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ソチ五輪で東京人が注目する競技とは? ~1分でわかる大阪人の言い分~

インフォシーク / 2014年2月19日 17時30分

大阪・千日前

スポーツほどお国柄が満載なものはない。アメリカンフットボールはアーミー感丸出しだし、クリケットは最大5日もかかる大陸発想だ。どちらも日本で流行るのは難しい。

先日始まったソチオリンピックの競技の多くも例外ではない。今年は異常だが普段は雪が少ない東京は、盛り上がるどころかルールすら解っていない人も多い。

とはいえお祭り大好きな東京人は「ついつい見ちゃうよねー」「睡眠時間削られるねー」とそれなりに注目しているようす。そんな東京人の注目が集まっている競技はなにかをご存じだろうか。それは、テレビが煽る感動秘話だ。

ついつい見てしまうと言う東京人の女性が私にいろいろと教えてくれる。その内容というのが
「あの選手って、小さい頃から父親がいなかったらしくて…」
「あの兄弟で出てる選手のお兄さんのほう、弟と出場することが夢で…」
「半年前まで不調で代表に選ばれるかどうかの瀬戸際だったらしいけど…」
とまあ選手のお涙頂戴エピソードばかり。

テレビが作った、いわゆる言葉のドーピングに心を奪われ、放送局や広告代理店の術中にまんまとハマっている東京人に出くわす。もしかしてオリンピックの新しい見方か?と思ってみたが、そんなことはなく、ただ東京人がゴシップに敏感なだけだった。たとえばある選手の片親という秘話に対して聞いていた側が「それで結婚してスランプになったけど今は…」などと、エピソードをエピソードで重ねる天丼な会話を耳にすると、成績よりも「幼かった頃から・・・」など感動秘話の芸術点が大事。よって新たな見方ではなく注目の競技種目なんだと知った。

私が知る限り大阪でこのような泣ける話が好物なのはオカンの世代だけ。波瀾万丈な人生を再現VTRで振り返った後に持ち歌を熱唱する「女ののど自慢」に感動しているのか邪推しているのかよくわからない距離感で見ている世代くらいのもんだ。

しかし、10年前に東京に来た頃から、東京から発信する煽りVTRに「盛り過ぎやろ」と疑問が湧いた。格闘技ブームの頃「現在もフリーターとしてアルバイト生活をしながら夢を追っている苦労人」と感動を煽っていた。ある元メジャーリーガーを「ケガは多かったが地元ファンからジェントルマンだと認められた」と野球と無関係な方向に褒めていた。そのクセケガしない身体作りに日々余念が無いイチローには「いつダメになるか」みたいなイヤな見方をした。

こういった秘話やソチ五輪の感想秘話のおかげで、影響されやすい東京人が順風満帆な人に感動できない性質をつくってしまった。主人公となる対象が壮絶な過去や数奇な運命に立たされた後のワンスアゲインじゃないと感動のポテンシャルが低くなるという、大いなる勘違いを生んでいる。

死にかけたくらいの過去にハラハラし、大成功の伸びしろに感動したがる東京人。このテの誇張表現から生まれた最近のモンスターといえば、「耳が聞こえていた」音楽家だろう。当事者やフィクサーや「コイツ聞こえてんじゃねえの?」と疑ったがなにも言わなかった人達に問題はあるが、音色に一度は聴き惚れた元ファンはなにに感動したのだろう。そして今、なにに怒っているのだろう。

日常でもまた、なんでもない現状に感動の下味をつけておけばなんでも話が通ると思っているアホな東京人がいる。たとえば私の隣に座る社員(50代・男)が言う「離婚を繰り返した過去があったが今は…」のような、色恋の遍歴を語り出す東京人。自慢気にアピールしてくる時点で既に鼻につくが、ただの行き当たりばったりを美化しているだけ。知るかボケだ。

たとえば向かいの席でイチャイチャをやめないW不倫中のカップル(どんだけなヤツらかはこちら)が言う「深夜業務させられっぱなしで…」のような、忙しさを嘆く東京人。このバカップルは互いの勤務日をあわせて応接室をラブホ代わりにしている下衆野郎だが、自らの忙しいアピールは誰でも出来る仕事を周りからただ認められたいだけ。黙れボケだ。

かまってちゃんを救済する措置はない。

鹿タカシ
しかたかし ライター。大阪生まれ。大阪芸術大学にて写真を学んだ後に上京しなぜかコピーライターとなって約10年。
現在は都内広告プロダクションに勤務しながら、大阪人からみた東京人(主に上京してきた人)について研究。

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