ベタベタな東京人の色恋 ~1分でわかる大阪人の言い分~

インフォシーク / 2013年8月13日 17時30分

大阪・梅田

大阪で数社のアルバイトと東京で二度ほど転職をして今の職場に就いている。これまで社内不倫カップルを働いた社数分は見てきた。

現在の職場でW不倫中のA女(30後)とB男(20後)は深入りしたくないがあまりのサブさに気になってしまう。

不倫の常識がなにかは知らない。ただ、これまで出会ってきた人達は潜んでいた。二人だけの隠し事を持ち「忍んでこそ恋」と顔に書きたい関係。それが方程式だと思っていた。

だがAとBは異常にオープンであり、そして各方面で「誰にも言うな」という、「押すなよ!絶対に押すなよ!」と言った後に熱湯風呂に押される上島竜兵の鉄板ネタと同じ告白から複数の社員にあっさりと広まっていった。

上長など知らない社員が多いにも拘わらず、開き直ったのか?と疑うレベルにフルオープンだ。

もぅ~やめてよ~、えいっ、も~。とどちらかのデスクでじゃれ合う。捕まえた~、てへてへ、見つかった~。とエレベーターホールやプリンター前で鬼ごっこやかくれんぼという名のプラトニックセックス。Bくぅ~ん!あたしもクロワッサン食べたぁ~~い!!と大声で朝食を要求する30代後半。まるで中学生のような恋愛劇場を目の前で繰り広げている。周囲は凍る。

そんな小便臭い二人の恋だったが、徐々に付き合い方を変えていった。

会社にいれば、いつもあなたの笑顔に会えた

ケンカもしたけどいつも、二人で乗り越えてきたよね?

恋しくて、苦しくて、休業日も二人で出社したあの日

夜勤する日密約して、一緒に応接室の電気消したね

とまあティーンに絶大な支持を受けるディーバの歌詞みたいな行動が、二人の茶番劇と「誰にも言うな」の内容になっていた。高3にでも上がったのだろうか。再度書いておくが30後半のピーターパンと20後半のチンパンジーだ。

そんな二人の第二幕を見せつけられているとなんじゃこいつら!と思う反面、イヤ待てよ、東京人の恋愛観はこれが普通かも。と、あることを思い出した。

それは、上京間もなく出会った東京の女性二人から「中学、高校、大学、社会人と付き合い方を変えていった。みんな同じ場所で同じコトしてた」と言われたことだ。「じゃあ社会人になってからの理想の付き合い方は?」と聞くと「ドライブ行ってオシャレなオープンカフェで……」二人が言い笑っていた。ペラい。

東京人の多くはベタだ。

不倫フォーマットのあるなしに拘わらず、一般的とされる恋愛のハウトゥを気にし過ぎな傾向がある。

AとBは恐らく恋愛経験が少ないのだろう。密な不倫ムードとかけ離れているぶんベタな不倫関係ではないが、出来なかった恋愛を取り戻そうと個性なく、よくある中学生編、よくある高校生編をこなし階段を上っていく姿は至極ベタだ。

街を歩いてもベタなカップルは多く、ベタが市民権を得てるようなつまらなさが目立つ。京王井の頭線渋谷駅改札口付近や六本木の展望台などで嫌でも目に入る、等間隔に並んでイチャイチャプレイを見せびらかせ、公衆でキスしているカップルが全員同じ顔の判子に見えるのはその例だ。

大阪でもベタなカップルはいる。だが「なんで同じことせなあかんねん。人前ですることとちゃうやんけ」とベタでサブいと避けるのは共通認識だろう。

たとえば大阪・千日前や中崎町辺りで出会う、立食いうどん屋で胃を満たすレゲエなカップル、小汚い大衆居酒屋で寿司をつまんでビールを入れるハードコアなカップルなどにそこはかとなく漂う、個性を生み出している素敵な関係をパンケーキ屋に大行列を成す同じ顔をしたカップル達から感じることはまずない。

先日東京で知り合った大阪生まれの女性が「最近ここの黒酢豚とビールが定番やねん」と松陰神社前の大衆上海料理店『大吉』を教えてくれたのがとても新鮮だったのは、東京ではオシャレ自慢、流行乗っている自慢じゃない個人的ベストをあまり聞かないからだろう。

さて話をAとBに戻すと、子供の恋愛、友達以上恋人未満な恋愛を越えた。

お次はベタに不倫ドロドロの昼ドラでもインスパイアされるのだろう、など下世話にも待っていると女、おなじみの「誰にも言うな」によると

「私、B男に子供が出来たら会社辞めてやるから」

不倫カップルの章が始まっていた。

鹿タカシ
しかたかし ライター・コピーライター・歌い手(バンド活動休止中)。大阪生まれ。大阪芸術大学にて写真を専攻した後に上京しなぜかコピーライターとなって約10年。現在は都内広告プロダクションに勤務しながら、大阪人からみた東京、また東京在住の人からみた大阪人について研究。

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