランダの選手、ファン・ニステルローイの言葉だというが、ゴールをケチャップに例えるとは、斬新である。

例えが上手いかどうかは置いといて、インパクトが強くて印象に残る。

比喩を用いた話は、人の心を捉えることが多い。

普段の会話やスピーチなどでも、比喩が上手い人の話は聞いていて面白い。だが、それがなかなか難しいのである。

どうしたら上手くなるのだろうとヒントを探していて、ふと思った。私たちがいつも使っている慣用句は、上手い比喩のオンパレードである。

歩き疲れたときなどに言う「足が棒になる」や「膝が笑う」。気持ちが楽になったときの「肩の荷がおりる」。

これらは、身体や心の状態を別のものに置き換えていて、「その感覚わかるわー」と思わせてくれる。

また「口から先に生まれる」「猫の手も借りたい」など、座布団一枚!と言いたくなるような巧みな表現も多い。

さらには、ちょっと理解を超えるような言葉もある。

例えば、欲しくてたまらないことを表現した「喉から手が出るほど」という表現。実際にその場面を想像すると、かなりホラーである。

また、欲しい物を掴むための「手」が、どうして喉から出てくるのか疑問に思った。どうやらこの表現が生まれた頃は、食べ物や飲み物に対して使っていたようだ。

喉から手を出して食べ物を掴みたいほどの、強烈な空腹を表した表現。今は昔より食べ物が豊富になったので、ほかの物にも使われるようになったという。

ほかにも「首を長くして待つ」「へそで茶を沸かす」「歯に衣着せぬ」など、大袈裟だなあと突っ込みたくなりつつも、魅力的で印象に残る表現が多い。

現在は多くの人が知っているこれらの言葉、初めはいったいどんな人が、どんな場面で言ったのだろう。

町の商人なんかが何気なく言って、それを聞いた人がどこかで言って、また別の人が言って、少しずつ広まっていったのではないだろうか。

もしかしたら、上手い比喩を思いつけば、自分の言葉が時を超えて慣用句として定着するかもしれない。

石井 良
Ryo Ishii 1980年・東京都生まれ。コピーライター。制作プロダクションを経て独立し、良案工房を設立。広告・冊子・WEBなどのコピーや記事を書いている。真心を込めた文章で、多くの人の課題解決や夢実現の力になれるよう日々奮闘中。ロックバンドのドラマーでもあり作詞も手掛ける。憧れの甲本ヒロトに自分の書いた歌詞を歌ってもらうことが夢。MAIL:ishii@ryoankoubou.com

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