リアル・マイケルジャクソン [Vol.24]_1996年HISTORYツアーinマニラ_ひと足早いクリスマス。
インフォシーク / 2013年2月14日 17時30分
12月5日、マニラに到着したマイケルは、都市(国?)をあげての熱狂的な歓迎を受けた。
宿泊先の「マニラ・ホテル」には過去最大級の観衆がどっと詰めかけ、前日からチェックインしていたEちゃんYちゃんは、到着したマイケルの姿を半径3m内で確認するのが精一杯だった。
というのも、ベストポジションをキープした瞬間、マイケル側の関係者から、「到着セレモニーで使うマイケルのCDを大至急買ってきてほしい!」とお使いを頼まれてしまったのだ。(戻ったときにはすでに大混乱だった)
直前のオーストラリアに比べると、いわゆる「ファンクラブ」といった姿は見当たらず、夜でもムッとするような暑さと湿気、どこまでも続く渋滞とクラクションは、まさに「アジアに戻ってきた!」という感じだった。
パースから直行したわたしは、5日の深夜にマニラ・ホテルに到着し、翌朝EちゃんYちゃんと無事合流した。
マイケルは、12月5日から11日までマニラに滞在し、2度のコンサートを行った。
その合間をぬって、6日にこども病院を訪問したり、7日にマニラ・ホテルの中庭で催された「クリスマス会」に参加し、市内の孤児院から選ばれた数百人のこどもたちにプレゼントを手渡したりした。
わたしたちは、ラッキーなことにマイケルの関係車両に乗せてもらい、こども病院まで一緒について行ったり、ホテルの中庭でのクリスマス会も、マイケルが入場してから立ち去るまでの数時間、その場にいて見守ることができた。
マイケルからプレゼントをもらうこどもたちの列は、延々と続いて途切れる気配がなく、「あれ?さっきの子がまた並んじゃってるよ?」と途中で思わないでもなかったけれど、年に一度のクリスマス、サンタさんは細かいことはいわないのだ!
小さな特設ステージに座っているマイケルは、疲れた様子もみせず、満面の笑みで本当に楽しそうだった。ああ、こどもたちと接しているときのマイケルって、どうしてこんなに幸せ一杯に見えるんだろう?ホテル内の華やかな装飾と相まって、わたしたちも、ひと足早いクリスマス気分を味わうことができた。
マニラでのマイケルとの接点は、これくらいで、いつもの「写真」「サイン」「握手」といった交流はなかった。
滞在が短かったことや、ウェインのもとに脅迫状(!)が送られてきたという物騒な状況もあって、あまり外出しなかったことも理由のひとつにはある。
でも、それ以上に大きかったのは、現地の「こどもたち」の存在だ。
病気のこども。親のいない孤児。そんな恵まれない境遇のこどもたちに、「なにかしてあげたい!」と一生懸命なマイケルに、こちらの想いをぶつけるのは、なにか違う気がしたのだ。
世界各地でマイケルと接するうちに、わたしたちの「その場の空気を読む」感覚は磨き抜かれていた(?)らしい。
マニラでは、目の前にマイケルがいて、こちらに気づいていても、あえて自分たちから声をかけたり、前に出ていくことをしなかった。わたしたちがなにか要求すれば、きっとマイケルはそれに応えてくれる。だからこそ、いまは話しかけちゃいけないのだ!(押しが強そうでいて、微妙に謙虚なわたしたちを、ウェインは「ロイヤルファン」と呼ぶようになった)
そんな中、マニラでは、何人かの日本人関係者との出会いがあった。
「次はいよいよ日本!」ということで、マイケルが所属するレコード会社の責任者の方が来ていたり、日本のTV局がツアーに関する報道に力を入れ始めていたのだ。
某TV局のマニラ駐在員Oさんから、わたしたちは、こども病院の前で話しかけられた。
「もしかして日本の方ですか?」
それは、わたしたちもよく知る朝のワイドショー番組だった。カメラの前で、これまでのワールド追っかけのエピソードを話すと、「それはすごい!」と面白がってくれ、マニラからその後の日本にかけて密着取材を受けることになったのだ。
また、レコード会社のMさんOさんとは、マニラ・ホテルで偶然知り合い、ロビーで話しをした。同じように、これまでのマイケル追っかけについて話しをすると、とても興味深そうに聞いてくれた。
「日本でなにかあったら声をかけてください!」
わたしたちは、自分たちの写真の裏に連絡先を書いてMさんに渡した。このときの小さな縁が、東京に戻ったわたしたちに、大きなラッキーを引き寄せてくれるのだ。
そしてもう一人、現地プロモーターの日本人女性MKさんともホテルのロビーで知り合った。
彼女と出会ったことで、わたしたちは、マニラのコンサートでとてもユニークな体験をすることになる。
【バックナンバー】リアル・マイケルジャクソン ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話
[Vol.23]_1996年HISTORYツアーinパース_涙の記念撮影!
[Vol.22]_1996年HISTORYツアーinブリスベン_コンサート前に記念撮影!
[Vol.21]_1996年HISTORYツアーinシドニー_初めての記念撮影!
[Vol.20]_1996年HISTORYツアーinバンコク_コンサート&ミリタリー撮影現場へ!
[Vol.19]_1996年HISTORYツアーinバンコク_突然の撮影会で号泣!
コピーライター。87年来日時にマイケルのファンとなり、OL時代、同じくOLの友人とともに世界中を追いかける。96年HISTORY TOURを機に、3人は「D-PARTY」(ファミリーの意)と呼ばれ、世界各地でマイケルに会えるようになる。追悼式から3年を経て当時のエピソードを公開。
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