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『ゼンゼロ』「猫宮又奈」の“尊厳と誇り”に全人類が惚れるべき! 気まぐれ? わがまま? そんなイメージを覆す魅力を見届けよ

インサイド / 2024年8月3日 18時0分

※本記事は『ゼンレスゾーンゼロ』メインストーリーのネタバレを含みます。


世界を揺るがす災害「ホロウ」の被害に見舞われながらも、逞しく生きる人々を描く『ゼンレスゾーンゼロ』(以下、ゼンゼロ)。ユニークな世界観に小気味良いアクション性も相まって、すでに確固たる人気を獲得しています。


本作の特徴を語る上で外せないのが、魅力的なキャラクター陣です。主人公である兄妹のふたりは、「ホロウ」の案内や脱出を請け負う一流の「プロキシ」として、腕も口も達者に立ち回ります。また、彼らを取り巻く周囲の住人や、「ホロウ」に挑むエージェントたちも、それぞれの個性で異なる輝きを放っています。


特にエージェントは、「ホロウ」に巣食う強敵「エーテリアス」と戦う際、プレイヤーが直接操作を行うキャラになるため、自然と思い入れが高まりやすい存在です。いち早く、お気に入りを見つけたプレイヤーも多いことでしょう。


どんな理由で誰に惹かれたのか。その答えはプレイヤーの数だけあり、いずれも等しく尊いもの。そこで今回は、『ゼンゼロ』のいちプレイヤーとして、個人的な推しエージェント「猫宮又奈」(以下、猫又)が持つ魅力と、どんな一面に惹かれたのか、実体験を通してお届けします。


まだ猫又の魅力に触れていない『ゼンゼロ』プレイヤーはもちろんのこと、未経験のユーザーもぜひ彼女の魅力を垣間見てください。なお、ストーリー序盤のネタバレも含むため、閲覧の際はご注意ください。


■「猫又」は、ガチャ運に見放されたプレイヤーを救った天使


猫又は、メインストーリー第1章における中心的な人物です。……が、正式サービス版で筆者が最初に出会ったのは、第1章を始める少し前。本格的にストーリーを始めるより先に、手持ちの戦力を整えたいと考え、まずはガチャに挑みました。


プレイ開始直後から、主人公たちと協力関係にある「邪兎屋」のニコ、アンビー、ビリーの3人を編成できますが、レア度はいずれもA。ひとりでもいいからSRが欲しい、という想いからガチャに挑んだものの、その短絡さを見抜かれたのかさっぱりSRに恵まれません。


どれだけ運がなかったかといえば、当時のリソースを全て費やしても、ピックアップガチャはSRなし、常設ガチャも50連目(初回のみの特別措置)までSRが出ず、という体たらく。その末に、ようやく来てくれたのが猫又でした。


ほかのあらゆるSRからそっぽを向かれていたので、現れてくれた彼女の優しさが身に沁みます。尽きたリソースからは目を背けつつ、猫又と共に歩む『ゼンゼロ』生活が始まりました。


■猫に過去あり、胸に尊厳あり


名は体を表すという言葉がありますが、猫又はまさにその通り。人間以外の生物の特徴も備える「シリオン」のひとりで、彼女の場合は敏感な猫耳や、ふたつに分かれた尻尾など、猫科の性質を受け継いでいます。


いわゆる「猫耳」や「猫の獣人」キャラは、ゲームに限らずアニメや漫画、小説などでもよく見かけます。それっぽい耳から、人と猫の骨格を組み合わせたような亜人まで、そのバリエーションも千差万別。猫又の場合は、顔の形状も含めて人間の体躯が基本となっており、本格的な獣人系と比べると猫度はやや控えめかもしれません。


しかし猫又の「猫らしさ」は、見た目だけに留まらず、むしろ性質や在り方にこそ備わっています。猫らしさと一口に言っても、「気まぐれな甘えんぼ系」や「ツンなクール系」など方向性は様々ですが、猫又の場合は「ストリート気質野良猫系」といったところでしょうか。


