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東京人が自分を探したがる理由 ~1分でわかる大阪人の言い分~

インフォシーク / 2013年12月11日 17時30分

大阪・千日前

自分探し。

平たくいえば、人生の再出発?デリケートなことなので滅多なことは書かないが、現実逃避?なんにせよ、彷徨うために大金をはたくことらしい。

「自分探しの旅に出たい」と思う人は東京に多い。地元・大阪で自分を探したい人に出会った記憶が薄く、あったとしても芸大生のモヤモヤ程度だろう。

地元がある東京人(上京して住み着いた人)は地元に帰る。だが東京近郊で生まれた人たちは実家が近いせいか、人生のリスタートを地元に委ねる人は少ない。

そしてUターンがない結果、だいたい旅に出る。出来るだけ遠く海を渡り、半年以上は帰ってこない。2泊3日週末ソウル旅じゃストレスは飛んでも箔がつかないのか、留学を選ぶ。

そんな自分を探したい留学希望者は、社会人経験を数年積んだ後に多く現れる。理由はいろいろあるようだが、日本に帰ってもまだ20代というのは安心なのだろう。

20代半ばの頃、歳の近い東京人が「留学したい」と呪文のように言い出した。英語への興味など微塵も感じなかった人たちだが、最初は大いなる野望に思えた。しかし理由を聞いても誰もがごにょごにょしていた。神経が細い人ばかりで、切羽詰まってるようだった。

そして半年から2年を経て、各国(といっても2カ国くらいだが)から帰国。その中で一番仲が良かった元同僚の友人Y(20代後半・女性・独身・実家暮らし)が帰ってきたことを知り、「思い出話聞かせてよ」と呼び出した。

私が馬鹿だった。Yは日本人が経営している印刷屋でアルバイトをし同僚だった日本人に食われた。その食われた男から外国では「彼女」と言われていたが、男が先に日本へ帰って数ヶ月音信不通であることの悩み相談が終始だった。

ややエロい話ゆえ聞いていたが、心底どうでもいい。前の職場でもできることをわざわざ海外でやってきただけの話。

「帰ってきたこと、連絡してもいいのかな?」

知るか。

結局海外での思い出は飯が不味かったことと煙草が高いくらいしか挙がらなかった。彼女は現在、都内のデザイン事務所で激しい残業に耐えている。

私は東京で暮らしてから留学に対するイメージが180度変わった。大阪で海外留学希望者に出会った数が少ないとはいえ、誰もが真っ当な理由を持っていた。そして帰ってカタチにした。大阪で「自分探しの旅がしたいねん」はまず考えられない。そんな考えられない人が多い東京に越してから『留学』がイタいワードになった。

当然、留学する東京人が全員イタいとは限らない。自分探しからなにかを見つけた人は周りにいないが、目標を持って留学した後きりりとした表情で帰ってきた人はいる。

だが『留学』の意味は広く「究めていることに磨きをかけたい人」から「ただ英語を勉強したいと口実をつける人」まで大括りだ。後者は大概、毎日がホリデーな人だ。そして後者が多い。だからイメージが悪い。

自分を探すために海外へ行くくらいなら日本で仕事探したほうが見つかることが多いんじゃないか?一人暮らしすらしたことないんだから都内で部屋探したほうが見つかることが多いんじゃないか?とは思うが、地方出身一般ピーポーの疑問など聞こえないらしい。「留学したことない人になにがわかるの?」と言いたげだ。

海外に出る人は私よりバイタリティがある。東京を一瞬捨てるのだからギャンブラーでもある。その点において尊敬はする。だから出たけりゃ出ればいい。海外で暮らすことが夢というのもまあアリだ。

ただ、自分を探したい東京人はどこか、周囲の人達が幸せそうにキラキラと映り「自分にはなにも無い」としょげている人が多い。

そんな東京人に出会うといつも思う。選ばなかった人生で誰かが幸せになったからってその姿を妬み「そいつには出来ない人生をおくってやる」と違う道を選ぶのはやめたほうがいい。どうせすぐに飽きるのだから。

ところで、日本で見つからないものが海外で見つかるの?

鹿タカシ
しかたかし ライター。大阪生まれ。大阪芸術大学にて写真を学んだ後に上京しなぜかコピーライターとなって約10年。
現在は都内広告プロダクションに勤務しながら、大阪人からみた東京人(主に上京してきた人)について研究。

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