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リアル・マイケルジャクソン [Vol.55]_1998年 in 東京_MJジャパン本社を訪問。 ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話~

インフォシーク / 2013年9月26日 17時30分

後楽園飯店でキックボクシングの記者会見に出席するマイケル。

7月25日。来日2日目の今日は、27日の記者会見を前に、マイケルとMJジャパン関係者のミーティングが予定されていた。寝不足の目をこすりながらホテル1Fのレストラン「オリガミ」に行き、朝の「お粥定食」を食べていると、ちょうどK氏とジョンがやってくる。挨拶すると、彼らもわたしたちといっしょのテーブルについてコーヒーを頼む。今日の予定について確認すると、午後からマイケルは神田のMJジャパン本社に出かけるようだった。

マイケルにとって、テーマパーク事業は、自他ともに認める長年の夢だ。「ネバーランド」と名付けた自宅の遊園地はあまりにも有名だが、なにもマイケルは、自分自身が毎日遊び呆けるために、巨額な資金と維持費をかけてそれをつくったわけではない。(そもそも忙しいマイケルは、ネバーランドには滞在していないことも多い)そこで夢中になって遊ぶ「子どもたち」の姿を思い描き、理想の空間をつくりあげたのだ。実際に、どれだけ多くの子どもたちが無料で招待され、余命わずかの子どもたちがひと時の夢の世界に癒されたことだろう。

2年がかりのツアーが一段落し、次にマイケルが目指したさまざまなプランのひとつが、子どもたちを対象にした「ワンダーワールド」の事業化だった。この実現のために世界各地を視察に訪れ、交渉をし、結果的に日本のとある企業が手をあげたのだ。不況の真っただ中の日本にあって、マイケルの夢に賛同し、数百億円の事業資金を出資しようという会社である。当時のマイケルが全幅の信頼を寄せていたのは間違いない。(それが、後に、どんな結果になったとしても)

わたしたちは、この日の大半をキャピトル東急ホテルのロビーで過ごした。大勢の関係者、そして大勢のファンがホテルの内外に集まってくる。10階では、昼過ぎから関係者とマイケルのミーティングが行われており、それが終わり次第、MJジャパンの本社に向かうようだ。

やがてマイケル一行はホテルのロビーに現れ、大勢のファンに囲まれながらバンに乗り込んで出かけていった。ちなみに、今回の来日でマイケルの警備にあたったのは、いつもの東京パトロールの面々ではなく、ビジネス関係者の一団だ。当然「世界的大スター」の警備には不慣れなこともあり、行き帰りのロビーは混乱状態になっていた。揉みくちゃ状態のマイケルに飛びかかり、後ろから髪の毛を引っ張るファン、手をひっかくファンなど、これまででは考えられないほどエキサイティングな状況になってしまったのだ。

これに関しては、やはり、「警備する側」に問題がある。最初から「飛びかかろう!」と思って待ち構えているファンなどほとんどいない。(特に日本は)大衆心理が「負」の方向に働かないよう、マイケルがロビーを歩くのならば、それなりの状況を整えればよいのだ。さすがに来日から日が経つにつれ、警備の状況が徐々に改善されていったのは、救いではあったけれど。

とにもかくにもマイケルを見送ったあと、わたしたちはタクシーに乗ってマイケルのバンを追い、神田のMJジャパン本社へと到着した。マイケルが社内を見学している間、タクシーを止めて周囲で待ち続ける大勢のファン。小一時間ほど待っていると、ふいに出入口からジョンが出てきて、わたしたちのもとに歩いてくる。そして、「君たちを呼んでいるから中においで」と社内に誘導される。「もうすぐマイケルが来るからここで待つように」と言われ、一階の階段のそばに立っていると、まもなくマイケル一行が現れた!

「ハーイ」マイケルがこちらに歩み寄って、握手をしてくれる。サングラスをしたマイケルの口元が、ニッコリと笑っている!そして、マイケルの隣にいたK氏がわたしたちに関係者用のパスを手渡した。「これ、下げといてね」とK氏。どうやらこれを渡すために社内に呼んでくれたようだ。

そのままマイケル一行の後ろを歩いていくと、ガレージに到着し、そこにはバンが止まっている。「マイコー」「またあとで!」声をかけると、マイケルはこちらに向かって軽く手を振り、バンに乗り込んでいった。ガレージを出て走り去るバンを追って、再び数台のタクシーがマイケルを追いかける!次に到着したのは、なぜか「後楽園飯店」の2階で、そこでは10月25日に開催される「キックボクシング・オールスター戦」の記者会見が行われていた。

急いで会場にかけつけ、後方に陣取った大勢のカメラマンの三脚の隙間から前をのぞく!するとそこには、コワモテの空手関係者たちがずらりと並び、中央にちょこんとマイケルが座っていた。(…カ、カラテ?)(キックボクシング?)(なんでマイケルが?)激しく疑問に思うわたしたちをよそに、「マイケルは以前から空手に興味をもっていた」「特別に黒帯と名誉五段を授ける」といった感じで記者会見は続いていく。途中、三脚の間から顔を出すわたしたちに気づき、(あ!)と驚きながらも笑顔で手を振ってくれるマイケル。

ついに、空手の胴着まで着せられたマイケル。…これって、よくわからないままに、マイケルは担ぎ出されてしまったんじゃないの?今回の来日では、「テーマパーク事業」の提携のほかに、日本側の独自の思惑も入り混じっているような気がした。(この来日は、最終的に、どんな形で落ち着くのだろう?)その後、赤坂の飲食店に立ち寄る一行を追いながら、わたしたちはこの後の日程について想いをめぐらせていた。

【バックナンバー】リアル・マイケルジャクソン ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話

パリス川口
コピーライター。87年来日時にマイケルのファンとなり、OL時代、同じくOLの友人とともに世界中を追いかける。96年HISTORY TOURを機に、3人は「D-PARTY」(ファミリーの意)と呼ばれ、世界各地でマイケルに会えるようになる。追悼式から3年を経て当時のエピソードを公開。

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