人気者をつくる言葉
インフォシーク / 2012年10月31日 18時0分
キングカズの加入と活躍で話題を集めている、フットサル日本代表の公式愛称が「SAMURAI5」に決まったという。今後ますます盛り上がっていきそうだ。
各競技における日本代表の愛称は以前からあったが、ここ最近でよりいっそう注目を集めているように思う。
中でも「なでしこジャパン」の存在感が大きい。現在の女子サッカーの盛り上がりはもちろんチームの強さや魅力によるものだが、「なでしこジャパン」という愛称の力によるところも少なくないだろう。流行語大賞にも選ばれたほどである。
「なでしこジャパン」ほど広まってはいないようだが、「さくらジャパン(ホッケー女子)」、「ポセイドンジャパン(水球)」など、様々な日本代表チームが愛称を持っている。
またスポーツ以外でも、囲碁の日本代表には「知恵の和ジャパン」という愛称がある。
愛称をつけることで親しみが生まれ、話題になったり、注目を集めるようになる。これは言葉が持つ大きな力のひとつだと言える。
また最近では、新しい言葉を纏うことで脚光を浴びるようになったものも少なくない。
例えば、メガネ男子、女子会、ノマドなど。
メガネをかけている男性が、オシャレに感じられるようになった。
女性だけの飲み会や集まりが、特別な会のようになった。
オフィスを持たないフリーランスが、新しいワークスタイルのようになった。
注目を集めるだけでなく、より魅力的に見えるようにさえなっている。
さらに、話題を集めた言葉は時を越えて残ることもある。
「土用の丑の日には、夏バテ防止のためにうなぎを食べる」という現在の習慣は、コピーライターの元祖と言われている平賀源内が江戸時代につくったと言われている。
夏にうなぎが売れずに困っていた近所のうなぎ屋から相談された平賀源内が、丑の日に「う」がつく物を食べると身体によいという風習からヒントを得て、「本日、土用の丑の日」と書いた張り紙をするように勧めたところ大繁盛。それが定着し、今日まで残っているという。
言葉には、物事に魅力を与え、人気者にする力がある。
そしてそれは、ときに流行をつくり世の中を動かすこともある。
次はどんな言葉が私たちを楽しませてくれるだろう。
Ryo Ishii 1980年・東京都生まれ。コピーライター。制作プロダクションを経て独立し、良案工房を設立。広告・冊子・WEBなどのコピーや記事を書いている。真心を込めた文章で、多くの人の課題解決や夢実現の力になれるよう日々奮闘中。ロックバンドのドラマーでもあり作詞も手掛ける。憧れの甲本ヒロトに自分の書いた歌詞を歌ってもらうことが夢。MAIL:ishii@ryoankoubou.com
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