仮面ライダー鎧武と世の中の矛盾と、勇気。
インフォシーク / 2014年3月25日 17時30分
突然だが、この仮面ライダー連載記事は、もうすぐ最終回なのである! 大人の事情である!
思い返せば、ノリにノッて週1回連載なのに週2回原稿を送りつけたり、テーマが仮面ライダーなのにドイツから香川の試合の感想を送りつけたり、思い出話に花を咲かせたり、どこか優等生とは言えない連載であった!
もうすぐ終わり、カッコよく言えば、卒業である! そして2014年春の卒業と言えば…22日に解散したハリガネロックなのである!この仮面ライダー記事に、ハリガネロックの大上邦博氏が登場したときは、大変に好評であったのだ!
終わりは始まりであるからして、仮面ライダー記事はもうすぐ終わるけど、大上邦博氏を応援していきたい!
またしても勝手な文章から始まった仮面ライダー記事であるが、今回のテーマは「勇気」なのである!
…えっ? 以前もテーマが「勇気」だった? …細かいことは気にしないのである!
3月23日放映の仮面ライダー鎧武を見ながら、勇気とはなんだろう、と考えたわけだが、ふと思い出したことがあった。
あれは何年前のことだったか、南池袋の某交差点を歩いていたとき、背後で大きな音がした。振り返ると、電灯に走行中の車が正面からぶつかっていた。
車の前のド真ん中が電灯の形そのままに、縦にボッコリと凹んでいる。そしてなんと、電灯にぶつかった状態にもかかわらず、タイヤはキュキュキュキュキュウウウウウ…! と高い音を立てて鋭く回り続けていた。
まだ車が止まっていないのだ。
白煙があがり、視界が真っ白になって、何が何やら、わからなくなった。もしかしたら、車が爆発するかもしれない…! と思った。交差点にいた大勢の人たちも、私と同じく硬直し、身構えていた。
ほんの少し煙が晴れたか…と思ったそのとき。煙の隙間に、見えてしまったのである。
運転席とハンドルの間に、運転手がはさまっていた。回り続けるタイヤは、体が動かず、右足がアクセルを踏み続けているからだ、と瞬間的に判断できた。
迷った。助けたかった。
そうなると、飛び込むしかなかった。白煙はまだまだあがっている。爆発するかもしれない…とやっぱり思った。
怖かった。
少し考えた。しかし、決めた。私は白煙の中に飛び込み、運転手のドアに手をかけた。少しだけ自分が震えていた。
ホッとしたのは、他にも男が2名ほど、私と同時…いや、きっと、もう少し早く…同じくドアに飛びついていたことだった。その男どもは、団塊世代くらいの逞しそうなおじさんたちだった。
みんなでドアをドツき、反対側にまわり、色々なドアをガチャガチャにいじり、叫びあい、ようやくひとつのドアを無理やり開けた。いくつもの手をつっこんで、なんとかシートベルトをはずし、椅子を倒した。はさまっていた運転手の体は、ほんの少し解放された。
白煙はおさまっていた。運転手も頑張ったのだ、いつの間にか足がアクセルから離れていた。白煙は、タイヤが焼けていたのかもしれなかった。
騒然とする中、パトカーや救急車が集まってきた。そこで私たちは解散した。
私はそもそもの目的地へ向かってまた歩き出し、振り返った。さっきの団塊世代の男どもは、群衆に消えていた。
なんだか、いいな、と思った。
今思えば、あれは無茶であった。やっぱり、危なかったと思う。が、絶対に無理かな、と思った先にたったひとつの目的が見えて、男どもも、私も、思わず勇気が出たのであった。
この記事は、23日に見た仮面ライダー鎧武(第23話)に関係しているのである。
第23話で、仮面ライダー鎧武は打ちひしがれていた。とてつもなく大きなものに圧倒され、闘う意味を見失ったのだ。
大きなものとは、希望を達するための対価として、必ず何かしらの犠牲やむなしとする、世の中の常、であった。難しい話だ。そして、その苦悩の姿は、世の中の矛盾に呆然とする一般市民、会社の矛盾に立ち尽くすサラリーマン、といったものとダブらなくもなかった。
このようなとき、みんなはどうするのだろうか。正直、私はやっぱり、立ち尽くしているのだ。
仮面ライダー鎧武は、そんなもの根底からぶっ潰せ、世界を変えろ、というシンプル・イズ・ベストなメッセージを受け、新たな力と闘うべき目的を受け取った。
仮面ライダー鎧武がうらやましく思えた。彼は、なんというか、あの車の事故のときで言えば、白煙が少し晴れた先に見えた、小さくても行くべき目的というものを、誰かからしっかりともらうことができたのだ。
日常生活において、それは簡単ではない。と、哀しいことを、大人になった私は思ったのだった。
仮面ライダー鎧武は、世界を変えるつもりで闘いだした。私たちはどうすればいいのか。
おっさんが仮面ライダーに共感しすぎ? まぁ、ここまで書いて、自分でも少しそう思ったのだが、まぁ、いいのである。仮面ライダー鎧武は、面白い。一度ご覧あれ。
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。MC。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」、フリーペーパー「ガッケンターニュース」、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)を展開。
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