仮面ライダー鎧武、生きてることが花なのだ。

インフォシーク / 2014年4月15日 17時30分

思い悩む仮面ライダーグリドン。青春まっただ中!

20年ほど前の話だが、友人が失踪した。

彼は高校時代の同級生で、卒業後に中国語を学び、そのスキルを買われて仙台の旅行会社に就職した。だが、仕事が激務であったことや、小さい会社なのに派閥闘争のようなものに巻きこまれてしまって、心身ともに疲れてしまったらしい。

ある日、突然いなくなった。

友人関係は大騒ぎだった。もちろん、彼の親も大騒ぎだった。彼はどこへ行ったのか…

私の下宿にいたのである。

場所は東大阪。ひとり暮らしをしていた私のアパートに電話が来て、待ち合わせ場所に行くと、大きな荷物を背負った彼が立っていた。旅行かと思ったら「失踪してきた」と言われて、ひっくり返りそうになった。「今日から泊めてほしい」と言われて、気絶したくなった。

なぜ、数いる友人の中で、オレを選んだのか!? と尋ねると、「頭に思い浮かんだから」と言う。

…大迷惑である。

まぁ、そこから先も色々あったのだが、詳細は書かない。彼の親から「居場所を知らないでしょうか?」と電話が来たときが、一番つらかった。彼は隣で、アグラをかいていたのである。

なぜ彼は失踪したのか。といったことに焦点を当てていくと、もちろん勤務先の問題もあったのだが、「やりたいことがわからないまま、ズルズルと大人になっていく。そんな自分の人生への抵抗」というものがぼんやりと透けていた。

やりたいこと。

世の中の人は、おおよそこのテーマで、青春的人生的挫折的悩みを持つものだ。

4月13日(日)放映の仮面ライダー鎧武 第25話でも、似たようなセリフが出てきた。有名パティシエのもとで修行をしていた仮面ライダーグリドンが、フラストレーションを溜めて、有名パティシエに叫ぶ。

「今の俺は、自分がやりたいことさえもはっきりしてないんだよ!」

ちょっと待て、仮面ライダーが言うセリフじゃないだろ! …というツッコミはいったん置いておく。彼の叫びに対し、有名パティシエはこう応える。

「バカね。やりたいことがはっきりしないなんて、当たり前じゃない」

私は少し驚いたのである。彼は有名パティシエだ。他人から見たら、やりたいことがはっきりしている。しかし彼は、やりたいことがはっきりしないなんて当たり前だ、という。

ドラマの展開に答は無かった。ただ、私の意見として考えるに、やりたいことというのは、実際はマヤカシなところもあるということだ。

人はやりたいことを探して生きる。もしくは、やりたいことを見つけたと信じる。しかし、本当にやりたいことというものは、実は存在しないのかもしれない。

言ってしまえば、人生は生きてることが花なのだ。あとは、どれだけ物事に強い理由をつけていけるか、なのかもしれないのだ。

仮面ライダー鎧武のストーリーでは、有名パティシエに叫んだ仮面ライダーグリドンは、そのまま店を飛び出した。その後、仮面ライダーグリドンは、仮面ライダー鎧武と一緒にいるところを有名パティシエに見つかる。有名パティシエはグリドンを指さしながら、鎧武に向かってこう言うのだ。

「その子はね、今が一番大切なとき。本物になろうと必死にあがいているのよ!」

…はっきりとはしなかったが、ここに仮面ライダー鎧武というドラマなりの答が含まれているように思う。

今言えるのは、生きてることが花である、ということだ。ひとまず人生は、それだけで充分に勇気を得られるときがあるのだ。

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ガッケンター
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。MC。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」、フリーペーパー「ガッケンターニュース」、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)を展開。

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