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【最終回】仮面ライダーは正義のために闘っていない!

インフォシーク / 2014年4月28日 17時30分

バイバイ! これで連載は終わりです。

今回は最終回なので、熱く、ストレートに、自分勝手に語ろうと思う!

世の中には、仮面ライダーが正義のために闘っている、と思っている人が多いのだ! …って書いておきながら、私自身も連載において、「正義のヒーロー」と書いてしまったことがあるのだ。人間を襲う悪がいるからそれをやっつける=「正義」! …と、どうも単純明快勧善懲悪的な考えをしてしまう!

だが、仮面ライダーは、正義なんかのために闘ってはいないのである!

通説としては、仮面ライダー1号企画段階のときに、脚本家であり小説家である市川森一氏が発した言葉が決め手になったと聞く。

「正義のために戦うなんて言うのは止めましょう。ナチスだって正義を謳ったんだから、正義ってやつは判らない。悪者とは、どんなお題目を掲げていても人間の自由を奪う奴が悪者です。仮面ライダーは、我々人間の自由を奪う敵に対し人間の自由を守るために戦うのです」

…そう! 仮面ライダーは人間の自由を守るために闘っているのである!

自由を説明することは難しい。が、それを表現しているものは世の中にたくさんある。もちろん受け取り方は人それぞれであるが、例えば私にとっては、チャップリンの映画「独裁者」であったり、ブルーハーツや忌野清志郎の歌であったりする。

チャップリンは、映画「独裁者」の中で、こうスピーチする。

「… 人生は自由で美しい … 兵士の皆さん! あなた方に何をし 何を考え 何を感じかを命令する者に 自分の身を捧げてはいけない! … 奴隷を作るために闘うのではなく 自由のために闘おう! … 人々は幸福を生み出す力を持っている 人生は美しく 自由であり 素晴らしいものなんだ!」

このスピーチの訳は色々あるのだが、少しでも気になった方は、ぜひ調べてみてほしい。私は、高校生のとき、実際は6分にもわたるこの美しいスピーチを知り、打ちひしがれたのだ。

誰もが正義を謳う。しかし実に、独裁者は、他人の自由を縛ることを望む。人間ではないものになれ、と命令する。他人の持つ自由が怖いのだ。

そういう怪人は、実際、社会の中にたくさんいるのである。

最終回だから書いてしまうが、私は以前から、いつか仮面ライダーを企画してみたいものだと考えていた(そう考えていた矢先に、この連載が始まりました。大変に幸運でした)。自由というものを、世の中と、仮面ライダーを通してディスカッションしたいとぼんやり考えていたのだ。

もちろん、第一は仮面ライダーがただひたすらカッコいいから! という大きな理由である! それはそれで立派な理由なのだ! だって、仮面ライダーなんだから!

企画が全て自分の思うままになんかできやしないのは、大人だからわかっている。そして私の価値観だけで描く仮面ライダーは、大変に安易かもしれないこともわかっている!

だってその仮面ライダーは、きっと、ブルーハーツのようにストレートで、チャップリンの演説のように「賢さよりも思いやり」を大切にし、「奴隷を作るために闘う」のではなく、「自由のために闘う」だろうから。

そしてその仮面ライダーは、忌野清志郎のような素晴らしいセリフを言うのである!

例えば、襲われた人間を守るために、傷つきながら怪人と格闘し、闘い終え、色々なことを感じながら、ぜぇぜぇと息を吐き、それでも毅然と、人間たちに振り返り、なんでもないぜって顔をして、そしてきっと、こう言うのだ。

「オーケー、ベイビー、みんなに聞きたいことがあるんだ … 愛し合ってるかい?」

「仮面ライダー徒然草」はこれで最終回です。2年間、バカな連載にお付き合いいただき、本当にありがとうございました! またいつか、お会いしましょう!(このバカな連載を企画していただいた方々、本当にありがとうございました)

ガッケンター
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。MC。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」、フリーペーパー「ガッケンターニュース」、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)を展開。

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