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仮面ライダーウィザード、夢の叶え方と挫折と。

インフォシーク / 2013年6月4日 17時30分

来週の仮面ライダーウィザードは、なんとウィザードがサッカーボールを蹴る…?! なぜ?!

たった今、コギャルファッションの女性とすれ違った。ま、まだ生息していたのか! という驚きと同時に、よく見たらその方が外国の方でもっとビックリした。

漠然と、彼女の夢ってなんなのだろうな、ということを思った。

思い出すに私は小学1年生の頃、ドーナツ屋さんになりたかった。毎日ドーナツが食べられるからだ。それが紆余曲折しながらも、10代中盤あたりからなぜか、自分は世界的な革命かなにかをして26歳でヒーローとして死ぬんじゃなかろうか、と突拍子もないことを思うようになった。

20歳をとうに超えても心のどこかにまだその思いがあって、「そろそろ革命をする日が来るんじゃなかろうか」なんてお酒を飲みながら思ったりして、27歳になったあたりから「あれれ、26歳を超えてしまった…」となり、どうも根本的に何かが間違っていることに気がついた次第だ。

空想癖はなはだしいところが私の悪いところだが、その後時間をかけてわかってきたことは、夢は具体的にイメージをしなくては叶う叶わないのステージにすらなかなか上がれない、ということである。

そういう意味で、幼い頃から夢に対して具体的なイメージを持っている人をすごいと思うようになった。メジャーリーガー・イチロー選手の小学生の頃の作文を読んだことがあるだろうか。イチロー選手はなんと、小学生の時点で「一流のプロ野球の選手になって、お世話になった人に球場の招待券を配りたい」「そのためには中学・高校と全国大会に出なくてはいけない」「今、全国大会でこれくらいの打率で、これくらいのことができて、これくらい練習をしているから、このままいけば必ずプロ選手になると思う」といったようなことを書いているのだ。具体的すぎて恐ろしいくらいだ。残念ながら小学生の私に、この思考は無かった。

6月2日の朝に見た仮面ライダーウィザード(第38話)も、興味深い内容であった。仮面ライダーになる前の(言ってしまえば、人間時代の)ウィザードは、プロのサッカー選手を目指していた。ウィザードは幼い頃に両親を亡くしている設定だ。おそらく恵まれた環境ではない大人への道で、それでもプロのサッカー選手を目指し、回想シーンの中で今まさにプロになるための登竜門的審査を受けようとしている。

この日までの努力と具体的イメージは、私たちの想像を絶するものだったのではないかと思う。

しかし事件は起こる。その審査は、親友でありライバルである選手と共に受けているのだが、審査のゲーム中にウィザードが親友の足をひっかけてしまい、重傷を負わせてしまうのだ。親友はリハビリに専念することとなり、ウィザードは申し訳なく思い、サッカー選手の夢を自ら諦め、彼の前から去るのである。

才能ある者が夢を叶えるとは限らない。これもまた、現実によくあることかもしれない。

ウィザードの心情やいかに。人生のどうしようもなさを、家族のいない彼は想像を絶する孤独の中で歯ぎしりの如く噛みしめていたのではなかろうか。

挫折した若者はときとして、「私とは何者で、どこへ向かっていくのだろう」とアンジェラ・アキ的な悩みを持ち、どこか冷めざめした人生を歩んだりする。しかし彼はこのあと、まさかの仮面ライダーになるのである。

どう乗り越え、どう仮面ライダーになる覚悟をしたのであろうか。そこにはほとんどの人が気づいていない、人生の大事な要素があるのではないか、と思ったのだ。

第38話の仮面ライダーウィザードはなかなか見応えがあった。自分の若き日を思い出し、キュンとした大人もいたように思う。

来週、このウィザードと親友の夢周辺の話に決着がつく。

子供向けであるからに突っ込みどころもあるが、それでもときにキュンとする。仮面ライダーウィザード、一度見てみるのもいいかもしれない。

【バックナンバー】仮面ライダー徒然草はこちら

ガッケンター
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」の運営や、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)の製作をしている。

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