リアル・マイケルジャクソン [Vol.64]_1999年inソウル_MJ&フレンズ_コンサート編 ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話~
インフォシーク / 2013年11月28日 17時30分
6月24日の夜、マイケルは、コンサート会場となる「オリンピックスタジアム」へと向かった。ここは、96年のHISTORYツアーでも会場となった、お馴染みの場所だ!
これから明日のコンサートに向けてリハーサルが行われるということで、多くのファンがスタジアムに駆けつけた。会場の外にいれば、リハの音が聞こえてくるからだ。わたしたちも、もちろん会場へと向かう!しばらく外で様子を伺っていると、スタジアムの中からカートに乗った韓国関係者が出て来た。そして、わたしたちに向かって後ろに乗るようにと促す。再びカートは会場内へと戻り、わたしたちをアリーナの観客席のそばに降ろすと、「リハーサルを楽しんでください!」と言い残して走り去っていった。
ただっ広いスタジアムの中は、ところどころにポツポツと人がいるくらいで、当たり前だが客席はガラガラだ。ショウの前夜ならではの静かな熱気が漂う中、わたしたちは、最後までリハーサルを見届けることになったのだ!
そしてすぐに、わたしたちは、このリハの完成度に驚いた。本番さながらのマイケルのパフォーマンスに、声量たっぷりの完璧な歌声!リハだから適当に流す、といった様子は一切感じられない。このときのマイケルは、全身からパワーが溢れでているようだった。大観衆を前にした本番のステージは、どこまで素晴らしいものになるんだろう?
マイケルは、ショウの曲目を順番に歌いながら、その場を完全にコントロールしていた。音響にむかって何度も指示を出し、バックダンサーに声をかけ、ステージに上がった子どもたちが安全に移動できるよう、自ら誘導まで行っている。
わたしたちは、そのすべてを見守りながら、(マイケルは、やっぱりステージの上が似合う)としみじみ思っていた。「マイケルは、もうツアーは行わないだろう。」「長いロードに時間がとられることに、本人がもう飽き飽きしている。」前回のワールドツアーの途中から、そんな風に語るツアー関係者が何人もいた。後日、マイケル自身がそれに近い言葉をインタビューで語ったこともある。それでもきっと、マイケルが完全にステージから離れることはないのだと、そのときわたしたちは確信していた。
そのほか、リハの中で印象に残った場面をいくつか書こうと思う。
「She's out of my life」という美しいバラードを、マライア・キャリーとデュエットすることになっていたマイケル。マライアがまだ韓国に到着していないため、女性のバックシンガーをマライアに見立ててリハを行い、観客に向かって「マライアキャリー!」と紹介するシーンを繰り返す。結局マライアとのリハが間に合わなかったため、本番ではカットされてしまったが、マイケルの歌声は高音が澄み渡り、ただただ美しいの一言だった。
そして、93年のDangerousツアー以来、6年ぶりに「Human Nature」の生歌を聞くことができた!もともとセットリストには入っていないのだが、ノリにのったマイケルが突然アカペラで歌ってくれたのだ!うぎゃー、なんてきれいな声!(泣)わたしたちは、思わず抱き合って号泣してしまった。ホンの短いフレーズにもかかわらず、全身に鳥肌が立つほど感動したのだ。
メドレーとはいえ、「The way you make me feel」「Black or White」」「Billie Jean」「Dangerous」「Earth song」「You are not alone」と、ほとんどが全米チャートNo.1に輝いたヒット曲のオンパレードだ!短い時間の中で、マイケルジャクソンのエッセンスが凝縮している。明日のショウへの期待がおのずと高まった!
長いリハーサルのあと、マイケルが新羅ホテルに戻ったのは23時ごろだった。先回りし、エントランスの2階から「マイコー!」「リハは素晴らしかったよ!」と声をかけると、こちらを見て手を振ってくれる。さすがにマイケルももう休むだろうと思っていたら、ホテル内でのパーティーにちらりと顔を出したり、この日はどこまでもパワフルだった!
そして、いよいよ6月25日、歴史的なチャリティー・ショウが開催された。5時間にも及ぶこのコンサートは、趣旨に賛同したさまざまなアーティストが集い、最後にマイケルがトリを務めるという構成になっていた。
わたしたちは、この当日、新羅ホテルで思いがけないハプニングがあったため、マイケルとほぼ同時に会場入りした。そのためチャリティー・ショウ全体の内容はわからないのだが、その募金額を含めてショウは大成功だった!マイケルのステージに関しては、某動画サイトにもフルでアップされている。20世紀最後のマイケルのコンサートは、リハーサルで味わった感動をさらに数段パワーアップさせたかのような、素晴らしいものだった!
興奮冷めやらぬまま、多くのファンがこの日、新羅ホテルで一晩を過ごした。マイケルと同じ屋根の下で、同じ空気を吸い、同じ時間を共有する。そのひとときの、なんと幸せなことか!
そして翌朝マイケル一行は、次の公演地ドイツへ向かうため、多くのファンの歓声の中ホテルをあとにした。わたしたちも、引き続きドイツへ向かうため、寝不足の目をこすりながら金浦空港へと向かう。昨日一日の、あまりにも素晴らしい出来事の余韻にひたりながら。
【バックナンバー】リアル・マイケルジャクソン ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話
コピーライター。87年来日時にマイケルのファンとなり、OL時代、同じくOLの友人とともに世界中を追いかける。96年HISTORY TOURを機に、3人は「D-PARTY」(ファミリーの意)と呼ばれ、世界各地でマイケルに会えるようになる。追悼式から3年を経て当時のエピソードを公開。
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