埼玉の「首都圏外郭放水路」は、地下神殿と呼ぶにふさわしい古代ギリシャ感の圧

INLIFE~あなたと保険を繋げるメディア~ / 2017年12月18日 9時0分

写真

埼玉の「首都圏外郭放水路」は、地下神殿と呼ぶにふさわしい古代ギリシャ感の圧

春日部:地下の社:ハイライト



さて、いきなりだが、埼玉県は春日部市にえげつなく地下神殿臭が漂う場所があるという。
それが「首都圏外郭放水路」。


念のため分解しておくと、首都圏、外郭、放水路だ。
シュトケン、ガイカク、ホウスイロ。
要は、首都圏の外郭にある放水路で、放水路という名の通り、雨で溢れた小さな川から水を奪って、貯水して、大きな川に放流する的な役目を担う施設である。

なお、首都圏外郭放水路が神殿と称されている所以は、水を貯める調圧水槽があまりにも巨大で神秘的だからであり、オイラみたいに“小宇宙”と書いて“コスモ”と読む男前であれば、神殿と聞いた途端に興奮を覚えずにはいられないだろう。
そんな胸熱スポットが近場にあるならば、訪れないわけにはいかないのである。


ちなみに、その地下神殿を拝むためには、首都圏外郭放水路の見学会に参加しなければならず、日曜と月曜と年末年始以外はほぼ毎日開催しているとのことで、早速申し込み。


てなことで、レッツラゴー。



Hiho Hiho to シュトケンガイカクホウスイロ



首都圏外郭放水路へは、新宿から約1時間40分。

まずは下道を通って王子まで行き、王子北料金所から首都高速中央環状線へ。
それから、江北JCTを東北道方面に進み、首都高速川口線、東北自動車道と乗り継いで、浦和本線料金所を通過。
高速岩槻ICから出て、春日部・岩槻方面にぶっ飛ばし、しばらくは東大宮バイパス、国道16号線に沿ってドライブ。




そうのこうので、金崎交差点を左折し、その先ローソンの奥にある斜め右に入る道を右折で、目的地はもう目の前。

案内板も出ているから安心だ。



首都圏外郭放水路管理支所 庄和排水機場<龍Q館>

この大きな建物、首都圏外郭放水路管理支所 庄和排水機場<龍Q館>、が目印。

リピートアフターミー。
シュトケン ガイカク ホウスイロ カンリシショ ショウワハイスイキジョウ リュウキュウカン。

はい、一回で頭に入ったら拍手!
よっ、天才!




そんな具合で、施設内に駐車場があるため、車はそこに停めよう。



時刻は12時50分。
見学会は13時開始なので、待ち合わせ場所である、龍Q館の2階へと向かう。




集合場所に着くと、すでに見学会の参加者であろう人々が集まっていた。
この日の見学者はオイラ含めて23人。

いやいや、平日の昼間で、結構いるよねぇ。
普段何やってんだろ、この人たち、みたいなぁ。



そんでもって、見学会の流れとしては、はじめに龍Q館内で30分程度の説明があり、それから地下へ。
トータルで約1時間らしい。





さあ、職員による解説が始まった。



見学会


簡単にまとめると、埼玉県の中川および綾瀬川流域は、利根川、江戸川、荒川の大河川に囲まれており、さらに水が溜まりやすい皿のような地形をしていることから、昔から浸水被害に悩まされてきたそうな。

また、近年の急激な都市化の影響で、ただでさえ浸水被害が多かった場所に人や資産が集中したことで、もし洪水が起これば、昔とは比べ物にならない甚大な被害を被る可能性が出てきたそうな。

そこで、水害から地域を守るための取り組みとして、中川・綾瀬川総合治水対策が立ち上げられ、プロジェクトの大きな柱が首都圏外郭放水路の建造、ということだそうな。



首都圏外郭放水路のメカニズム
浸水戸数の比較


さらに、これらの絵を文字で起こすと、首都圏外郭放水路は、中川、倉松川、大落古利根川などの中小河川の洪水を、立坑を使って地下に取り込み、地底50mに設置された全長6.3kmのトンネルを通って、排水機場から江戸川に流す。

流入場所である立坑は全部で5ヶ所あり、第5立坑から第2立坑までの4ヶ所が地上から水を取り込む役割、調圧水槽に隣接した第1立坑は他の立坑から流れてきた水を引き受けて調圧水槽に送り込む役割。

なお、工事は平成5年の3月に始まり、およそ13年かけて平成18年の6月に完了。
平成14年からは部分的に運用が始まっていたが、通水前の平成12年7月の台風3号(雨量160mm)による浸水戸数が248戸だったのに対し、完成後の平成18年12月に発生した強大な低気圧(雨量172mm)による洪水では浸水家屋は85戸だった、とのことである。



はい、全部ちゃんと読んだ人、拍手!
よっ、秀才!




