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誰もが阪神ファンではない ~1分でわかる大阪人の言い分~

インフォシーク / 2013年10月9日 17時30分

大阪・梅田

「やっぱり阪神ファンですか?」

故郷を離れて暮らしている関西人の特に男性は、聞かれ過ぎたであろうこのフレーズ。東京人にとって関西の人種は全員阪神タイガース(以下阪神)ファンだと思いがちだ。

しかも、ファンというより「関西に生まれた以上は阪神を愛さなければならない」と義務感に冒された人種だと思っているようす。「大阪なんですか!じゃあ、やっぱり、阪神ファンなんですか?」と“やっぱり”付きで聞かれてきた。

私は仕事の場でコテコテな大阪感を出さない。リアクションや嗜好から気付かぬうちに垂れているかも知れないが、地元の友人から「お前染まったな」「魂売りよった」と言われようが地元愛は出さない。そのせいか初見で大阪人と気付かれない私の生まれが大阪人と知るや即「阪神ファンですよね?」のカードを切って来られる。それこそドヤ顔でだ。

そんな東京人たちには適当に返してしまっていて申し訳なかったが、大阪人だからといって誰もが阪神ファンかというと、そんなはずがない。

ではなぜそのように思いがちなのかを考えてみた。きっと、スポーツニュースと社内のひょうきんな関西人にあると思う。

まずはスポーツニュース。プロ野球のナイターは主に18時から始まる。腹も空かない時間から球場に集える人は珍しく、平日は基本的に閑散。しかもビジター側の座席はコアなファンか夜空の真下でビールが飲みたいサラリーマンがチラホラ程度。

だが阪神の場合。ヤクルトの神宮球場、DeNAの横浜スタジアム、中日のナゴヤドーム、広島のMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島、そして読売の東京ドームのどの場所でも黄色いユニフォームを着たファンがスタンドを埋め尽くしている。阪神戦のときだけ座席のプランを変えるあざとい球団だってあり、見事にビジター席は先に売り切れる。

ちなみに本拠地の阪神甲子園球場はビジター席も関係なく阪神ファンばかりで今年は8月15日に動員数200万人を突破したそうだ。52試合目での到達は1試合平均3万8000人ものファンが集まっていることになる。

仕事帰り、または飲んだ帰りの疲れた平日夜中にテレビをつけると阪神ファン大フィーバーの姿。疑われてもしょうが無い。

続いて社内のひょうきんな関西人の存在だ。東京へ出てきた関西人の中には見ていて恥ずかしくなるくらい浪花LOVEをアピールする人がいる。そんな人の浪花アイコンは阪神で、自分のデスクに阪神の旗が立っていたり座布団が阪神の旗柄だったり、着信メロディが球団歌「六甲颪(ろっこうおろし)」だったりと過剰だ。

ただのかまってちゃんで若干サブい存在だが、インパクトは強い。大阪人のイメージをそいつらで定着してしまった東京人は少なくないだろう。大阪人を代表して謝る。アピールし過ぎる大阪人が多くてすみません。

この2つだけでじゅうぶん勘違いされても仕方が無いことに気がついた。

生まれて初めて見たものを親と思うように、関西人は野球を覚えるそばにいつも阪神がいた(厳密には南海ホークスと近鉄バファローズがあったが80年代当時も世の中はセ・リーグ贔屓の傾向があった)。

関西は阪神関連のローカル番組が多い。そして阪神戦は基本的に地上波で生中継している。そんな関西で育ったせいか関西人は熱烈なファンじゃなくとも阪神に造詣が深いし、いつも「今日勝ったかなあ」と思っている。

大阪で暮らしていると阪神と運命を共にしている人をよく目にした。負けたら機嫌が悪くなりキレるわ泣くわ喚くわのアンストッパブルなおっさんは珍しい類いではなかった。そんな人を「ファン」と定めているぶんファンかどうかと聞かれると、ファンなんてちょっと烏滸がましい気持ちになるし、そんなジャンキーに見えるのか?とモヤモヤするものだ。

鹿タカシ
しかたかし ライター。大阪生まれ。大阪芸術大学にて写真を学んだ後に上京しなぜかコピーライターとなって約10年。
現在は都内広告プロダクションに勤務しながら、大阪人からみた東京人(主に上京してきた人)について研究。

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