リアル・マイケルジャクソン [Vol.10]_1996年HISTORYツアーinソウル_セキュリティとの再会! ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話~
インフォシーク / 2012年11月1日 18時30分
1996年10月9日、マイケルは、HISTORYツアー ソウル公演のため、専用ジェット機で韓国に到着した。
チケット並びの余波で、仕事が山積みだったわたしは、遅れてこの日の夜、なんとか最終便でソウルに到着した。
そして、OLを辞め(!)、先にソウルに来ていたEちゃんYちゃんとマイケルの滞在先である「シェラトンウォーカーヒル」で合流し、この日の「来韓」の様子をモレなく教えてもらうこととなった。
マイケルの到着を迎えるべく、朝から金浦空港に向かった2人は、さっそく空港内の偵察をはじめた。なんといっても、ここはソウル。専用機がどこに到着し、マイケルがどこを通るのか検討もつかないのだ。
時間が早すぎたせいか、ファンの姿はみあたらず、報道陣や警備の姿もない。迷ったあげく、2人はダメもとで観光案内のおばさんに聞いてみた。
「すみません、今日マイケルって、どこ通りますか?」
するとおばさんは、聞いたこちらが驚く気軽さで、「マイケルなら、外のVIP出口を通るわよ~!」とあっさり教えてくれちゃったのだ。
半信半疑ながらも、急いで外のVIP出口に向かうと、そこには現地警備のトップらしき人と、マイケルのセキュリティ責任者のウェインが立っていた。彼こそは、95年のニューヨークで手紙を受け取ってくれた、その人だった。
(ウェインだ!マイケルは本当にここを通るんだ!)と思った瞬間、こちらに気づいたウェインは、「ハーイ!」と親しげに声をかけ、握手を求めてきた。そして、現地警備員に、「彼女たちは世界中追いかけてくるんだよ!」と、嬉しそうに紹介してくれたのだ。
実際のところ、海外に飛んだのは前回のニューヨークが初めてで、今回のソウルが2回目だ。それでも、マイケルの側近中の側近であるウェインには、「世界中どこにでもいるファン」だと認識されていたのだ。よほど日本での追っかけがインパクトがあったのか、前回のニューヨークが印象に残ったのか。
いずれにしても、その一言で、初のワールドおっかけの不安はいっぺんに吹き飛んだ。
やがて、マイケル到着の時間が近づくと、現地のファンが続々と集まってきた。それに伴い、銃を持った警備隊が次から次へと現れて空港内を埋め尽くし、(いよいよマイケルがくる!)というその時になって、一斉にファンを排除しはじめたのだ。
まるで一国の王か大統領でも迎えるかのような、物々しい警備体制の中、マイケルは用意されたレッドカーペットを歩き、空港内で催された記念式典でスピーチをした。
直前で追いやられたファンは、遥か遠くにマイケルの姿を確認するのが精一杯だった。
(「ただ近くで見たいだけなのに・・・」と2人が号泣する姿が、翌日のニュースで世界に配信された)
空港での一部始終を聞きながら、「ええ!」「うお!」といちいち奇声をあげていたわたしは、さっきまで日本で仕事をしていた「現実感」が徐々に薄れ、あの、ワールドツアーの張り詰めた緊迫感をもう一度味わえる喜びがヒシヒシとわいてきた。
しかも、空港でのウェインの対応が、わたしたちの中で大きな自信となっていた。明日はコンサートのないオフの日。マイケルが外出してくれたら、きっと、そばに近づくチャンスもあるに違いない!
そして翌朝、ホテルのロビーで報道陣や関係者から情報収集をしていたわたしたちは、マイケルが今日、「チルドレンズパーク」という市内の遊園地に出かけることを知った。
しかもマイケルは、厳重なセキュリティ体制が整ったホテルのVIP専用口を使わず、あろうことか、一般のロビーを通って正面から出るらしい。日本では、マイケルがロビーを歩いたことは殆どなく、追っかけ人生初のシチュエーションに、おのずと緊張が高まった。ひとまず突破力のあるEちゃんが、ツアー前に作成した例の「ビデオテープ」を持ち、マイケルへの手渡しを試みることにした。
(一日も早く、マイケルにわたしたちのメッセージを見てもらいたい!)
その願いは、ソウル到着2日目にして、突然叶ってしまうのだ。
【バックナンバー】リアル・マイケルジャクソン ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話
[Vol.9]_1996年、運命のHISTORYツアー序章編。
[Vol.8]_1995年、一夜限りのイベントのためニューヨークへ飛ぶ。
[Vol.7]_1993年、悪夢の疑惑報道の中、福岡に再来日!
[Vol.6]_1992年、はじめて触ったマイケルの手に号泣する。
[Vol.5]_1992年、はじめて目の前で等身大マイケルをみる。
コピーライター。87年来日時にマイケルのファンとなり、OL時代、同じくOLの友人とともに世界中を追いかける。96年HISTORY TOURを機に、3人は「D-PARTY」(ファミリーの意)と呼ばれ、世界各地でマイケルに会えるようになる。追悼式から3年を経て当時のエピソードを公開。
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