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田中敦子さんがゲーム業界に残した、偉大な足跡─ぜひ遊んで欲しい代表作を今遊ぶには?

インサイド / 2024年8月25日 12時0分

「攻殻機動隊」シリーズの草薙素子役をはじめ、様々な作品で活躍した声優・田中敦子さんの訃報が、2024年8月20日に明かされました。


田中敦子さんが声をあてた作品は、アニメや映画、ドラマなど、役柄やジャンルも幅広く、枚挙に暇がないほどです。もちろん、ゲーム業界も恩恵を受けており、名作から近年の作品まで意欲的な活躍が続いていました。


いずれの役柄も素晴らしいばかりですが、数多く出演したゲームタイトルの中から、特にお勧めしたい3作品を紹介します。未体験の人は、まだ味わっていない田中さんの名演を、ぜひ味わってください。またプレイ済みの人も、この機会に改めて振り返り、作品と共に残る素晴らしい声と演技を振り返りましょう。


■『ベヨネッタ』シリーズの「ベヨネッタ」


田中敦子さんが演じたゲームキャラといえば、「ベヨネッタ」を思い出す人も多いことでしょう。シリーズ作と同名のベヨネッタは、現代に生き残った“アンブラの魔女”。その背景はネタバレにも通じるので伏せておきますが、ストーリーや設定と切り離してもベヨネッタの魅力は尽きません。


単純に「善か悪か」で問うならば、ベヨネッタは間違いなく「悪」の側に属する人物です。自由奔放で気まぐれ、絶大な力の行使にも躊躇はなく、戦いに臨めば苛烈で残酷。敵対する者に一切容赦せず、時には拷問器具すら駆使して、残虐な仕打ちを天使や悪魔たちに食らわせます。


人間の一般常識や倫理、ルールなどには一切縛られず、蝶のように舞い、囚われない生き方を貫くのが、ベヨネッタという魔女です。しかし一方で、弱い者を無為に踏みにじるといった悪趣味な面はなく、戦いの場に迷い込んだ少女を守り、世話を焼くといった場面も描かれたことがあります。


情報屋のエンツォは、たびたびベヨネッタにこき使われ、そのたびに苦労する描写がたびたび描かれています。ただし、その見返りとして十分な報酬も受け取っている模様。ベヨネッタが持つ力を使えば、無理やり強いるのも簡単なはずですが、一方的な搾取はせずに取引を守るベヨネッタの姿勢には、一種の高潔さすら感じます。


決して善人とはいえず、ダークヒーローでもありませんが、彼女なりの規範や美学を持ち、それはプレイヤー視点からみて不快なものではありません。飄々とし、クールな振る舞いを見せながらも、決して冷淡ではなく、洒落っ気もたっぷりな魔女。そんなベヨネッタと、ぜひゲームの中で出会ってください。


■『ベヨネッタ』シリーズを今遊ぶには?


シリーズの1作目は、Xbox 360とPS3向けにリリースされました。しかし、オリジナル版の体験にこだわりたい人以外は、もっと手軽にアクセスできる手段がお勧めです。


システム要件を満たしているPCを所有しているなら、Steam版も選択肢に入ります。また、『ベヨネッタ』と『ヴァンキッシュ』がセットになった『BAYONETTA&VANQUISH』PS4およびSteam向けにリリースされています。


ただし、PS4やSteamで遊べるのは、シリーズ1作目の『ベヨネッタ』のみ。直接的な続編となる『ベヨネッタ2』および『ベヨネッタ3』、そしてスピンオフ作品の『ベヨネッタ オリジンズ: セレッサと迷子の悪魔』が遊べるのは、スイッチだけです。


ちなみに、1作目の『ベヨネッタ』もスイッチ向けに販売されており、スイッチがあればシリーズ作を一通り遊ぶことが可能です。


また、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズに、ベヨネッタがゲスト出演したこともあります。『スマブラ』でベヨネッタを楽しみたいなら、彼女が本編に含まれている『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』をお勧めします。





■『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』の「カイネ」


青年もしくは成人男性が主人公を務める『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』は、人々の生存を脅かす病や「マモノ」が蔓延る世界で、黒文病に侵された妹/娘の「ヨナ」を救うべく奔走するアクションRPGです。


そんな主人公と知り合い、とあるきっかけを経て仲間になる「カイネ」を、田中敦子さんが演じました。主人公だった「ベヨネッタ」とは違い、彼を助ける仲間という位置づけですが、作品世界における重要度は非常に高く、カイネ抜きで『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』は語れません。


田中敦子さんは、草薙素子やベヨネッタのような、冷静で落ち着きのある成人女性を演じる機会が多いのですが、本作のカイネは若さを十分残している17歳。感情の起伏も大きく、冷静に対処する時もあれば、怒りを爆発させて振る舞うこともしばしばあります。情感も豊かなので、田中敦子さんが普段あまり見せない類の演技を味わえるキャラクターと言えるでしょう。


カイネが激情に駆られる理由のほとんどは、不幸な生い立ちと周囲の無理解にあります。両性具有として生まれた彼女は、村人から様々な視線に晒される対象でした。ただし、彼女の祖母は口こそ荒いものの愛情深く、幼いカイネを暖かく支えます。


しかし愛情に救われた日々は、巨大なマモノに襲われ、祖母を失うことで終焉を迎えました。愛すべき祖母と死別し、しかも「デュラン」と名乗るマモノにも取り憑かれ、村人からの迫害もいっそう強まります。絶望にまみれた彼女は、祖母の仇を討つことだけを望み、怒りを胸中に宿し続けて生きてきたのです。


両性具有、マモノ憑き、村人からの迫害、マモノへの憎悪。こうした複雑な事情を持つカイネを、田中敦子さんがどのように演じたのか。その経過と顛末は、ゲームをプレイして直接見届けてください。


■『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』を今遊ぶには?


