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リアル・マイケルジャクソン [Vol.44]_1997年in韓国_真夜中の茂朱リゾートへ。 ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話~

インフォシーク / 2013年7月4日 17時30分

ソウルから約200㎞に位置する茂朱リゾート。韓国ドラマ「夏の香り」のロケ地としても有名。

1997年11月19日、わたしたち3人はNW86便の機内にいた。行き先は、マイケルがいる韓国だ!

今朝、スポーツ新聞でこの情報を知ってから、わたしたちのとった行動は早かった!

「すすすいませんっマイケルが韓国にいるので帰ります!」いま行かないと間に合わない、と挙動不審で慌てるわたしを、職場のみんなは温かく(あきらめて?)送り出してくれた。Eちゃん、Yちゃんも迷わず仕事を切り上げ、Yちゃんはそのまま新宿のHISに走る!ここは、即日で格安航空券を発券してくれるからだ。その間にEちゃんはYちゃんと2人分の荷物をまとめ、わたしは羽田の自宅まで荷物を取りに戻り、17時には3人そろって成田空港で落ち合うことができた。いきなりその場で3日間の休みをとって早退するのだから、ふつうのOLにとっては無謀ともいえるチャレンジだ!

機内でようやく一息つき、このあとのプランを考える。現地のスポーツ新聞をみると、ちょうどマイケルの記事がのっている。隣の韓国人のおじさんに訳してもらうと、マイケルはリゾート計画のために来韓、茂朱リゾートに滞在中とのことだった。

…てっきりソウルだと思っていたら、マイケルは「ムジュ」にいるらしい。でも、茂朱リゾートって、どこだ?

「遠いよ!今日行くのはもう無理だよ!」とおじさん。いや、でも、今日行かないと間に合わないんですよ。空港に到着し、観光案内に直行する。「この時間はもう列車もバスもないですよ~」

タクシーだと、混み具合によっては4~5時間かかるという。いますぐ出発しても、到着は真夜中だ!係のおばちゃんが茂朱リゾートのホテルに予約を入れてくれようとするが、誰も電話に出ないという。

…本当に、マイケルはそこにいるんだろうか?

それでもわたしたちに、「行かない」という選択肢はなかった。ここまで来たら、進む道はひとつだ!勇んでタクシーに乗ろうとしたら、遠すぎてあっさりと断わられ、4台目のデラックスタクシーでようやく「OK」の返事をもらう。みんなで運転手さんを盛り上げつつ、高速を飛ばして2時間。高速を下りてから、うっかり道に迷ってさらに2時間。深夜の2時を軽くまわったころ、ようやくわたしたちは「茂朱リゾート」の敷地へと続くゲートにたどり着いた!

そこには物々しい検問が設けられ、こんな時間にも関わらず5~6人の警備員が立っていた。タクシーが止められ、「ここから先へは絶対に誰も通せません!」と頑なな態度で追い返そうとする。

後ろからやってきた観光客?の車も、同じように止められてUターンしている。実は、マイケルの極秘滞在が報道されたことで、ついさっきまで報道陣やファン、野次馬が押しかけ、茂朱リゾートは大変な騒ぎになっていたのだ!その余波で、敷地内は完全に立ち入り禁止令が敷かれていたのである。

そんな事情などまったく知らないわたしたち。帰れと言われても、ここで引き下がるわけにはいかないのだ!

わたしたちは今回、マイケルに渡すために、1ヶ月がかりでHISTORYツアーの「PHOTOアルバム」を製作していた。分厚いアルバムに、世界各地で撮った写真や新聞記事、マイケルへのメッセージをコラージュした大作だ!

本当はドイツで渡したかったのがキャンセルになり、そしていま、まさかのチャンスが訪れたのだ。

Yちゃんが警備員と交渉し、自分たちの名前をウェインに伝えてくれるように説得する。意地でも帰ろうとしないわたしたちに、仕方がないといった様子でホテルに連絡を入れる警備員。「ウェインは507号室に泊まっていますが、いま部屋にいないので、ホテルの中を探してもらっています」という。そのまま車内で10分ほど待ち続けると、突然ゲートが開き、わたしたちは敷地の中へと通された!

「あなたたちは、マイケルと知り合いなんですか?」タクシーの運転手さんがビックリしている。そのまま進んでいくと、第二、第三の検問が見えてくるが、今度はフリーパスで通される。それどころか、「ホテルは向こうですよ!」と目的地の方角まで教えてくれるではないか。さっきとは大違いの対応だ!

小さなコテージがポツリポツリと建つ中で、突然立派なホテルが見えてきた。きっと、あそこだ!

タクシーがホテルの前に到着すると、前回のツアーで親しくなった韓国側の関係者チョイさんが外まで様子を見に出てきていた。「やっぱり、あなたたちでしたか!」と笑顔のチョイさん。よかった!チョイさんがいるなら、間違いなくマイケルもいるはずだ!

チョイさんに連れられてロビーに入ると、そこにはYシャツをはおり、スリッパを履いた(おそらく寝ているところを起こされた)ウェインがいた!!そして、こちらに向かって手招きをしている。なんとかマイケルの元に辿り着けた安堵感で、わたしたちは半ベソになって駆け寄った!

ハグをしたあと、ウェインは改めて3人を見回して一言、「なんで来ちゃったんだ?」という。その言い方がなんとも微妙で、(ひょっとして、マイケルはここにいないのかも!?)とわたしたちは青ざめてしまった!恐る恐るウェインに聞くと、「マイケルは5階の部屋で寝てるよ」という。よかった、このホテルの中に、マイケルはいるんだ(泣)

どうやらウェインは、極秘の来韓にも関わらず、なぜ日本人のわたしたちが情報を得たのか不思議だったようだ。ふつうに新聞で見たことを伝えると、「しょうがないな~」(だからマスコミは・・・)と苦笑している。

「じゃあ日本に居たことも新聞に載ったのか?」とウェイン。なんと、18日に韓国入りする前に、マイケル一行は極秘で日本に滞在していたというのだ!!16日から18日までの3日間、ビジネスのためキャピトル東急ホテルに宿泊していたという。16日って…

ぎょええ、わたしたちがジャネットと写真を撮っていた、あの日じゃないか!ああ、だから胸騒ぎがしたんだ。

ウェインが韓国側のスタッフを呼び、4階の部屋を一部屋用意するように話している。

エリア全体が貸切の厳戒態勢の中、わたしたちは、マイケルと同じホテルに泊まることになったのだ!

【バックナンバー】リアル・マイケルジャクソン ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話

パリス川口
コピーライター。87年来日時にマイケルのファンとなり、OL時代、同じくOLの友人とともに世界中を追いかける。96年HISTORY TOURを機に、3人は「D-PARTY」(ファミリーの意)と呼ばれ、世界各地でマイケルに会えるようになる。追悼式から3年を経て当時のエピソードを公開。

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