リアル・マイケルジャクソン [Vol.39]_1997年inアムステルダム_石畳を大疾走! ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話~
インフォシーク / 2013年5月30日 17時30分
ブレーメンのあと、仕事のため一度日本に戻ったわたしは、5日後の6月7日、ふたたびヨーロッパへと飛んだ。
行き先はオランダの首都、アムステルダムだ!
去年のワールドおっかけで有休を使い果たしたため、わたしに休みの「貯金」はない。4月に新しく付与された有休をうまく使いながら、この1年のワールド追っかけを計画しなければならないのだ。
近場のアジアと違い、片道のフライトが10時間を超えるヨーロッパで、この「行ったり来たり」を繰り返すのは、体力的にも資金的にも本当にハードだった!
窮屈なシートに身を埋めながら、それでも心が踊る思いで目的地に向かうことができたのは、「そこに行けばマイケルがいる!」という究極のご褒美が待っていたからだ。
一方で、なんとか仕事の調整をつけることができたEちゃんYちゃんは、ブレーメンの初日のあとも、ケルン→ブレーメン→アムステルダムと、そのまま現地で追っかけを続行していた。(この期間、マイケルはホテルに宿泊しなかったため、ツアースタッフとの交流やコンサートがメインで動いていた)
7日の夕方、マイケルが滞在する予定の「ザ・グランド・アムステルダム」で合流したわたしたちは、その直後、ビデオクルーのハミードに再会した!実は、オープニングのブレーメンにハミードの姿は見当たらず、ほかにもダンサーやビデオクルーなど、96年にいたツアースタッフの多くがヨーロッパには来ていなかったのだ。
後に、ツアーマネジメントの変更など、さまざまな「大人の事情」を知ったわたしたちであるが、このときは、顔馴染みのスタッフとようやく再会できた安堵感と喜びでいっぱいだった。
8日のコンサートを終えたあと、マイケルはスタジアムからホテルに到着し、久々にファンと間近で交流した。そして翌9日、マイケルはアムステルダム市内に出かけ、大勢のファンが大興奮で追いかける中、マダムタッソーの蝋人形館を見学したり、束の間のショッピングを楽しんだ。
もちろんわたしたちも張り切って追いかけたのであるが、この日集まったファンは、ものすごい熱狂ぶりだった!「ウオー!」「マイコー!!」「キャー!!!」大歓声とともに、さまざまなプレゼントが宙を舞う。コラーッ、そこっ!マイケルに向かってモノを投げたら危ないじゃないか!(写真の犬のぬいぐるみは、このあとマイケルにぶつかって地面に落っこちた!)
マイケルがバンに乗り込むと、それを追って一斉に走り出すファン!日本では気軽にタクシーがつかまるが、アムスでは、流しのタクシーなど殆んど走っていないのだ。
パワー全開のヨーロピアンに混じり、わたしたちも負けじと全速力で走る!ところがアムスは日本よりも空気が薄いのか、1分もたたないうちに、肺がモーレツに痛くなる!石畳の地面も、やたらゴツゴツして走りづらい!
(もう限界!)と走る速度を緩めると、そのタイミングでマイケルのバンは信号に引っかかる。(いま走ったら追いつけるかも?)と、倒れそうな身体にムチ打ってまた走る!(やっぱり限界!)と立ち止まると、またもやマイケルのバンも信号で止まる。
その繰り返しでわたしたちはどこまでも走らされ、気がつくと周囲には、わたしたち3人のほかに、ヨーロピアンの男の子が1人しか残っていなかった。見よ、OLの底力!か弱く見えて(?)、気合と根性では負けないのだ!
最後はスピードにのったバンに置いていかれ、息も絶え絶えにホテルに戻ると、バンに同乗していたハミードがわたしたちのもとにやって来た。そして、満面の笑みで、「グッジョブ!」と褒めてくれた。
バンの中でわたしたちを発見したマイケルは、「早く早く!彼女たちを撮って!」と、大はしゃぎでハミードに指示を出していたというのだ。
そういえば、バンに接近したときに、中から何度もフラッシュがたかれていた。あれはつまり、そういうことだったのか!肺がつぶれそうなほど走った努力がすべて報われたような気がした。
ええい、マイケルが喜んでくれるなら、もうどこまででも走ってみせようじゃないか!
新たな決意を胸にしたわたしたちは、次に訪れるキールで、ますますハードな状況に身を置くことになるのだ。
【バックナンバー】リアル・マイケルジャクソン ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話
コピーライター。87年来日時にマイケルのファンとなり、OL時代、同じくOLの友人とともに世界中を追いかける。96年HISTORY TOURを機に、3人は「D-PARTY」(ファミリーの意)と呼ばれ、世界各地でマイケルに会えるようになる。追悼式から3年を経て当時のエピソードを公開。
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