東京人のハウマッチ問題 ~1分でわかる大阪人の言い分~
インフォシーク / 2012年11月28日 17時30分
「このジャケット、いくらだったと思う~?」
だいたいは身につけている物で出題される、なかなか困りものなこのクイズ。出題者のウキウキした表情とは裏腹に、回答側にとっちゃ幸せのおすそわけなぞ要らない気持ちだが、うかつな答えを言って嫌われてはそれはそれで面倒だとばかりに焦り、答えというよりおべんちゃらに走るしかない。
(見た感じはそんなに高そうじゃないから見たままの安さで答えるべきか?否、ハウマッチっていうてるくらいやから高いんちゃうか?俺の目が節穴なんや。もしくはコイツが貧相なんや。よっしゃ、無難な線で答えよう。ところで無難ってなんやろう?まあええわ!どうにでもなれ!)
と頭の中でトラブル大発生。
そして「ろ、6万!」と答える。すると
「んー惜しい」て惜しいんかい。結構高いやないか。
「正解は、7万円でしたぁ~頑張っちゃったぁ~」
「お、おう。頑張ったなあ(ナニガオモロイネン)。」
最近買った高い服がちゃんと高く見られているかを確かめたかったり、ワタシだってたまには頑張っていい物を買うんですよと言いたいがための、いわば出題者のアピールタイム。
というのは、金で見栄を張る東京人の話。
「このジャケット、ナンボしたと思う?」
大阪人もこのクイズを出してくることがある。というか、コミュニケーション取りたがりな大阪人のほうが多い。
わざわざ人を呼び止めて、黙っていたら正解を言い出しそうな勢いの大阪人に、敢えて同じ「6万」と答えたとする。すると、
「そうやろ?高そうに見えるやろ………
それがな……………なんとなんと……………500円やってん!」
500円。500ドルじゃない。サンプルで比べるなら、東京と120分の1。
大阪ではだいたいの答えが「安かった自慢」なのだ。
いい物を買った手応えを東京では「値の張った物」と捉えがちだけど、大阪では「買い物上手」になる。つまり真逆。さすが商人の町、かどうかは知らないが。
東京人からのハウマッチ?が疑問でしょうがない。
流行の先端に住んでおいて金をかけることしか価値を見出せないのっていいことじゃないし、それに人に「私は7万円です!」と言ってどうなるのだ。
私だったら即座に財布を忘れたフリをする。
同じ会話が東京と大阪でこんなにも違うことを知らなかった上京して間もない頃「安そうやから1500円」と料金差98500円で大不正解をかまして怒られかけた経験もあり「君は買物上手やから…」を枕詞に使ったり「100万」と最近は答えている。なんか情けない。
大阪人は色とりどりの柄を好む。
攻めの姿勢が強くタクシーがすぐ捕まる機能性に優れているし、なぜかピチピチ9分丈ジャージパンツの男がどの時代にも存在する。ヒョウ柄にヒョウ柄を重ねる女子たちは野山だったら猟銃を構えられるだろうが心斎橋筋なら保護色だ。そして“アンチ大阪ファッション”なる思想も生まれシンプルでいようとする人も半数以上いたりするが、そんな自分を「シュッとしてるやろ?」とコッテリと尋ねてくるから結局濃い。
大阪は変といえば変なファッション文化がある。とはいえ「身だしなみに個性は必要だ」と考えるほうが楽しいに決まっている。
人は人のことをそんなに見ていない。それやったら自分から個性見せたろかい、でいいと思う。面白い。だからこそ金で見栄を張るなんて馬鹿馬鹿しいし、いちばんダサイ。
そんなに金で見栄を張りたいのなら貢がれまくる演歌歌手よろしく首に札束巻きつけていればいい。それでも大阪人の個性には負けるけど。
「ファストファッションはワンポイント」と早口言葉のようなアドバイスをくださる人は、自分vs世間の全身総額対決がしたいのだろう。
「伊勢丹でしか買いません」そうキッパリ宣言される伊勢丹カードユーザー様は「高い服 みんなが着てれば 怖くない」とギャグをかますために一貫しているのだろう。
それかCOWCOWが好きなんだろう。
いやいや、やっぱりよくないよ。
女子ならまだしも、野郎がそんなことを言うなんて情けない。ファストファッションも伊勢丹も好きなら好きでいいけど、男なら、正解が高値な「いくらだったと思う?」なぞ言わず、「伊勢丹といえばタイガー・ジェット・シンがアントニオ猪木にケンカを仕掛けた所なんだぜ」くらいのボキャブラリーをかますべきだ。
しかたかし ライター・コピーライター・歌い手(バンド活動休止中)。大阪生まれ。大阪芸術大学にて写真を専攻した後に上京しなぜかコピーライターとなって約10年。現在は都内広告プロダクションに勤務しながら、大阪人からみた東京、また東京在住の人からみた大阪人について研究。
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