東京人の「大阪人への接待」がわからない ~1分でわかる大阪人の言い分~
インフォシーク / 2013年4月17日 17時30分
先日、とある打ち合わせに参加した日のこと。
お題は某大手クライアント様の当面のプロモーション企画。
正直ムチャブリやろ、と思わざるを得ない状況に数社から集まった野郎5人の頭はのぼせ上がり会議室の温度は微熱に達しながらニコチン臭と加齢臭が合間っておっさんカウンターがウインウインいいかけていた時刻は午前零時。雨上がりの冷気。
「このままでは何も浮かばないから一旦バラしましょう。鹿さん好きそうないい店、あるんすよ!」
とリフレッシュ案が最近知り合ったメンバーから出された。
実は連日の深夜勤務で眠気と闘っていたということは言い出せず促されるように接待を受けることにした。(俺が好きそうな店、ってナンダロ?本田翼似のお姉さんが居たりするのかな?
NHK朝ドラ「あまちゃん」で美顔に再認識したキョンキョン似のお姉さんとかが)などと意識朦朧としながら性欲だけは盛んな私はポーカーフェースを必死で保ち「どんなお店ですか?」と問うと
「串カツ屋さんです。たぶん大阪が本店だと思います」
だと言うもんだから一気に欲は食へと素直に動いた。欲ってのはただの空箱だ。
大阪生まれの食文化、たとえばたこ焼きやお好み焼きを東京で見つけることはよくあるけど串カツは珍しいなあと内心ちょっと楽しみにしていると着いたお店にビックリした。
「ココっす。」と指差した暖簾には屋号「串カツ屋 でっせ(仮名。でもそんな感じ)」ときた。
でた。大阪イメージ間違ってる問題の代表格、ニセ大阪スタイルだ。
「(ナントカ)でっせ」とか「(ナンチャラ)やねん」とかを屋号にすることで大阪感アップを狙うお店を素直に大阪発祥と思われる方は意外と多いが、大阪人からしてみればそれは嘘だしとにかく恥ずかしくなる。擬似大阪旅行を楽しみたい方にはうってつけのお店なんだろうけれど私にはキラキラネームにしか見えない。
よくよく考えれば東京にある「大阪ってこんな感じでしょ」は基本的に何かがおかしい。
例えばそのお店。威勢のいいお兄ちゃんがホールを切り盛りしていたのだが(ガチャガチャした兄ちゃんを見るに「大阪人っぽい」とかで採用されたのかなあ)、注文を取る度に大阪弁でご挨拶を決め込んで来る。
「まいどおおきにぃ」というか「マイドオキーニ!」とまるで外国人。無理矢理ニセ大阪弁を喋られた私はネイティブに話していいものかと躊躇ってしまった。
大阪人は大阪ラブ感が強いと思われているかもしれない。たしかに愛情は深い。だが東京で住んでいる以上さほど大阪コテコテ感に興味がないというのも事実。
そんな私がニセ大阪飲食店に来店すると、やはり気になってしまう部分がポロポロと目に映る。
このお店でいうと「二度漬け禁止」どこにも書いていないことに気がついた。ご存じない人に説明すると各テーブルにソースが並々と入ったバットが一つ置かれ、串カツが届くと串カツをそのバットへ全体をコーティングするように丸ごと沈める。
甘めでサラサラのソースは衣の全面積を染めても辛くならないのが魅力なのでどっぷりといく。しかし共用なので、一度口を付けた串カツをも一度ソースに着けるのはNG。それが、二度漬け禁止。
だが、どうしても二度漬けたいときに役立つツールがある。
それは、串カツのお供であるお通しのキャベツ。ちりとりの要領で谷折りにし、ソースをすくってカツに垂らす方式が大阪の串カツルールをかいくぐるウラ技なのだ。
というか、大阪人なら誰でも知っている。キャベツを使う方法は基本どのお店でもオッケーだが東京の大阪風串カツ屋というややこしいお店、一度断りを入れてからにしよう!となぜか無意味に意気込み「キャベツはオッケーですか?」と聞く。
すると「なんですかそれ」みたいな白目を剥かれた。
本当いうと、大阪人は東京っぽいお店に行きたい。
長いこと住んでいるとはいえ日頃金の蔵や魚民(菊地成孔を真似して私と周囲は「ウータン」と呼ぶ)を愛する日常から、たまには洒落た、これぞ東京!っていうお店に目移りしたいのは東京在住大阪人が一致する願いだと思うのだが。
接待時など大阪人が居るということで大阪人のソウルをくすぐりたがるのはいい加減勘弁してほしい。
しかたかし ライター・コピーライター・歌い手(バンド活動休止中)。大阪生まれ。大阪芸術大学にて写真を専攻した後に上京しなぜかコピーライターとなって約10年。現在は都内広告プロダクションに勤務しながら、大阪人からみた東京、また東京在住の人からみた大阪人について研究。
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