リアル・マイケルジャクソン [Vol.51]_1998年inソウル_バンの中でご対面! ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話~
インフォシーク / 2013年8月23日 17時30分
後部座席の真ん中に座ったマイケルは、いつもの黒い帽子にサングラス、そしてメタルプレートのついたレザージャケットを羽織っていた。
ドアが閉められ、外の喧騒と遮断されたバンの中は、まるで時間が止まったかのようだ。3人並んで目の前のマイケルと向かい合う。ニコニコと微笑みながら両手をさし出すマイケルと、狭いバンの中で順番にハグをする。
嬉しくてギュッとマイケルを抱きしめると、マイケルもしっかりとハグを返してくれる!出発までのわずかな時間を割いて、こうして再会の機会をつくってもらえたことに、わたしたちは心から感謝した。
(どうしよう、マイケルに何を伝えよう?)ウェインはきっと、すぐに戻ってくるだろう。早く言わなくちゃ!焦るわたしたちは、「マイコー!」「プレゼントが!」「元気だった?!」と3人同時に話しかける。それを聞いたマイケルは、両手で口元を覆いながら笑っている!イッヒッヒ…とも、クックック…とも聞こえる、独特の笑い声だ。(か、かわいすぎる!)マイケルのはにかんだ笑顔を目の前にして、わたしたちのテンションは最高潮だ!嬉しくてキャーキャー言いながら思い思いにマイケルに話しかけると、ウンウンと頷いて、ひとつひとつに答えながらも、やっぱり笑っちゃうマイケル。ついにマイケルは、身をよじってお腹を抱えこんで笑い出した。
なにがそんなにマイケルのツボにはまったんだろう?
あとで大爆笑の理由を3人で考えてみたものの、これという結論は出なかった。ただ感じたのは、スターのオーラをまとわない、「素」のマイケルがそこにいた、ということだ。
結局ウェインはしばらく戻ってこず、わたしたちは、マイケルにつられてキャーキャー言いながら笑い合っていた。マイケルの、あまりの大笑いモードに、持っていたプレゼントをひとつ渡し忘れたほどだ!
やがてバンの扉が開き、わたしたちは最後にマイケルと握手をしたあと、ウェインに誘導されてバンを降りた。
マイケルご対面の余韻で、ハイテンションのままタクシーに乗ったわたしたちは、その後のエバーランドも満面の笑顔でマイケルを追いかけた!園内を散策するマイケルを、ウェイン、スキッパー、ヨーロッパ系のボディーガードが取り囲み、その周囲をさらに韓国関係者、現地警備員が二重三重に取り囲む。わたしたちは、途中途中でマイケルのすぐそばまで接近し、「マイコー!」「エバーランドはどお?」「そのジャケット、カッコいいね!」(←ものすごく照れていた!)などと話しかけながら一緒に園内をまわることができた。
その後ホテルに戻り、ヨーロッパから追っかけで来ていた2人組のファンと合流する。彼らもマイケルが出発する前に、バンに乗せてもらえたのだ!「君たちは長くバンにいたけれど、中で何をしていたの?」と興味津々でわたしたちに聞いてくる。彼らはマイケルとハグをして、すぐに外に出たというのだ。さっきの大笑いの状況を伝えると、2人は不思議そうな顔をしていた。(彼らが会ったマイケルは、クールでカッコよかったらしい!)
2人と別れたあと、わたしたちはロビーでさまざまな関係者と話をした。1996年のHISTORYツアー来韓時に知り合った人、去年の茂朱(ムジュ)リゾートで会った人・・・そのとき、見覚えのある黒人の関係者と目があった。彼は、新年にキャピトル東急ホテルでウェインとミーティングをしていたメンバーの一人だった。
「あなたたち、ここで何してるの!」わたしたちのもとにやって来て握手をする。マイケルに会うために会社を休んで来た、というと、「あなたたち、エライね!」としきりに感心している。エライ、エライと何度も言い、最後に連絡先の名刺を渡してくれた。そこには「K」という名前と携帯番号が書かれていた。彼が、このあとのマイケル来日に関するキーマンであることを、このときのわたしたちはまだ知らなかった。
ただただマイケルと再会できた喜びを胸に、わたしたちは2月24日帰国の途についた。マイケルは、25日の大統領就任式に出席したあと、翌26日ロスへと戻った。
その後もウェインは何度か単独で日本にやって来た。わたしたちは、たびたびキャピトル東急ホテルに足を運んでいたのだが、マイケルが何のために、いつ日本にやってくるのか、決定的なことはわからない。
どうにも落ちつかない毎日を過ごしていたある日、衝撃のニュースが飛び込んできた!4月6日のスポーツ新聞で、「マイケル来日」の詳細が大々的に報道されたのだ。5月にも来日、と報じられたそこには、ビジネスの詳細とともに日本の関係者の写真が載っている。その中に、あのK氏も写っているではないか!慌ててソウルでもらった名刺を探す。ででで、電話、電話だ!
いくつもの出会いが一本の「線」へとつながっていく。その先にいるのはマイケルその人だ!
そして、このあと日本と韓国で計画されるイベントで、わたしたちは、思いがけない展開へと巻き込まれていくのだ。
【バックナンバー】リアル・マイケルジャクソン ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話
コピーライター。87年来日時にマイケルのファンとなり、OL時代、同じくOLの友人とともに世界中を追いかける。96年HISTORY TOURを機に、3人は「D-PARTY」(ファミリーの意)と呼ばれ、世界各地でマイケルに会えるようになる。追悼式から3年を経て当時のエピソードを公開。
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