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仮面ライダー鎧武の大人の秘密、子供の秘密。

インフォシーク / 2014年3月11日 17時30分

かなりのワル。仮面ライダー龍玄。(ワルであることは、まだバレてない)

人は、秘密というものを、いつから意識し始めるのか。

いつから武器にし始めるのか。

子どもの頃、私はなかなか大人に秘密が作れないでいた。頭が悪かったのか、大人は子どもの心が読める、とずっと思いこんでいた。だから心を読まれないように読まれないように、邪なことを考えたら、すぐに自分の頭の中から消去していた。まるで修行僧だったのである。

というわけで、最初に秘密を作ったのは同級生に対してとなる。大人ではないから大丈夫、と考えたのだ。自分がピアノを習っていることを秘密にした。今思えばなんて可愛らしいのか、私は天使のようにピュアである。ともかく、男なのにそんなヤワなものを習ってらぁ…と思われたくなかったのだ。

ピアノ教室にもう一人、隣の小学校から通う同い年の男の子がいた。彼も同級生に隠していた。だからときどきピアノ教室で会うと、なんだかお互いに照れていた。

それから数年経ち、小学6年生のとき、隣の小学校にサッカー試合に行った。私は左のウィング(今はそういうポジションは無いらしい)のレギュラー。私がマークすべき相手は右のウィング。相手の右のウィング…それは、同じピアノ教室の彼であった!

グランド上で、お互いに、照れくさくて笑った。お互いに口の前に指を一本立てて、シーッと言った。それぞれの友達が「えっ、知り合いなの? どうしてどうして? どこで知り合ったの?」と聞いてきたが、僕も彼もこう答えた。

「秘密」

天使のようにピュアである!

残念ながら、天使だった私の秘密も、やがて大人の秘密へと変化していき、そのうち組織の秘密というものに出会っていく。

私が初めて会社員としてマネジメント職になったとき、よしっ、社内を改善! と経営者にちょっとした提案をしたのだが、呆気なく却下された。ガッカリしながら廊下を歩いていると、隣の部署のマネジメント職の男が、私に近づいてこう言った。

「正直なのはいいんですけど、これからはああいう正攻法じゃダメっすよ! 提案する前に、きちんとネゴっておかないと!」

ネ、ネゴっておく…!? 恥ずかしながら私は、その言葉を知らなかった。慌てて調べると、まぁ今回の場合は要するに、秘密のうちに根回し、ということだった。

そ、そうか、これが大人になるということか…!? 複雑な気持ちになったことを、今でも鮮明に覚えている。

思い返すとあれ以来、私にとって社会という場は、秘密から生まれる権力や猜疑心や思惑やエゴに対する葛藤と諦めの場にもなっている。過言ではない。そして私自身も、多くの人を傷つけた。

現在放映中の仮面ライダー鎧武に、フルーツカフェのマスターが登場する。ん? フルーツカフェって…? とそこに疑問を持たれると話が進まないので、テキトーに流していただきたい。マスターは、「人類を守るための闘いは、混乱を防ぐために(権力者のエゴや思惑を感じつつも)秘密に遂行すべきなのか、(混乱や絶望も含めて)正直に公表して真っ直ぐに行動すべきか」というようなことで迷う主人公に、こんなことを言うのだ。

「何かを秘密にしておこうって言いだした奴のことは、とりあえず疑ってかかった方がいい」

そして、続ける。

「秘密ってのは、それだけで大きな力になるし、武器になる。知ってる奴が知らない奴をいいように操ることが出来るしな。悪用されたら酷いことになる」

…マ、マスター! アンタはオレなのか!?

なぜか年をとると、涙脆くなる。あれは年を重ねるごとに、色々な経験の末の自分の「正直」に子供のように敏感になっていくからだと思う。とすると、秘密が増えていくその後ろめたさの数も、その経験とやらに数えられているように思えてならない。

フルーツカフェというよくわからんもののマスターに、こんな重大なことを言わせるなんて! ただもんのドラマじゃないぜ、仮面ライダー鎧武! いやはや、このドラマ、けっこうホントに面白いのである。気になった方は、たまには見ていただきたい。

(※今回、連載100回目です、いつもありがとうございます!)

【バックナンバー】仮面ライダー徒然草はこちら

ガッケンター
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。MC。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」、フリーペーパー「ガッケンターニュース」、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)を展開。

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