「大阪人のリアクション」はほぼ嘘 ~1分でわかる大阪人の言い分~

インフォシーク / 2013年11月20日 17時30分

大阪・難波

大阪人特有のリアクションがある。

待ち合わせ場所で知人と会った際に手で拳銃を作り「パーン」と相手を撃ち抜いたポーズをとる。すると大阪人は「うぅっ、うおぉ…………チーン」と倒れるが、東京人だと「なんですか?」と白けられておしまい。

また300円のきつねうどんを食べ終え500円を支払った際、店のおばはんが「はい。おおきに200万円」とおつりを返されたとき、大阪人は「なんでやねん」と200円を受け取るのに対し、東京人はいちいち驚く。

なんでもない時間も笑いに変える。それが大阪の魅力だ。とかなんとか、大阪人のリアクション話を聞いたことが一度はあるだろう。

しかしそれは大嘘。作り話だ。

手で拳銃「パーン」の件はウンコとチンコと志村で爆笑する小学生が盛り上がる話。私は銃口(人差し指)を向けられ撃たれたら一度や二度は死ぬが、「ノリがいい」と間違った解釈をされ繰り返し何度も撃たれると「ええ加減にせえよ」と銃口を曲げる。

大の大人が街中で突然「パーン」なぞ言ってきたら「どないしたんやこいつ」と警察を呼ぶし、そして200万円のおつりは体験したことがないどころか、それをされた人すら聞いたことがない。

大阪人ってノリいいよね、なイメージを壊して悪いが、東京人が抱きがちなイメージは大阪を舞台にしたドラマやマンガ、歌、新喜劇の世界だ。

では東京人にはない、大阪人特有のリアクションとはなにか。それは、返答にみる「はい」か「いいえ」ではない「ボケ」だろう。

たとえば東京で東京人が「今日、誕生日でしょ?」と聞くとする。すると「ありがとう」「憶えててくれてたんだ」や面倒臭い人からは「そうなんだよね……」と返ってくるのが一般的。

大阪ならどうか。「ジブン、今日誕生日やんな?」に返される言葉は「なんかくれんの?」だったりするのが普通だ。

ちなみに言われた側は「なんであげなアカンねん」「アホなこと言うなや」「お前からなんもして貰ろたことないやんけボケ」などがさらりと返り、会話は進む。

「最近ジブン頑張ってるらしいやん」には「なんかくれんの?」「今月の給料やっとこさ出たわ」には「なに食わしてくれんの?」など使い方は幅広く、大阪で頻繁に交わされてきたコミュニケーションはボケであることがわかる。

こういったさり気に「なにかくれ」のボケは、東京人に全く伝わらない。同様のリアクションを東京で遣ったこともあったが、結果は散々だった。

東京人の友人から「もうすぐ誕生日だよね?」と聞かれた。
私「そうやで。なんかくれんの?」
明らかに声が引きつっている友人「そ、そうだよな…。な、なにがいいの?」
私「嘘やで。なんもいらんよ。」
慌ててスケジュール帳を捲る友人「こ、この日だったら空けられるけど…」
と、平日を指を指しながら言われた。予定が重なっていたので丁重に断ったが、友人は私をイヤな気分にさせたと勘違いしていた。

友人がナイーブだったと信じたかった。だが様々な東京人につい「なんかくれんの?」と返してしまった幾度となく、ボケればボケるほど私が欲にまみれた大阪人としか思われないことを知るだけだった。言わない方が身の為と「はい、誕生日です」と答えるようにしている今はそのせいだ。

東京人が大阪人のリアクションについていけないのは免疫がないからといってはそこまで。手で拳銃や百万円のおつりのような大味のリアクションが大阪人だと思っている東京人に「なんかくれんの?」を投げ入れたところで捕球体勢はなく、ボールをこぼすどころかそれがボールかどうかすら判断できないのは当然だ。

つまり、嘘を信じ込ませた“誰か”に問題がある。

その“誰か”とは、東京人を笑わせようと適当に話を合わせてきた、あらゆる関西人に責任があるのだろう。

ついでに書くが大阪人を真似するときに用いる「なんでやねん」は、これまでの人生で片手で数えられるくらいしか言ったことがない。

大阪の街を歩いていて生拳銃「パーン」、生おつり「百万円」、そして生「なんでやねん」が聞こえてきたら、それはかなりのレアケースかニセ大阪人だ。

鹿タカシ
しかたかし ライター。大阪生まれ。大阪芸術大学にて写真を学んだ後に上京しなぜかコピーライターとなって約10年。
現在は都内広告プロダクションに勤務しながら、大阪人からみた東京人(主に上京してきた人)について研究。

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