この「野良猫」という言い回しは、抽象的な意味だけではありません。猫又は元々、身寄りのない孤児でした。今の彼女は、愛らしい見た目とは裏腹な実際家ですが、その生い立ちが多分に影響しているのでしょう。


ですが、今日まで孤独だったわけでもありません。「シルバーヘッド」と呼ばれる人物に引き取られて、彼女の孤児生活は終わりを告げ、「家」とも言うべき場所を手に入れました。それまで拠り所のなかった彼女からすれば、この居場所は喉から手が出るほど欲しかったものでしょう。


ただし、その幸せも長くは続きません。シルバーヘッドやその周りにいる人々は、次第に理想を捨て、誇りを失い、落ちぶれていきます。


シルバーヘッドには恩もありますし、逆らえば居場所を失うのは自明の理。ひとりぼっちで生きていく辛さは、その身に染みているはず。しかし猫又は、居場所のためにシルバーヘッドの奴隷となる生き方は選ばず、誇り高い決別と孤独を選びました。


自分だけが愛されればいいと甘えるのではなく。生きていくには綺麗ごとだけじゃ済まないとクールに気取るのでもなく。考え方は実際家でありながら、尊厳を失わずに凛と立つ。そうした野良猫の矜持とも言える生き様に、惹かれないわけがありません。


……ちなみに、誰かを欺くために必要とあれば、「語尾に“にゃー”をつけて猫を被る」といった振る舞いも辞さない猫又。相手を油断させるために手段を選ばぬその姿も、立派な矜持と言えるでしょう。





■居場所を捨てても、義は捨てない猫又道


再び野良猫ならぬ独り身に戻った猫又ですが、『ゼンゼロ』本編には主人公たちの助けを求める依頼者として登場します。家族の形見が奪われ、それが「ホロウ」にあるので取り戻したいと願う猫又は、「邪兎屋」にその案内を頼みました。


「邪兎屋」は、ある貴重品を巡って「赤牙組」と対立し、トラブルこそあったものの見事に出し抜いたホロウレイダー。この評判を聞きつけ、たっぷりの報酬を約束して「邪兎屋」の3人を雇います。


一行が向かうホロウは、特に凶悪な「エーテリアス」がいる危険な地域。こうした依頼でもなければ、「邪兎屋」も迂闊に近寄りたい場所ではありません。しかし、その危険こそが猫又の狙いでした。


実は、「邪兎屋」と揉めた「赤牙組」のボスは、かつて彼女の身元を引き受けたシルバーヘッドその人。猫又自身も、一時期は「赤牙組」の一員となり、皆と一緒に理想を追いかけ、自分の居場所を守ろうとしていました。


ですがシルバーヘッドは、理想も守るべき者も捨ててしまい、そんな彼と「赤牙組」を見限った猫又は袂を分かちました。もう一員でなくなった彼女は、「赤牙組」になんの義理もありません。


そう、義理も縁も手放したはずでしたが……「邪兎屋」とのトラブルの挙句、シルバーヘッドがホロウで死んだと聞かされた猫又は、復讐を決意します。


それは、かつての恩を返すためか、道半ばに倒れた者を悼んでのことか。正確なところは本人しか分かりませんが、過去と今を切り離して生きる器用さを、彼女は持ち合わせていませんでした。


人情や義侠心といった感情は、拠り所がなくストリートで生きる人々にとって、むしろ足を引っ張りかねないものです。ですが、ストリートに身を置くからこそ、目先の損得ではなく情や繋がりこそ手放すべきではないと、猫又は実体験を通して悟っているのでしょう。


義理や情を捨てたシルバーヘッドの死にも、義を持って向き合う猫又。誰かに褒められるわけでもなく、利益が得られるわけでもない。そんな見返りなど欲することなく、猫又は「邪兎屋」を騙し、死地へと誘います。


