リアル・マイケルジャクソン [Vol.65]_1999年MJ&フレンズ_ソウル~ミュンヘン編 ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話~
インフォシーク / 2013年12月5日 17時30分
6月26日の朝、マイケル一行は次の公演地であるミュンヘンに移動するため、新羅ホテルをチェックアウトして金浦空港へと向かった。同じくミュンヘンに飛ぶことにしていたわたしたちも、ほぼ同時刻に空港へと向かう。
カウンターでチェックインをし、税関の中に入ったわたしたちは、迷わず「VIP専用控室」に走った!これまで何度も韓国に来ているおかげで、空港内の施設についてはおおよそわかっている。フライトまでの間、きっとマイケルは、そこで待機しているに違いない。
DFショップのすぐそばの控室に到着し、様子を伺っていると、ものの数分もしないうちに韓国側の警備が現れた。そして次の瞬間、控室の扉が開き、中から子どもたちを抱きかかえたスキッパーにアティーラ、そしてマイケルが出てきた!
(ひさびさのグッドタイミング!)
実は、いままでのワールド追っかけで、わたしたちが「税関の中」でマイケルに遭遇したことは一度もない。数百人の物々しい警備が恒例のソウルではあるが、さすがにここは数名の警備がついているだけだ。一般客にまじり、いたって普通にマイケルが目の前を歩いている光景が、なんだか不思議な気がした。
「マイコー!!」「キャアー!」そのとき、たまたま居合わせた2~3人の韓国人(ファン?旅行客?)がマイケルに気づき、カメラを向けながらマイケルに駆け寄る!興奮した悲鳴に炸裂するフラッシュ!それを制止する警備員!
マイケルは、突然のハプニングにまったく反応せず、前を向いたまま一直線にゲートへ向かって歩いていく。セキュリティーがマイケルの子どもたちを抱きかかえていることもあり、ここは早足で突破するよう予め打ち合わせているようだった。
わたしたちは、目の前のマイケルに、ミュンヘンに行くことだけ伝えたいと思い、右後方から「マイコー!」と声をかける。すると、マイケルはパっとこちらを向くと、初めてわたしたちがいることに気づき、「オー」と言いながら手を差し伸べてくれた。歩きながら短い握手を交わしたあと、「ミュンヘンで会おうね!」と声をかけると、「オーケー」とうなづいてくれる。
思いがけずマイケルに挨拶ができたことで、(これは幸先のよいスタートかも…)と思ったわたしたちであるが、このあと訪れたミュンヘンは、なんだかんだで、やっぱり「アウェイ」な場所だった!マイケルと同じ「バイエリッシャーホフ」(超高級5ツ星ホテル)に宿泊予約を入れていたにも関わらず、真夜中に到着すると、「そんな予約は入っていません」と、なんとも冷たい応対ではないか!
たまたま旅行代理店を通して予約していたおかげで、無事宿泊することができたのだが(本気で部屋がなかったらしく、アップグレードで渋々スイートルームに案内された)、総じてホテル側の対応はよくなかった。宿泊の有無に関わらず、基本的にファンはホテル内から追いやられ、外の道路脇からマイケルの部屋を見上げることになったのだ。
おまけにミュンヘンのチャリティーコンサートでは、大きなアクシデントが発生した!ステージも終盤に差し掛かり、「Earth song」という壮大なテーマを掲げた曲の真っ最中に、マイケルが乗ったゴンドラ(橋)が突然ステージ下に落下したのだ!その後もマイケルは、何事もなかったように最後まで歌い続けたのだが、実は衝撃で背中や足首を痛めており、コンサートが終了したあとすぐに病院へと運ばれたのだ。
この夜、わたしたちは、ホテルのロビーの一角に陣取り、マイケルの無事を祈りながらひたすら帰りを待ち続けた。断片的に入ってくる情報は、(このまま入院になるかも)(どこかを骨折したらしい)(酷いケガだ)と不安をあおるようなものばかりで、深夜の2時を過ぎても戻ってこないマイケルに、わたしたちの不安は増すばかりだった。
結果的に、マイケルの状況はそれほど大ごとには至らず、真夜中にホテルに戻ったマイケルは翌日を休養日にあてた。わたしたちは、ときどきロビーに降りてくるスキッパーや、リムジンでどこかに出かけるニッキーと言葉を交わし、マイケルの元気そうな様子を確認して、ただただ安堵した。そして、今回のドイツの旅は、この調子で終わるのだろうなあと思った。マイケルが怪我をした時点で、あらゆる予定がキャンセルとなったのだから、しょうがない。
そんなわけで、わたしたちは気持ちを切り替え、残る日程でミュンヘン市内を観光し、各国のファンと親睦を深めた。アウェイ、アウェイと言いながら、当時の写真を見返すと、3人ともやたらに楽しそうなのが不思議だ!そして、6月29日の早朝、わたしたちは、マイケル一行より一足早くミュンヘンをあとにした。1999年最大のBIGイベントとなったソウル、ミュンヘンへの追っかけの旅は、こうして幕を下ろしたのだ。
そしてこのあと、世界各国で「ミレニアム」へのカウントダウンが始まり、お祭りムードがあちらこちらで盛り上がった。もちろんマイケルの周辺でも、いくつかのイベントが計画されることになるのだ。
【バックナンバー】リアル・マイケルジャクソン ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話
コピーライター。87年来日時にマイケルのファンとなり、OL時代、同じくOLの友人とともに世界中を追いかける。96年HISTORY TOURを機に、3人は「D-PARTY」(ファミリーの意)と呼ばれ、世界各地でマイケルに会えるようになる。追悼式から3年を経て当時のエピソードを公開。
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