ということで以降は、豪雨に見舞われても、首都圏外郭放水路の稼働のおかげで、中川・綾瀬川流域では被害を軽減させることに成功しているわけだ。



はい、大拍手!!



どえらい古代ギリシャ感




さあさあ、予習も済んだので、いよいよ調圧水槽にエントリー。


調圧水槽へは、龍Q館を出て、右手にあるサッカーグラウンド奥の入り口からイン。



サッカーグラウンド


なんと、このサッカーグラウンドの下が丸々、調圧水槽らしく、でけぇし、SF感、ちょっとすげぇ。





入り口はこちら。


入り口


ここから地下へと降りていくわけだが、エレベーターなどのハイテクはないため、連続116段、建物のおよそ6階に相当する階段を足で下らなければならない。

だからなのか、見学会の参加条件として自力で階段の上り下りができる方のみ、という項目がわざわざ設けられていたりもする。






階段を降りていくと、次第に空気が変わっていくのを感じ、さらに半分ぐらいまで降りると調圧水槽が見えてくるが、この時点ですでにスケールの大きさが分かる。


地下

ちなみに、今回は特別に撮影許可をいただいたが、通常は安全を考慮して階段途中での撮影は禁止されているので悪しからず。






では、お待ちかねの地下神殿の全容をお見せしよう。


地下神殿


神々しさ、ゴイスー。

柱の感じとか古代ギリシャ時代に建てられたパルテノン感、ゴイスー。

なんならパルテノン埼玉とでも名付けたい、ゴイゴイスー。



え??
ん??
東京の多摩市にはパルテノン多摩っていう複合文化施設がすでにあるって??

まあまあ、日本には1億人以上いるんだから、センスが似ることだってあるぜよ。
他意はないぜよ。
からの、幅78m、長さ177m、高さ18mという巨大空間を前に、我々ホモ・サピエンスなんぞ考えられないぐらいチッポケな存在だと感じずにはいられないぜよ。



地下神殿


とにかく、ただ水を貯める施設がここまで豪壮とは恐れ入る。





なお、構造としては、第1立坑から水が流入し、奥へと流れていくらしい。


地下神殿


こちらが第1立坑。
深さ約70m、内径30mというサイズで、トンネルを通ってきた水を溜め込み、水位が上がってくると調圧水槽内に流れるようになっている。


ちなみに、首都圏外郭放水路は平成28年1月12日時点で合計100回稼働し、平成27年に台風17号と18号が同時に到来した際は、約1,900万㎥、東京ドーム15杯分の水を4日かけて江戸川に放流したそうだ。

あ、自分で言っておいて何だが、毎度毎度この手の量を示す基準に、だいがい東京ドームが出てくるけれども、じぇんじぇんイメージ湧かないよね。
どうせなら缶ビール何本分とか、プロテインシェイカー何杯分とか、もっと身近なもので表してほしいよね。





そんな感じで無性にイライラしながら、しばらく居座った後、再び階段を上がり、地上へ戻る。


すると帰り際、職員の方に、この見学会が有料だったらいくらが妥当ですか??と尋ねられた。



すんごい何かを求められているような質問だが、一切のボケを封印し、1,200円くらいですかね?と答えておいた。
まあ、1,200円って、ちょっと奮発したランチ、ちょっと割り引いた映画鑑賞だが、それぐらいの価値は十分にあるのではないかってことで。




そうして、龍Q館に帰着し、薄めのアンケートを記入し、見学会終了。

その後は、展示物をじっくり見たり、職員の方に大いなる疑問をぶつけてみたり、各々のフィーリングとタイミングで解散。



なお、近場に飲食店らしきお店が見当たらなかったため、メシはなし。
前回に引き続き、このシリーズ、メシはなし。

あはは。
いひひ。
うふふ。
えへへ。
おほほ。

身体をおもいっきり使わせておいて、相当シビアざますわ!
もう、久兵衛のお寿司、取材費のテイで出張サービスしてもらおうかしら!
ていうか、“秘境×久兵衛”って激しいざますわ!
普通に秘境を巡ってるより、よっぽどコンテンツとして強いざますわ!

って、どの立場からどこに何を書いてんねん感スゴいぃ、といったことでアデュー♪



あとがき



人々の生活を守るために造られた首都圏外郭放水路は、かたや古代ギリシャ建築を彷彿とさせる壮大な地下空間であった。


見学会は電話もしくはネットで予約可能なので、興味あれば是非是非どしどし。
なお、日曜と月曜以外に開催されているが、土曜は一番人気で、すぐに予約が埋まってしまうらしいのでお早めに。




◇text:日下部貴士/A4studio





「首都圏外郭放水路」INFO



■住所
埼玉県春日部市上金崎720

■電話番号
048-747-0281
(首都圏外郭放水路インフォメーション)

■営業時間
9時30分~16時30分

■料金
無料

■定休日
日曜と月曜と年末年始

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