可能性を秘めた「イクメン」…実は育休をとると企業が成長する!?
インフォシーク / 2014年6月12日 14時0分
「イクメン」という言葉がユーキャン新語・流行語大賞のひとつに選ばれたのは2010年のこと。育児に積極的に関わろうとする男性は昔よりも増えてきている印象がある。また、2013年の安倍内閣の「新成長戦略」に盛り込まれた労働政策分野の施策では、2020年度までに男性の育児休業取得率を13%まで上げることを目指しており、男性の育児参加は今後ますます期待されている。
通信教育を手掛ける株式会社ユーキャンは、そんな「男性の育児」について、子どもがいる男性ビジネスマン400名を対象に「男性の育児休暇取得に関するアンケート」を実施した。その結果から、男性の育児休暇の取得が進むことにより、「企業のイメージ」「少子化対策」「女性の社会進出」にも良い影響を与えるという可能性も見られるものとなった。
■育児休暇を取得した男性の83.9%が「また子どもが生まれたら育児休暇を取得したい」
男性の育休取得経験者(過去に育休取得、現在取得中)に「また子どもが生まれたら育児休暇を取得したいか」を聞いたところ、83.9%の人が「また取得したい」と答えており、育児休暇への満足度の高さがうかがえる。育児休暇のメリットについては「子育てに関われる」(78.7 %)が最も多く、ついで「家族との時間が取れる」(65.0%)という声が多く上がったことから、育児休暇を取ることで子どものみならず家族との時間を大切にしようという気持ちも見えてくる。
男性の育児休暇取得率が上がることでの社会全体への影響についても聞いたところ、育休取得経験者の58.4%が企業のイメージに「良い影響がある」と回答。他にも、少子化対策や女性の社会進出について、いずれも半数近くが「良い影響がある」と回答しており(それぞれ50.2%、49.2%)、「2020年までに指導的地位にある女性比率を30%にする」という成長戦略にイクメンが影響を与える可能性も出てくるかもしれない。
ただその一方で、男性の育児休業取得には依然として障壁があるのも事実である。育休取得経験者に、男性の育児休暇取得率アップにおける障壁を聞いたところ「職場の理解が足りない」(51.4%)が最多で、ついで「育児休暇中の家計が不安」(49.5%)と答えている。 日本の職場は依然として男性社員とはこうあるべきだという先入観が残っているのか、上司が部下の育休取得を妨げる「パタニティ(=父性)・ハラスメント」(パタハラ)と言う言葉も話題になったことがあり、そういった職場の空気・環境といったものも、取得率の低さに影響を与えているのかもしれない。
育児のために休業するのは大事なこと、それはわかっているが休みたくても代わりがいない、上司がいい顔をしない、出世にひびく…こういった意識と現実のギャップが男性の育休への二の足を踏ませている。だが、アンケートでは、育児休暇を取得することで仕事の業務効率化に対する意識が上ったという結果も出ている。また、男性の育休取得経験者に対して育児休暇中に自由に使える時間を聞いたところ「1日に1時間~2時間」(過去に育休取得:38.6%、育休取得中:37.7%)という回答が最も多く、またその時間を自分磨きに使うなら「資格取得に向けた勉強をしたい」(過去に育休取得:35.0%、育休取得中:43.4%)という回答が1位にランクインした。実は、育児休暇を取ることで仕事の効率が上がり、スキルアップも見込め、ひいては企業の成長にもつながる…という可能性をもっと積極的に周知し、育児休暇を取りやすい環境つくりを行う事が今後はさらに必須となりそうだ。
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