ま、まさかの階段落ち! 80年代と仮面ライダー鎧武!
インフォシーク / 2013年11月19日 17時30分
「階段落ち」!
この言葉を聞いてハァハァハァハァ…! と興奮する者は、間違いなく80年代に芸術文化に触れた者である。決して「三段オチ」や「楽屋オチ」というお笑い手法とは違う。
階段落ちとは、新撰組の池田屋事件を扱う映画において、土方歳三が階段を駆け上がり藩士をバッサリと斬り捨て、藩士がゴロゴロダダダダダッ…と階段を転げ落ちるシーンのことであり、CGの無い時代それはそれは命懸けのシーンであった。
ちなみに日本で初めて階段落ちをしたのは、昭和33年の映画『新撰組』だという。
その階段落ちを有名にしたのが、80年代の芸術文化を牽引したつかこうへいの「蒲田行進曲」なのである!
物語の中で、売れっ子俳優の銀ちゃんがカメラに向かって顔をキメれば、売れっ子女優の小夏が色気を醸し出し、銀ちゃんの子分である大部屋俳優のヤスが銀ちゃんに斬られ、階段をガラガラガラドッドドドドッ! と転げ落ち、なぜかもう一度登ってきてこう呟く!
「…銀ちゃん、カッコいい…」
わかるか、わかるか! と松田優作の野獣死すべしのようなセリフを吐きたくなるが、この説明じゃ全然わからないだろう。スミマセン、わからない方は映画か小説をご覧ください。
とにかく「蒲田行進曲」は、戯曲化、小説化、映画化、テレビドラマ化された、80年代を駆け抜けた名作なのである!
ついでに書いてしまうが、松竹の蒲田撮影所所歌「蒲田行進曲」が作品のタイトルになっているのに、映画は東映撮影所で撮影されている。だけれど配給は、松竹と角川。ややこしい!
もうひとつついでに書くが、映画の主役候補は当初、松田優作であった。豆知識である!
さてさて、なぜこのようなことを興奮して書いたのかというと、11月17日(日)朝に見た仮面ライダー鎧武第6話に、まさかの階段落ちがあったからだ!
ぶどうライダー(※注:仮面ライダー鎧武は、フルーツをモチーフにした仮面ライダーが毎週出てきます→参照記事はコチラ)が銃でどんぐりライダーを撃ちまくる! と、ここでカメラのカットが階段下に切り替わったのだが、瞬間的に…もしや?!…と思った。その瞬間、やられたどんぐりライダーが本当に階段落ちをしたのである!
思わず興奮してしまった! もちろん、蒲田行進曲や他作品と比較したら軽い階段落ちではあったが、きっと私と同じように興奮したお父さんお母さんがいたように思う。いかがだろうか。
同話では、「覚えてやがれ!」という古いセリフも使われていて、なんだか80年代を彷彿させる部分がいくつかあった。
なぜだろう…脚本家の趣味だろうか。それとも…もしもこれが視聴者であるお父さんやお母さんに対してのアピールだとしたら、ものすごく緻密な計算であろう。すると、今後、80年代映画的シーンがもっと出てくるのか?!
あくまでもしもの話だが、そうだとしたら楽しみである。どんなふうであろう…?! 例えば…
○仮面ライダーがバイクで月の前を飛ぶ → 「E.T」
○仮面ライダー同士が指と指をくっつけて友情を確かめあう → 「E.T」
○仮面ライダーが車をブッ飛ばしてタイムスリップ → 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
○仮面ライダーがブレイクダンス → 「フラッシュダンス」
○仮面ライダーがトウモロコシ畑に野球場を作る → 「フィールド・オブ・ドリームス」
○仮面ライダーがニワトリを追いかける → 「ロッキー」
○仮面ライダーが幽霊退治会社を立ち上げる → 「ゴーストバスターズ」
○仮面ライダーがセーラー服で機関銃ぶっ放す → 「セーラー服と機関銃」
○仮面ライダーがハンガーで闘う → 「刑事物語」
…無いかな、やっぱり。
意図があるのか無いのかはわからないが、仮面ライダー鎧武は所々、実に面白い! もしも気になったら、一度ご覧あれ。
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。MC。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」の運営や、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)の製作、映画の宣伝などをしている。
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