支持政党に日本維新の会が躍進、政権交代には消極的な傾向も。政治に関する世論調査
インフォシーク / 2012年11月23日 9時30分
楽天リサーチは11月22日、楽天リサーチ登録モニター2,000人に対し、「選挙に関する調査」を実施した。今回で117回目。
まず、野田政権の支持率は「支持しない」が82.0%と「支持する」を圧倒的に上回る数字となったが、これは前回(10月31日調査)の85.6%を下回っており、支持率が若干ではあるが上昇したということになる。これは11月14日国会での野田首相の解散発言が影響したのだろうか。
ちなみに年代別に見ると「支持する」割合が最も多かったのは「女性 15~19歳」の23.9%だった。
現在の支持する政党名「支持する政党はない」という答えが半数近い48.8%という圧倒的な結果になった。支持政党がある人の中では、自由民主党が16.1%で最も多く、次いで日本維新の会(14.4%)となっており、現与党の民主党は8.2%で3番手になっている。
前回と比較してみると、支持政党なしだった層が若干ではあるが特定の党、特に維新の会に最も多く流れた印象の結果となった。
男女別に見ると、男性39.6%、女性57.9%が「支持政党なし」となっており、男女でやや差がつく結果となった。
政治とカネに対する姿勢(17.1%)震災復興対応(16.3%)エネルギー・原発政策(12.4%)が上位となっているが、ほとんどが自由回答形式の「その他」が38.2%で最も多く、回答欄を見ると「特になし」がほとんどを占めていた。
逆に野田政権に対し、「最も期待はずれだった」と感じたのは景気・雇用対策が41.3%と最も多く、次いで震災復興対応(32.5%)、外交問題の健全化(27.0%)となっている。
今後行われる衆議院議員選挙に対する投票意思(20歳以上)については「必ず行く」と「おそらく行く」の肯定的な意見が79.2%となっている。
比例でどの党に投票するかについては日本維新の会(24.1%)と自由民主党(23.9%)が僅差で並び、現与党の民主党は11.3%と支持政党があると答えた中では3番手となっている。以下みんなの党、共産党と続いている。自由回答の「その他」が20.0%となっているが、ほとんどが「分からない」「決めていない」という答えだった。その他(決めていない)と答えた人を男女別で見ると女性(25.8%)が男性(14.1%)の倍近くなっており、また年齢層が高くなるほどその傾向が強く、支持政党に迷っている様子が伺える。
その他に目についた特徴として、20~34歳の男性は自民支持が圧倒的、維新は幅広い年齢層から支持されているようだった。
今回の選挙で論点となるポイントについては、「景気・雇用対策」が33.0%で1位となり、2位の「財政健全化(社会保障と税の一体改革)」(18.4%)に大きく差をつける結果となった。男女ともにほぼすべての年齢層で景気・雇用対策を1番手に上げており、今回の選挙でも焦点となりそうだ。
それ以外の特徴としては、15~29歳の若い男性層が「外交問題の健全化」を2番めに上げており、尖閣、竹島問題で揺れる中韓との関係に大きな関心を持っているのではないかと思われる。同じ15~29歳の女性は「震災復興対応」を2番めにしている点と比べると、同じ若い年齢層でも男女で関心の違いがくっきりと出る結果となった。
回答した理由を尋ねると、
・景気がどんどん悪くなっているような気がするからなどの意見が寄せられた。
・貧しい人がより貧しくなっている。
・日本経済の復活が国内の諸問題に有効
・税金の無駄使いがあるのに、税金だけ上げるのはひどいと思う
・景気が回復すれば不満は収まり財政も立ち直せそうだから
・景気・雇用対策 景気がよくなればすべてがよくなると思う、しかしどうすれば景気がよくなるかわからない
・震災復興や税制など総合的な景気対策が必要だと思う
・福島原発の始末も全くできていないにもかかわらず、大飯原発の稼働を決めるなど場当たり的なエネルギー政策をすすめるとは大変腹立たしい。使用済み核燃料の問題など問題山積の原発を使い続けることは第2、第3の福島が出る可能性がある。将来のエネルギーをどうするかしっかりと議論して決めるのが筋ではないか
・弱腰外交で中国などに何もできないのでは近隣諸国からつけ込まれる
・少子化は年々進んでる問題だから
「首相としてふさわしい人」は自民党総裁の安倍晋三氏が20.0%で1位。続いて「太陽の党」を立ち上げ日本維新の会に合流した石原慎太郎氏が15.8%、同じく維新の橋下徹氏が15.0%と僅差で並び、現首相の野田佳彦氏は10.3%という結果だった。
男女別に見ると安倍氏が男性に圧倒的な人気であるのに比べ、女性の1番人気は僅差ながら橋下氏となっており、特に若い年齢層にその傾向が強く見られた。
自由回答の「その他」が21.0%あったが、回答欄を見てもほとんどが「わからない」「決めていない」で、支持政党同様に現時点では決め手を欠いているという印象となった。特に女性にその傾向が強いのも支持政党同様の結果となっている。
「衆議院選挙の後の政権」の形については、「第三極の政党が中心の政権(36.1%)、「自民党が中心の政権」(35.7%)と現政権である「民主党が中心の政権」(13.6%)を大きく引き離す形となった。男女ともそれほど差はないがあえて特徴を探すと男性に人気の自民中心政権、女性の人気の第三極中心政権、といったところか。
アンケート時の設問は「今後も政権交代が起こることを望みますか」となっており、解釈が難しい設問だが「望む」は42.8%となり「望まない」「どちらでもない」「分からない」の合計57.2%を下回っている。そして「望む」については前回質問時の42.8%からややトーンダウンした結果となっている。
自由回答欄を見ると
・政権交代が起こることにより、政治が活性化されると思うなど、政権交代を望む意見の一方で毎年のように変わる首相交代にうんざりして、今後は安定した政権を望んでいるという意見も見られた。
・政権交代しなければ日本の危機が訪れる
・現政権は大いに期待はずれ
・今が最悪だから。
・その時々の世論の流れなどで変わるだけだと思う。
・今の民主党、自民党、公明党じゃ何も変えられないから
・自民党も民主党もダメダメだったから
・政権交代が起こっても変わらないと思うので。
・政治家各人が勝手なことを言って政党を作り真剣に日本をどうしようかというのがどの政党にも感じられない。今回はほんとにどこに入れるべきか全くわからない。
・民主党には期待していたが、やってみてダメだったから交代するのは当然。ダメな党にダメな舵取りをされるのは御免蒙る。
・どちらでもいいが、毎年のように総理大臣が変わるのもどうかと思う。
・政権が変わりすぎ
・こんなにコロコロと政治の主導者が変わるなんて、国際的に恥ずかしい。
・首相が短命では、何もできず、日本のためにならない。
「政権選択をしたい、と思うのはどういったときか」については「ある程度の期間をおいても結果が出なかったとき」が50.5%と過半数超となり、前回調査時よりもさらに数値を伸ばす結果となった。
前回調査時との違いは衆院解散となり、選挙も決まり具体的に次の政権が決まる日が決まったことだが、調査結果を見る限りでは支持政党、次のリーダー候補ともに国民の「迷い」は大きくなった印象も受けた。現時点ではどの政党、政治家に対して期待を持てばいいか決めかねている人が多そうだが、それだけに投票日までにいかに国民の支持を受ける政策を示すことが出来る政党、政治家がどれだけ現れるか、がポイントになりそうだ。
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