仮面ライダーウィザード、エキサイティング!!!

インフォシーク / 2013年4月9日 16時30分

美しいものをぶち壊す内藤さん。その気持ち、わからんでもない。

そろそろ嫌いな季節がやってくる。4月。年度始めの春である。

春は何かが始まる予感? いやいや、4月が嫌いだ。正確に言うと、4月の駅が大嫌いだ。

最大の理由は、新大学生たちである。地方から都会へやってきて突然与えられた大きな自由に勘違いする若人たちは、新入生歓迎会などというイベントで初めての酒にカッコワルク酔っぱらって人生我が物顔という感じで大声で騒ぐ。

4月は駅周辺にこのような人間が大量発生する。あれが苦手なのである。

彼らの生態を見てみると、雄は雄で慣れない髪型と買ったばかりの折り目が残る私服で雌の前でイキガって求愛し、雌は雌で自由ゆえの盲目ひとめぼれ、どう見てもダサカッコワリィ先輩をカッコイイー!キャー!などと求愛するのである。そしてときどき、求愛も何もせずただ騒いでいる変態もいる。

最近の大学内は飲酒禁止イベント禁止と聞いたが、あぁいう学生らはむしろ大学内に隔離していただきたい! 毎日仕事と格闘し日本経済を支える私たちからすると、まぁちょっと邪魔だなぁ、なのである。

しかしそんな声があまり大きくならないのは、だいたいのサラリーマン戦士が身に覚えがあるからだろう。それに私自身のときはどうだったかと言えば、比にならないほどヒドイことをしている予感なので、まるで思い出したくもないのである。

(え~っと、ひとまず先輩が空手パンチで○○を壊したり、○○○○○を壊したり、道路の真ん中で○便をしていたなぁ、なんて他人のことだけはさりげなくバラしておく。絶対に真似しないように)

新入生を迎えると先輩たちもバカに舞い上がるが、先輩たちは新入生たちよりも不純である。そういうチャンスに恋人を作ったり、良いことになっちゃおうと、超善人面でイケメンや美人を虎視眈々とねらうのが常だ。

記憶でも、なかなかの美人が入学してきて飲み会で酔いつぶれてトイレから出てこなくなったときの、先輩男たちの心配ぶりはハンパなかった。飲み会の会場から男たちが一切いなくなったのである。全員がトイレの前でおしぼりを持っていた。バカすぎる。

しかし残念ながら、美しいものをなんとかしちゃおう、というのは誰でも持っていて、私などはやや偏った性癖があって、美しい形状のものを見ると悪戯したくなる。やたらに綺麗な絵を見ると上からキツイ色を塗りたくなるし、上棟した美しい家などを見ると自分の名前を書き込みたくなるのだ。

4月7日放映の仮面ライダーウィザード第30話には、美しいものを見ると「エキサイティング~!!!」と叫んでブチ壊す怪人が現れた。非常に気持ち悪いのだが、共感できてビックリだ。きっとあの気持ち、誰しもが隠し持っているのではないか。

ただ問題は、この怪人の美しさの基準が、かなり浅いことであった。

全然上手くない路上パフォーマンスを見て「エキサイティング~!!!」、横断歩道を渡るおばあちゃんを手助けした人を見て「エキサイティング~!!!」、花を買う少年を見て「エキサイティング~!!!」、しまいには人助けをする仮面ライダーを見て「エキサイティング~!!!」…ちょ、ちょっと待て! 無差別すぎるぞ!

まぁ、美しさというのは、浅さも深さ上下左右、人それぞれである。ヒロ・ヤマガタが好きな奴もいれば、バスキアや篠原有司男が好きな奴もいる。熟女が好きな奴もいれば、ナースが好きな奴もいるのだ。全部ひっくるめて好きな奴もいるのだろう。

日常生活で、「エキサイティング~!!!」しながら生きることは良いことだ。感動屋の今回の怪人、人間が見習うべきところがある。

【バックナンバー】仮面ライダー徒然草はこちら

ガッケンター
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」の運営や、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)の製作をしている。

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