■自らの感情に拘泥しない、しなやかな視点の持ち主


ですが、猫又が復讐心を向ける「邪兎屋」の面々は、あまりにも予想と違っていました。高額の報酬に色めく欲深さこそありますが(特にニコ)、「ホロウ」をうろつく子供を見かけたら、依頼そっちのけで救出に向かいます。リスクは高く、リターンは見込めない状況なのに、3人全員が満場一致で。


また、悪辣な企業に騙された住人たちを助けようと、危険な「ホロウ」に居残ることを躊躇うことなく決め、知り合って間もない猫又を信じて、主人公たちの元へと送り出します。報酬はしっかりいただくものの(特にニコ)、誰かを見捨てて自分たちだけは助かるといった選択肢は、「邪兎屋」の3人に全くありません。


そんな「邪兎屋」の在り方は、今の「赤牙組」と真逆です。シルバーヘッドが失ったものを、ニコたちは当たり前のように持っていました。もしかしたら、猫又を引き受けた当時のシルバーヘッドなら、持っていたものかもしれません。


「邪兎屋」とシルバーヘッドの間で、実際に何があったのか。その経緯から顛末まで「邪兎屋」の3人は知っていますし、プレイヤーも彼らの視点を通して把握しています。


詳細は省きますが、シルバーヘッドが不幸な目に遭った事態に「邪兎屋」が関わってはいるものの、死に直結する原因とまで断じるのは少々過言です。両者のトラブルはあくまで(ダーティな世界の)仕事上での衝突に過ぎません。また、シルバーヘッドが「ホロウ」に迷い込んだのも、「邪兎屋」の意図ではなく、事故のようなものでした。


そうした「邪兎屋」が知っている背景を──猫又は、根掘り葉掘り聞くようなことはしません。「邪兎屋」の振る舞いや言動を通して、自分が復讐心を向けるような相手ではないと、彼女は自ら悟ったのです。





■厳しい世界を凛々しく生きる、野良猫の行きつく先は……


自分の過ちに気づき、「邪兎屋」への復讐は筋違いと認識した猫又は、これまでの経緯を隠すことなく「邪兎屋」に明かします。ちなみに「邪兎屋」は、猫又の復讐心には一切気づいておらず、全て寝耳に水でした。


何も明かさずに黙っていれば、猫又は何ら問題なくやり過ごすこともできたはず。ですが、それは自分を偽るのと同義です。自分に嘘がつけず、シルバーヘッドの元を離れた猫又にとって、自らを偽るのは許せない行為なのでしょう。


赤裸々に事情を打ち明け、一連の責任を負い、悪辣な企業との交渉にひとり出向く猫又。最も危険な役目を引き受け、けじめをつけようとする姿は、誇りある孤高の野良猫でした。


ストリートで生き抜いたクレバーさを持ちながら、人情や義侠心を忘れず、自分にも甘さを見せない野良猫──そんな彼女の在り方には猫気質が垣間見え、同時に人としての魅力にも溢れています。


野良猫が居場所の暖かさを知り、しかし矜持のために野良へと戻る。そんな放浪猫が行きついた先は、なんと「邪兎屋」。こうして彼女は、また新たな居場所を手に入れることができました。その下りを詳しく紹介するのは野暮なので、是非ゲーム内で直接確かめてください。




猫は、薄情で恩知らず。性格は、気まぐれでわがまま。そんなイメージを抱いている人も少なくないかと思いますが、猫又から受ける印象はいずれにも当てはまりません。


人の善悪を判じて裁くことを「正義」と呼ぶなら、猫又に正義があるかは意見が分かれるところでしょう。ただし、心の内にある正しき義に背かず、誇りと責任を背負うことを「正義」と呼ぶなら、まさしく彼女の生き様と言えるでしょう。


法の道からは少々外れても人の道からは外れず、ちょっと困難なルートでも軽やかに乗り越えていく。そんなしなやかな強かさを持つ猫又を、今後も見つめていきたいばかりです。よければあなたも、彼女の活躍を見守ってはいかがでしょうか。


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