カイネが登場する『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』も、奇しくも『ベヨネッタ』と同じくXbox 360とPS3向けに発売されました。こちらは今現在アクセスしやすいとは言えないため、今遊ぶなら別のバージョンがお勧めです。


『ニーア レプリカント』をベースにバージョンアップした『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』が2021年4月にリリースされており、これから遊ぶならこちらがベストでしょう。PS4Xbox OneSteam向けに展開しており、環境的に見てもかなり遊びやすい状況です。


しかも『ver.1.22474487139...』はグラフィックを刷新したほか、フレームレートも60fpsに対応し、バトルシステムも一新。全体的に遊びやすく、また没入感が高まるよう調整されているので、プレイ体験としても『ver.1.22474487139...』をお勧めします。


また本作には、『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』にはなかった新たなエンディングが追加されています。その結末にはカイネが大きく関わっているため、田中敦子さんの演技を隅々まで味わい尽くす意味でも、『ver.1.22474487139...』をプレイするのがベストでしょう。





■『Fate/stay night』の「キャスター」


田中敦子さんが演じたゲームキャラクターは、紹介しきれないほど多数に及びます。ですが、シリーズ全体が広がりを見せ、担当キャラクターが様々な作品に登場する形になったものといえば、『Fate/stay night』の「キャスター」が代表的でしょう。


それぞれの願いを叶えるべく、対を成す魔術師とサーヴァントが最後の1組になるまで戦い続ける「聖杯戦争」。この過酷な戦いに参戦したサーヴァントのひとりが、このキャスターでした。


卓越した魔術師の英霊であるキャスターは、「魔法」の域に近い魔術を行使できる、恐るべき力の持ち主です。しかし、ほとんどのサーヴァントは高い対魔能力を持っており、正面切っての戦闘力は他のクラスに及びません。


そのため「最弱のサーヴァント」とみなされていましたが、奸計と策略を巡らし、侮り難い敵のひとりとして存在感を放ちます。その冷静な狡猾さや手段を選ばない行動力から、時に「悪」として見られることもありますが、秘めた意思と想いの深さに不純な歪みはなく、ある種の一途さに多くのユーザーが心を震わせました。


オリジナルにあたるPC版の時点では、作品全体にCVがありません。後に造られたTVアニメ版や、PS Vita向けに作られた『Fate/stay night [Realta Nua]』で、キャスター役を田中敦子さんが担当し、以降の作品でも彼女が演じ続けました。


また、『Fate/stay night』の成功をきっかけに、書籍やアニメなどを通して『Fate』シリーズが展開。その中にはゲーム作品も含まれており、キャスターが登場するものも少なからず存在します。


特に有名な作品を挙げるなら、現在もサービスが続いている『Fate/Grand Order』(以下、FGO)が代表的と言えます。こちらでは、キャスターの真名である「メディア」として参戦し、多くのサーヴァントと共にマスターを支える立場となりました。


そして、『FGO』に登場したことで、その関連作に顔を出すことも。例えば、スピンオフ漫画のひとつ「Fate/Grand Order 藤丸立香はわからない」では、メディアが持つスキルの可能性を探る展開が、コミカルに描かれました。


ちなみに、「Fate/Grand Order 藤丸立香はわからない」はショートアニメ化もされており、“コメディな世界観でメディア役を演じる田中敦子さん”を楽しめる貴重な機会となっています。該当アニメ(シーズン1 第15話)は『FGO』の公式YouTubeチャンネルで視聴できるので、気になる方はそちらをご覧ください。


加えて田中敦子さんは、『FGO』で「荊軻」や「カーミラ」も兼任しているため、それぞれの演技も楽しむことができます。その演じ分けも、注目したいポイントのひとつと言えます。


■『Fate/stay night』を今遊ぶには?


田中敦子さんの演技が楽しめる『Fate/stay night』をこれからプレイしたい場合、PS Vita版という選択肢もあるのはあります。ですが、スイッチSteam向けに配信されている『Fate/stay night REMASTERED』の方が、アクセスもしやすくお勧めです。


またスマホで遊びたいなら、iOS/Android向けに配信中の『Fate/stay night [Realta Nua]』で楽しむ手もあります。スマホ版は、3ルートのうち「セーバールート」を無料でプレイできるので、お試しに触ってみるのも一興でしょう。


1ルートを無料で遊べるスマホ版か、2024年8月に発売されたばかりの『Fate/stay night REMASTERED』か、どちらもそれぞれ長所があるので、自身の好みに合わせてお選びください。どちらを選択しても、田中敦子さん演じる「キャスター」の魅力を十二分に味わえます。


ちなみに、『Fate/stay night』の続編となる『Fate/hollow ataraxia』のリマスター化が既に決定しています。こちらもスイッチとSteam向けに展開される予定なので、続編も視野に入れて『Fate/stay night』をプレイするハードを選ぶのもアリでしょう。




田中敦子さんは、数々の作品に素晴らしい演技を残していきました。今回紹介したゲームはいずれも現行機でプレイできますが、時間が経つにつれてアクセスしにくくなるかもしれません。今改めて、出演作品に触れてみてはいかがでしょうか。

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